「生きるとか、死ぬとか、親父とか」10話、過去から浮き彫りになる一人娘の葛藤

トキコは父のことだけでなく、「母の事」も書くことに決めた。父は不思議に思った。父から見れば特に面白いエピソードはないように見えた。

 

しかし、トキコは母の「苦悩」を書きたいと思った。母が亡くなり、いつの間にか2人の間には笑顔の母の面影しかない。

 

でも、その裏にはたくさんの苦悩や苦しみがあったはず。それを描きたいのだ。

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2人の入院

父が「肝炎」で入院した時、母の見舞いを誰よりもたのしみにしていた。しかしその裏で母の体を病魔が襲っていた。

 

毎年検診しているから大丈夫。と思っていたがかなり大きな「ガン」が見つかった。すぐ手術が決まり、別の病院に入院した。

 

その頃から父の様子がおかしくなり、精神安定剤を投与されたことにより、父にはその頃の記憶はおぼろげだった。

 

しかし、トキコは1人娘なので、両親が別々の病院に入院したことで、1日おきにそれぞれをお見舞いする日々となった。

 

そんな中で、母の容態が思わしくなく、夜の付き添いが必要となり、就職したばかりの会社を休職し、完全介護になった。

 

しかし、父が不自然な行動に出たのだ。夜中廊下をさまよう父。嫌な予感がして看護師が後をつけると、屋上のフェンスを登りだした。

 

こちらも家族が夜付き添うことが望まれた。しかし、トキコが今更2人になることはできない。でもどちらを優先すべきなのかも選ぶものでもない。

 

母には姉妹がいるので、昼間は交代でついていてくれるが、夜はさすがにお願いできない。

 

父の携帯

もしこれが現代であれば、どちらかが転院してきて、家族として同室にすることもできただろう。

 

そして、24時間完全看護という方針の下、家族の夜の付き添いは必要なかったのだろう。

 

でも、当時はそれが一般的ではなかった。そのためトキコは父の携帯を見た。【履歴】に一番多く残る女性。

 

 

心が切り裂かれる思いで電話をした。「娘です」と名乗り、「夜中に付き添ってほしい」と頼むしかなかった。

 

すぐに女性は真っ赤な服に身を包み、赤い花をもって病院へ来てくれたが、トキコにはそれが「家族に認められた」という勝ち誇った様子に見えて悔しかった。

 

自分が一人っ子だから、どうしても頼る人がいなかった苦渋の決断だっただけで、別に父の不倫を認めたわけではない。

 

弱っていく母

 

手術はうまくいった。しかし日に日に母の声は弱くなり、かすれていく。それでも笑顔は絶やさない。

 

病気が治ったら「イタリアへ行きたい」と言うが、体力的に無理だから「大きなスクリーンでイタリア映画の【ひまわり】を観たい」

 

と、小さな希望を持っていた。トキコがきっとイタリアのひまわりは眩しいよ。と言うが、ストーリ上ひまわりは、ウクライナに咲いているという。

 

そんな話しをしていても、母は日に日に弱っていく。一人で歩けないので、トイレも歩行器を使って付き添うが

 

足に力が入らないので、転ぶことも多くなった。そんな母をトキコは見てきた。だからこそ、笑顔の母ではなく、本当の母の姿を書きたいのだ。

 

父の知らない、母の本当の気持ちを。

 

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