「フェルマーの料理」9話、孤高とは何か?誰もいなくなった店、海との再会

若干19歳にして、料理の腕を認められた岳だった。料理の世界に入ってまだ2年。しかし様々なことがあった。

 

それは蘭菜の過去、振り返るメールからもわかる。岳は海がいなくなり、料理長として「K」を守りたいと思い、

 

必死に頑張ってきた結果、レストランには誰もいなくなってしまった。それは岳も海も望んでいない結果となってしまった。

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孤高とは何か?

海が突然いなくなり、料理長を任されたのは布袋ではなく、まだ1年も満たない岳だった。全員か彼の腕を信じていた。

 

だからこそ料理長になることに誰も意義を唱えなかった。しかし、岳は海が残した「孤高」と言う言葉にとらわれすぎてしまい、

 

自分だけの道を切り開こうとしていた。海が到達しようと思っていた、神の領域だった。しかし厨房の皆が、それを理解しているわけではなかった。

 

岳は自分の頭の中だけで考え、自分だけで料理をフルコース作り出していく。その日のメニューが変更になるのはいつものことだった。

 

そしてせっかく提供できるように作ったメニューも、「味が違う」と味見もせずに、作り直しを要求してきた。

 

そんな岳の1人だけの世界に、厨房の誰もがついていけなくなってしまった。そして最初に「辞めたい奴はやめればいい」と言った岳に、

 

「もついていけない」と言って、お店を辞めたのは、このお店が海のものになる前から愛していた蘭菜だった。

 

それでも厨房のみんなは岳を信じてついてきてくれた。それは彼の腕を信じているからだった。しかし岳は誰の言うことも信じようとはしなかった。

 

それは岳に「孤高」という言葉が付きまとっていたからだ。常に1人で戦うことが「孤高」だと思っていた岳は、

 

周りの言うことに耳もかさずに、最後まで彼のことを守ろうとした、布袋のことも気にせず、最終的にお客様をないがしろにした。

 

厨房のみんなは営業時間なのに、突然全員が辞めてしまった。その後クレームが入っていた前菜がやっと出来上がった。

 

寧々に前菜を運んでくれるように頼んだが、「もうその必要はございません。」と答えが返ってきた。

 

なぜその必要がなくなったのか、客席へ行ってみると、お客様全員が既に帰宅していた。最初の料理が出てから、

 

1時間以上前菜が出てこなかったので、寧々の判断でお帰りいただいた。との事だった。そして寧々はフロアスタッフにも、

 

「今までよく頑張ってくれました。ありがとうございました。」と言って、3人のホールスタッフも辞めていった。

 

これで海が岳に託したレストラン「K」は経営ができなくなってしまった。いくら天才料理人と言われても、

 

厨房にも客席にも、従業員が誰もいない状態では経営することも、お店を開けることもできなかった。数学で敗北を味わった岳は、

 

「このお店は絶対に潰さない!」と頑張ってきた結果が、孤高にとらわれすぎて、周りがフォローしていることに全く気づいていなかった結果だった。

 

岳は自分は海のようにはなれないと確信した。そんな時海外留学している魚見から電話がかかってきた。声はとても明るかった。

 

そして別れる前に「クリスマスプレゼント」として魚見があげた、サボテンは元気か尋ねてきた。しかし枯れてしまっていた。

 

忙しくても毎日水を上げていた。魚見は改めてサボテンは水をあげすぎると枯れることを教えてくれた。その時着信が入った。

 

魚見は「北田は私のヒーローだから」と言い残して電話を切った。着信が入ったのは病院からだった。父が交通事故にあったのだ。

 

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誰もいなくなった厨房

急いで病院に駆けつけると、頭に包帯を巻いた父親がいた。その場にいた看護師に息子のことを自慢していた。

 

でも自分はその自慢の息子にはなれなかった。父は頭に包帯は巻いていたが、幸い軽傷で済んだと言う。「これもお守りのおかげかな」

 

と言うと、白い袋に入った赤いお守りを出した。毎日神社に行き岳の成功を願ってくれていた。しかしその願いに答えられなかった。

 

そんな情けない顔をした岳を、父は何も聞かずに抱きしめてくれた。もし何か聞いたとしても同じことをすると言う。

 

そして岳は自分がだめな奴だと思っているかもしれないが、岳の周りに人が集まってきて、様々なことが変わっていく。

 

と、父親として子供の頃から岳のことを見てきた言葉を伝えてくれた。確かに自分は厨房の皆に支えられて、ここまで来れたのに、

 

自分は「1人で戦わなくてはいけない」と思い、厨房の皆が支えてくれているのに、それをないがしろにしてしまった。

 

その結果、厨房にもホールにも誰もいなくなってしまい、お店が営業できない状態となってしまった。

 

自分はいつも落ちこぼれだと思っていたが、自分の周りに人が集まり、そこから様々なことが始まっていく。

 

そんな言葉を聞いてから急いで家に帰り、昔海が教えてくれた料理などをメモしていたノートを取り出した。

 

そこには海が教えてくれたかと言葉がたくさん書いてあった。海が自分で何を伝えたかったのかわからなかったが、

 

常に海はたくさんのことを岳に伝えてくれていた。そして中でも「わかりやすく説明しろ。」という言葉が何度も書かれていた。

 

自分は頭の中でレシピを作り、そのレシピを厨房のみんなに教える事はなかった。みんなが教えて欲しいと言っても、

 

どうせみんなには伝わらない。と言う思いで伝えてこなかったのだ。これが今回の出来事を招いたのだ。

 

そしてノートの1番最初には「料理は楽しい」と自分の文字で書かれてあった。そして「神の領域を超える」と言う海の言葉もあった。

 

改めて海が何を伝えたかったのか、その時初めて岳は理解することができた。そして淡島下へ向かい、海の居場所を聞いた。

 

淡島はいつか岳が訪ねてくることをわかっていた。そしてやった尋ねてきた彼にあれ場所を教えてくれた。

 

その場所に行ってみると、古民家を改築した野菜直売所のようだった。すると2階から降りてきたのは意外な人物だった。

 

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海との再会

誰もいない直売所見渡していると、2階から渋谷が降りてきた。意外な人物で岳は驚きを隠せなかったが、

 

彼は海の居場所を聞いた。すると渋谷は猪の料理を出してくれた。しかし岳は海の居場所を聞きに来たのであって、料理を食べに来たわけではない。

 

と食べようとしなかったが、「料理人ならまず食べろ!」と言われて、初めて猪料理を食べることになった。そのおいしさに感動した。

 

そして渋谷は料理人とはいかに食材を無駄なく、調理して美味しく提供できるか、その心得を口にしていた。その上で「海はもう料理する事は無い。」といった。

 

しかし岳はあきらめきれず、どうしても会いたいと居場所を聞いた。すると「この先にいる」と指を差した。

 

岳はその先に行くとビニールハウスがあった。おそらく先程の直売所で売られている野菜が、ここで作られているのだろう。

 

そんな野菜たちに囲まれて、海が作業をしていた。岳に気づくと作業の手を止めた。そして自分は料理人として新たな道を見つけた。と話してくれた。

 

だんだんと味覚に変化が訪れてくるが、こうして育てた野菜を、どこかの料理人が調理してお客様に提供してくれる。

 

それも新しい料理人としてのあり方だと海は考えていた。岳は久しぶりにノートを開いてみると、レシピのアイディアが溢れた。

 

岳はそのノートを海に見せた。そして「味がわからなくても僕がわかります」と言って、2人でまた一緒に料理をやりたい気持ちを告げた。

 

最初は戸惑った海だったが、岳と一緒に「K」に戻ってきた。料理長として岳は見習いの白い服を着て、厨房に入ってみた。

 

誰もいない厨房だった。そこに思いがけず蘭菜が入ってきた。そして岳がいることに納得がいかず、

 

「あなたはもうここで料理はできない。」と岳に伝えた。1度は孤高に囚われすぎ、周りが見えなかった岳だが、

 

海の「味覚」としてこの店で新たなスタートを切りたいと思っていた。その理解が得られるかどうか、岳の新たな出発に注目が集まっている。

 


 

 

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