「フェルマーの料理」7話、夢を見た岳、会話とパーティー当日

岳は海が行った、「料理コンペ」において、1番良い成績を収め、優勝することができた。しかし、優勝者は、

 

数日後に行われる、有名ホテルでのパーティーで、フルコースを仕切ることになってしまう。岳は

 

そのパーティーに参加する主人公が、かつてのライバルであり、自分が数学を辞めた原因にもなった広瀬だと知った。

 

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夢を見た岳

岳はパーティーで料理を作った。しかし、広瀬の前に皿を持っていくと、作った料理は何もなかった。

 

数学で超えられなかった領域を、料理で越えようとしている岳だが、広瀬から「料理でも超えられない」と

 

馬鹿にされてしまう夢を見た。岳の夢が本当にならなければ良い。パーティーは1週間後に控えていた。 

 

海はコンペのときの前菜が完璧だったと言った。その上で厨房のメンバーでフルコースを完成させると言うことだ。

 

その責任は全て岳にある。海が一緒に超えたいと思っている領域へ踏み込むことになる。そんな覚悟が必要だった。

 

何度も前菜に合わせた料理を考えてみるが、みんなは「おいしい」といっても、岳には何かが足りなかった。

 

それを言葉にしようとしても、言葉にできない。昔から数学ばかりやってきて、自分の考えを言葉にすることが苦手なのだ。

 

多くの数学者がそうであるように岳も、言葉にすることがとても苦手で、何が足りないのかを伝えることができないままだった。

 

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外での会話

岳がお店を出ようとした時、スーシェフと他のシェフたちが喋っているのが聞こえてきた。外に出ることができない。

 

孫六はスーシェフに向かって、「岳に負けたことが悔しくないのか?」と聞いていた。スーシェフはもちろん悔しいと言っていた。

 

そして、あのコンペの後、海から「店を止めてもいい」と言われていた。しかし、スーシェフである布袋は

 

この店にとどまり、もっと自分の料理を高めることを選んだ。そして岳が扉の向こうで話を聞いていることに気づいていた。

 

その上で岳を呼び、それぞれの良いところを高め合うため、それぞれの得意分野を発表した。しかし岳は数学。

 

それは他の料理人にはできない領域であり、言葉にして表すことがとても難しい、得意分野でもあった。

 

しかし、その得意分野を使い、海は誰も見たことがない領域に2人で到達したいと思っていた。しかし、海の様子がおかしかった。

 

いつも夜食を作っている2人のメンバーに、いつものように料理を提供しようとした時、めまいを起こし倒れた。

 

翌朝になり、目が覚めたが、やっと上半身裸の男性の正体がわかった。それは海の主治医だった。

 

そして、海に「これ以上料理を続けることはできない」と宣告した。そして海が生涯憧れている料理人渋谷も同感だった。

 

海はあと少しで、自分が思う領域にたどり着けると思っていた。それは岳が一緒にいるからだった。

 

しかし、パーティーに出す料理の仕上げがなかなかできない岳。それでも仲間の協力を得て料理を完成することができた。

 

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パーティー当日

パーティー当日になり、お店は蘭菜が夜の仕込みを1人で行うことにした。残る全員はパーティー会場へ向かった。

 

蘭菜しかいない厨房に、海が現れた。そ蘭菜が質問した答えで、嘘をついていたと本当のことを口にした。

 

「自分の後を継ぐものは岳だ!」と言い切った。そしてパーティー会場に向かった。すでにパーティーは始まっていたが、

 

広瀬はパーティーは時間無駄だと言っていた。それよりも数学をしたいのだ。そしてその助手として岳が欲しかった。

 

広瀬もまた数学で誰もなし得たことがない領域に、到達したいと考えていた。そのためのメンバーに岳を迎えたいと思っていた。

 

しかし岳は広瀬に料理で認めてほしいと思っていた。広瀬は「食に興味は無い」と言って、すべての料理を食べなかった。

 

岳は料理でも、広瀬に目覚めてもらえないと思うと悲しかった。しかし海がきた。まだ到達できていない領域がある。

 

すると岳にある数式が浮かんだ。それをもとにして、海と一皿の料理を完成させることができた。

 

先ほど手をつけなかった、あんこうを使った料理だった。岳は自ら手で広瀬の元に運んだ。そして蓋を開けた。

 

興味を示さなかった広瀬が、途端に目を輝かせた。それは数学を駆使した料理だった。同席していた神楽も驚いた。

 

完全な数式を使って、見事な黄金比率の料理を作り出していた。それだけではなく、横から見た場合も、

 

完璧な割合で、あんこうと他の食材が重なって見えるように、計算され尽くしていた。そしてかかっているソースも、

 

黄金比率を使って、美しく見えるように計算されていた。初めて岳の料理に興味を持った広瀬。食べることがもったいないと言うが

 

岳が食べないと神の領域に到達できない。と言われると納得して、口にすると「おいしい」と言葉にした。

 

今まで料理をおいしいと思った事はなかった。しかし、そこ岳の計算があり、厨房で火入れは途中まで行い

 

後は温めたお皿の上で熱を加えることで、広瀬が口に運ぶときに、最大限に美味しくできるように温度管理されていた。

 

全てが数学で作り上げた岳の料理だった。広瀬は岳が料理で誰もなし得たことのない領域にたどり着くことを願った。

 

無事にパーティーを終えることができたが、家に帰ると、海は2週間家を空けることを口にした。

 

それは他の店舗の開店準備のためだと言うが、その2週間の間料理長を岳が務めると言うのだ。

 

岳も2週間だけならと思ったが、海を見たのはその日が最後となってしまった。彼はどこへ行ってしまったのだろうか?

 


 

 

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