変わってしまった街と、変わらない親子「生きるとか、死ぬとか、親父とか」4話

トキコが、銀座のフリーペーパーにコラム記載の依頼が来たから、お母さんとの思い出を書いた。

 

と、父に話すと、在りし日の母の話しを読みたくなったのか、「銀座百点」というフリーペーパーを手に入れるべく

 

久々に2人で銀座に来た。母が生きていたころはよく来ていた。その頃は父の商売もうまくいっていた。

トキコが子供のころは、よく銀座に来ては母の買い物に付き合ったり、いろんな映画館へ行った。

 

特に買い物中はすることがないので、その辺においてある「銀座百点」を読んで時間をつぶすのが常だった。

 

そのくらい身近にあったフリーペーパーなので、簡単に手に入ると思っていた。しかし、久々に来た銀座は全く様子が違う。

 

前にこの辺にこんなお店があったのに、どこへ行ってしまったのかもうない。と思えば移転していたり

 

すでに【閉店】してしまったり。2人は「銀ブラ」をしても【銀座百点】を置いてある店を見つけられない。

 

【銀座百点】と名の付くものだから、どこの店でも置いてある。と思い、簡単に手に入ると思っていた。

 

しかし、それは昔の話し。今はどこの店に行ってもその存在すら知らない店ばかり。外国ブランドの店が増えたせいだろうか!?

懐かしい味


そこで父が昔からあるセレクトショップ「サンモト」ならあるのではないだろうか!?と提案した。

 

「サンモト」とは老舗のセレクトショップで「サンモトヤマ」といい、上客を相手にするような、質の良いものを扱っている

 

衣料品店だ。しかし、今の2人はどう見ても「上客」には見えない。でも心当たりはそこしかない。しかも父は自慢げに

 

このジャケットだって昔サンモトで買ったんだから大丈夫!」と変な自信を魅せつけている。

 

しかし、父の記憶を頼りに入ったお店には、「銀座百点」はなく、しかも違うお店だった。昔は確かにサンモトだったらしいが

 

移転して、今はちょっと先にある店舗で営業しているとのこと。早速そちらへ向かうと「サンモトヤマ」は営業していた。

 

店内に入るとやはり高級な、質のいいものの雰囲気が漂い、2人の場違い感は半端なかった

 

それでも父は店員に「このジャケット昔、ここで買ったんだよ」と親しげに話しているが、そこへ品のいい老夫婦が来店した。

 

これぞ【上客】店員はすかさずそちらへ行ってしまった。ちょうど【銀座百点】もあったので、2人は店を出ることにした。

 

たった1冊の冊子を探すのにこれほど苦労するとは、二人は計算外だったし、歩きすぎて疲れてしまった。

 

そこでトキコはお昼には早いから、喫茶店に入ることを提案するが、父はお腹が空いたので、昔よく言った蕎麦屋へ行きたい

 

と、言い出した。トキコも久しぶりにその味にありつきたくて、賛成した。しかし、ここからがまたもや苦難の道だった。

蕎麦屋はどこへ?

またもや「父の記憶」を頼りに、蕎麦屋へ向かうが、どこにもない。確かにこの辺だ。

 

と言っても「飲食店らしき」店舗もない。トキコがネットで調べているうちに、父は配送業者を見つけて

 

店のありかを訪ねた。すると「数年前に店を閉めましたよ」と帰ってきた。楽しみにしてきたのに、もう店はない。

 

トキコもネットで調べて、「閉店」を知った。そこで、「ニュー鳥ぎん」へ向かうことにした。

 

父の好きな釜飯もあるし、焼き鳥もあるし。となだめて店内に入り、オーダーをした。するとすぐに父は「銀座百点」を読ませろ!

 

と、トキコをせかした。汚すといけないから、食べてからにしてほしい。というと「母さんのことが書いてあるんだろ?

 

と、早く読みたくて仕方がない様子。なのでトキコは「銀座百点」を父に託した。すると【間違いがある】といきなりの突っ込み。

 

 

「母さんと銀座でデートして、その日にアパートに転がり込んだんじゃない」と訂正が入った。

 

実際は、幼いころに両親を亡くした母は、年上の兄と姉が親代わりだった。その兄と姉に呼び出され、交際を反対され別れたのだ。

 

しかし、父の「もう一度会いたい」願いを神様はかなえてくれたのか、半年後銀座を歩いていたら、前から母が来た。

 

「会いたかった」と告げると、母はカバンから鍵を出して父に渡した。なので、銀座でデートして転がり込むには半年かかっている。

 

と、そんなことはさておき、トキコの予感は的中した。焼き鳥をトキコの顔写真の上にポトリ!!

 

「あぁ~だからいわんこっちゃない」父が言うか!?1冊しかない、やっと1冊見つけた【銀座百点】のトキコの顔は

 

タレで黄色く染まってしまった。勝手知ったる銀座と思っていたが、今は全く違う街になっていた。

 

今回登場した店

サンモトヤマ



2019年10月に負債総額9億円以上を抱え破産してしまった。

大きな原因は礎を気付いた前社長の【死】から、うまく新しい経営陣が経営を引き継げなかったことにあるようだ。

 

ニュー鳥ぎん


住所 東京都中央区銀座5-5-11

電話 03-3571-3334

営業 火~金 16:30~22:00(L.O.21:45)

土・日・祝 11:30~21:30(L.O.21:15)

火曜定休

席数 90席


 

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