「グランマの憂鬱」6話、亜子のシンデレラ、仕事の悩み、上司としての在り方
いつものように、三婆は外で「お茶の時間」を楽しんでいたが、その中に一人場違いな女性がいた。
そして、3人は「おすそ分け」をしたが、「結構です。皆さんバスを待っているんですよね?」
と、聞かれたが、この村にはバスは夕方に来る。そしてタクシーは隣町でしか拾えない事実を知ってしまった。
コンテンツ
亜子のシンデレラ
バスもタクシーもないと知り、女性は歩き出したが、三婆が呼び止めた。なんだか訳ありだし、
足を引きづっている。とにかく百目鬼の家に連れて行き、足の手当てをしたが、「ヒールのある靴」を見るのが、
亜子は憧れだった。「シンデレラだ!!」と喜んでいたが、何か「訳あり」と感じたミキが「うちに泊まっていきなさい」
と、部屋を用意してくれたが、亜子が必死で畳を掃いていた。由真が「シンデレラを読んであげたら気に入っちゃって」
と、不動産関係の仕事をしている初音にむけて説明した。がから、「ヒールのある靴」を履いている人は
亜子にとっては「シンデレラ」なのだ。事情はまだわからないが、なっているスマホにも出ない。
そして、ミキは「とにかくゆっくりしなさい」と言っても、何かしていないと落ち着かないのか、手伝いをしたがった。
そこに、炭焼きの青年が訪ねてきた。そして「炭が焼きあがった」と知らせに来たが、村長も、ミキも買う。という。
「最近お前さんの焼く炭はよくなってきたね」とミキはほめた。うれしそうな青年。そして、その炭でお湯を沸かしながら、
ミキは初音と少し話した。すると初音は炭焼きを見に行きたい。と青年が働く小山でミキと一緒に行った。
初めて見る炭焼きの作業。そして、炭を作るのは山が育つのに大切な仕事であることを知らされた。
初音のスマホの着信は30件近くになっていた。同僚に「しばらく会社を休みます」とメールをして電源を切った。
と言われるのが、うれしくてどんどん仕事を受けていた。しかし、だんだん疑問が生まれてきた。
「君のため」っていったい誰のため!?自分が言われたノルマをこなせば、それは「上司の成績になる」
「君のため」と言いながらも、夜遅くまで残業して出来上がった仕事の成果は、すべて「上司のため」
自分にはなんの意味があるんだろう。と思うと朝になると体調が悪くなり、会社に行きたくなくなった。
そして、今日ついに気づいたら会社とは反対の電車に乗り、気づけば「百目鬼村」に来ていたのだった。
初音は最初は喜んで仕事をしていたが、だんだんとその意味を見失い、仕事で悩み押しつぶされそうになっていたのだった。
村長とミキは心配するが、「村にはおせっかいの目がたくさんあるで」と気にはしていなかった。
初音はやることもなく、スマホを見ることもないので、炭焼きを見に行き二人は良い感じになっていた。
三婆たちは「恋の予感だべ!」と騒いでいたが、初音は仕事に対する青年の取り組み方が気に入ったのだろう。
そして、男性は村に唯一ある旅館に泊まっているようだった。しかし、夜になると男性が騒いでいる。三婆たちが来た。
ミキが見に行くと、村長とビールの飲み比べをしているらしく、村長はすっかり根を挙げているのに、
男性は「まだまだ。私はこれで数々の営業をこなしてきました!!」と続ける意思があった。
そのため、一升瓶を置いてミキが「私がお相手しようかね」と一緒に飲みだしたが、「総長」だと知り、
失礼なことをしたと頭を下げた。そして、実は「上司から部下を連れ戻してこい。と言われたが気が進まない」上司としての在り方に悩んでいた。
と言っているところへ帰りが遅いミキを心配して、初音が様子を見に来たが、2人が上司と部下だと判明した。
そして男性は松岡。初音の直属の上司で彼女を迎えに来たのが目的だった。とりあえず3人で飲むことになったが、
お酒が入った初音は本心をぶちまけた。「お前のため、お前のため、って結局は自分のためだろ!!」
というと、かなりお酒が入っていた松岡はうなだれてしまった。先に初音を返し、松岡と話した。上司として本当は何が正しいのか!?
「就職氷河期」に就職した彼は、上司から同じように「お前のため」と言われながら、身を粉にして働いてきた。それが「上司の在り方」だと思ってきた。
今じゃそれが通用しない世界に、戸惑いとどうしたいいのかわからなくなっていたのだった。しかし、初音は覚悟を決めていた。
「今の仕事を辞める」そう決意して、松岡と東京へ戻ることになったが、バスを待つ間に初音は「行きたいところがある」
といって、いなくなってしまった。向かったのは炭焼き小屋。「また何かに迷ったら来てもいいですか?」
という初音に、青年は悪い気はしなかった。すべてを決心した初音の顔は晴れやかだった。
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