「フェルマーの料理」5話、母の店と現在の母、そして理事長の目論見
蘭菜は有名なレビュアーから、子羊のメイン料理を絶賛された。このことから海から店を取り戻せると思った。
他の人たちは何が起こっているのかわからなかった。実はこのお店は元は蘭菜の母が経営していた。
それを海が奪ったと言うのだ。信じがたい話だが、いきさつはどうであれ、元は蘭菜の母の店だった。
コンテンツ
蘭菜の母の店
蘭菜の母はもともとフレンチの料理人だった。そしてここでお店を構えた。しかし女性の料理人は認められていなかった。
そんな時に海がこの店を買い取り、自分の店としたのだ。蘭菜はいつか取り戻したいと思いていたのだ。
しかし海は逆に蘭菜に「お前には足りないものがある。」と言って、納得できないならやめてもいいと言った。
蘭菜は取り戻せると思っていたお店が、自分の力不足で取り戻せないとわかった。
そして店を去る決意をした。しかしみんな納得いってなかった。海がどうして店を奪ったのか?
そして次にこの店を辞めさせられるのは誰だろうか?みんなが疑心暗鬼の中働くことになった。
それを見て岳は自分に何ができるのかを考えていた。そんな時、父親が訪ねてきた。
父は息子に友達がいるかどうか心配だったのだ。岳は自分の友達を紹介し、一緒にフレンチトーストを食べた。
孫六がフレンチトーストが誕生した歴史を教えてくれた。硬くなったパンをどうやって美味しく食べるか?
それがフレンチトースト誕生のきっかけとなり、今では子供のおやつとしても定番のメニューになった。
原作
小林有吾
『フェルマーの料理』
蘭菜の母の今
蘭菜は店を辞めたことを告げられず、母の家を久しぶりに訪ねた。しかし母は既に料理をすることをやめていた。
そしてキッチンに並んだお惣菜を見て、蘭菜は悲しい気持ちになっていた。しかし、岳は何かしたかった。
そこで、蘭菜が実家にいないことを知っていて、母の家を訪ねることにした。突然の訪問に驚いた母だったが、
岳を暖かく迎えてくれた。そして彼は彼女がお店を辞めたことを伝えた。そして本当のことを話してくれた。
その上で改めて蘭菜を実家に来るように誘った。すると母が料理をしていた。久しぶりに見る光景だった。
母が得意だった子羊の料理。だから、あの時蘭菜は、羊のローストで勝負に出たのだった。
そして2人に料理を食べてもらった。その上で母親は「今では子羊はスーパーでも買えるようになったから」と口にした。
それは母がお店をやっていた時は、子羊を手に入れるのも大変だった。しかも臭みがないように調理するのも大変だった。
そしてなぜ店が海の手に渡ったのかを話してくれた。そこには岳が在籍していた高校の理事長が関わっていた。
彼は土地開発を面目に、やっと母親が持ったお店を、手放すように言ってきたのだった。
母はどうしてもお店を手放したくなかった。しかし、女性の料理人ということでなかなか認めてもらえなかった。
そんな時、海が現れて、母の店を受け継ぎ。そして前菜を作った蘭菜の腕を認めて、一人前の料理人にする約束をした。
これで母は、店のことで悩まずに済むようになった。蘭菜店が海に渡った理由を初めて知った。
そして母が作った子羊のローストの味は、岳からすると蘭菜の方が上だった。つまり海は約束を果たしてくれた。
母は海のことを恨んではいなかった。むしろ娘を一人前の料理人に育ててくれたことを感謝していた。
蘭菜は理事長から、あの店を買い取り、自分を料理長として迎えてくれると、話を持ちかけられていたが、
返事を保留したままにしていた。そして改めて海の店に戻ることにした。そこで海はあることを行った。
「フェルマーの料理」1話、岳の退学、ナポリタンの調理、復学のチャンス
「フェルマーの料理」2話、岳の上京、レストランKの掟、見習いシェフ
料理を食べた理事長
海は理事長をお店に招待した。それにはある魂胆があった。彼は料理を口にしても感想を口にしたことがなかった。
岳は蘭菜に料理は時代とともに変化し、進化していくことを伝え、新しいメニューを一緒に考えることにした。
蘭菜は子羊のローストを作った。し、テーブルに運んだのは岳だった。やはり女性が表に出るのは蘭菜には抵抗があった。
続いて茄子を使い、新しいフレンチトーストを作り出した。お店のみんなも協力して、一丸となって作り出したメニューだった。
理事長は子羊のロースと合わせて食べるフレンチトーストに驚いた。そして改めて料理人を知りたいと思った。
岳は蘭菜を呼びに行ったが、表に出ることを嫌がった。しかし海は表に出ることを勧めた。
改めて理事長の前に立った蘭菜。理事長は彼女が裏切ったと思った。しかし、母の店を本当に奪ったのは、
今目の前にいる理事長だと蘭菜は確信が持てたので、自分がこの店を継ぐことをはっきりと断ることができた。
海の狙いは、理事長が岳のパスタを食べた時も、彼1人感想言うことがなかった。
だから、本当に料理を食べておいしいと思うならば、ぜひ感想を聞きたいと思っていた。
そのため最初は理人を伏せていたが、女性でもちゃんと料理ができることを証明したかった。
しかしその上で、お店の全員に向かい、馴れ合いを止めるようにきつく叱った。お互いが高め合う関係でありたいと思う。
そして岳に向い「俺にはもう時間がない」と言って岳に自分のすべきことがわかっているか確認した。
なぜ彼には思う時間がないのだろうか?自分で子羊のローストを作り、食べていたが、その皿を投げてしまった。
お店でも味見を頼まれても、はっきりとした返事をすることもなくなっていた。もしかして何か病気なのだろうか?
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