「フェルマーの料理」3話、うまみの効果、試される岳、孫六の気持ち
厨房では岳をシェフの座から降ろそうと画策されていた。もう海はいない。それは岳がここに来て1年。
岳が厨房を仕切っていたが、調理人たちは岳のやり方についていけずにいた。それでも岳は1人数学で料理をしていた。
この1年の間に何があったのか！？海が夜な夜な謎の食事会をしているのが何か意味があるのだろうか！？
コンテンツ
うまみの相乗効果
お店では常にお客様を驚かせるような、料理を提供するために、各シェフがアイデアを出し合っていた。
蘭菜は「豚肉と蟹の料理」を提案して、調理し試食会をしたが、岳は驚いた。想像をはるかに超えるうまさだった。
他の調理人も「豚肉と蟹は合わない」と言いながら、口にすると驚きを言葉にしていた。そして岳はすぐさま計算が見えた。
「うまみの相乗効果」豚肉にあるうまみと、蟹にあるうまみ成分、それぞれが一つになることで
よりうまみが増す「うまみの相乗効果」が生まれていたのだ。岳には新しい発見だった。そして、海は岳を呼んだ。
「今度大切なお客様が来る。お前が調理を担当しろ。補佐はお前だ」とまだ名前を知らないシェフを指名した。
岳はそれとなく、補佐をしてくれるシェフについて、他の人に聞いてみた。京都の料亭の息子であり、
その店では「神童」と言われるほどに才能を認められていた。そして今ここで修業をしているのだ。
原作
小林有吾
『フェルマーの料理』
試される岳
岳は最近帰宅しない海を心配していた。そして久々に帰宅した海に、岳は「自分なりに計算してみました。」
と、原材料費、人件費、などを計算しつくすと、どう考えても「店の経営が成り立っていない」というのだ。
海はそれを聞いて笑うだけだった。そして、岳へ部屋へ行くように指示をした。寧々は海が帰らないことを心配していることを伝えた。
海は夜の会食で何をたくらんでいるのだろうか！？しかし、今回は確実に岳は試されている。
まだ唯一名前を知らないシェフを下に従えて、重要なお客をもてなす料理を作れというのだ。
亜由を呼んで食事をしていると、そこに唯一名前を知らないシェフが来て挨拶をしたが、やはり名前は教えてもらえなかった。
彼は、パッドに様々な料理のアイデアを書いていた。そのレパートリーはすごい数だった。
彼も、岳の計算の上に成り立つ調理法を認め始めていた。でも、彼にもプライドがある。
孫六の気持ち
とうとう当日が来た。材料は当日海が用意したものを自由に使用してよかった。海からのヒントは、
岳が退学の危機の時にいた「客」ということしかわからない。そこで、以前蘭菜が行ったうまみの相乗効果を使おうとした。
補佐のシェフがホワイトボードに、それぞれの食材のうまみ成分を書きだしてくれたが、「2種類」しかなかった。
岳は1皿料理を作った。計算したはずだった。しかし、それはうまみを超えることはなかった。
そこで初めて、「うまみの相乗効果」は2つのうまみを合わせた時だけ起きると知った。そして改めて料理を考えた。
真鯛を使った料理を作り上げ、お客のところに挨拶へ向かった。それは「数学オリンピック」でともに戦った
幼馴染の神楽だった。そして父があの食事会にいた。しかし、厨房では岳の作った料理のスープを味見したシェフが
泣きながら、手づかみで料理を食べていた。それは即興で作り出した料理が自分が考えた料理を軽く超えてしまった悔しさから。
そして、戻ってきた岳は料理がすべて食べられているのに、愕然としたが海はすべて見ていた。
この2人の相乗効果を試しているのだ。そしてシェフは「孫六」とやっと名乗ってくれた。
そして、岳は孫六のパッドを見つけた。もし岳にアイデアが生まれなかった時のために。と考えていたレシピだった。
それを見て、岳にまた数式が降りてきた。そして2人は協力して、真鯛と生ハムを使った料理を提供した。
それは蓋がされて提供された。自分で蓋を取る。というのだ。言われるままに外すと、鼻を鰹節のだしがくすぐる。
そして、似た香りのする生ハムが余韻を残す。香りでまず楽しみ、うまみの相乗効果を楽しみ、
最終的に下には「ごはん」が入っていた。それは神楽が数学の試合の時、よくお茶漬けを食べていたことから、
最後にはお茶漬けとして楽しんでほしかった。そして、その一皿は親子を十分に満足させて
孫六の気持ちを満たすことができた。孫六のパッドに書かれた言葉から生まれた料理だったのだ。
海は2人の相乗効果を楽しみながらも、また夜の食事会に行っていた。そしてまだ何かたくらんでいるようなそぶりを見せた。
コメントを残す コメントをキャンセル