日高はすべての犯行を認め、死刑になろうとしている「天国と時刻」最終回
日高は、15分違いで生まれた兄弟の為、もしかしたら自分が犯罪者になっていたかもしれない。そんな思いが頭から消えないまま、
河原の取り調べに素直に応じ、すべてのアリバイを自分から崩していた。それはまるで自ら命を差し出しているあった。
そんな中、彩子は日高に対して苛立ちを覚えていた。なぜそこまでして自分の命を犠牲にし、兄や彩子を守ろうとするのか。
コンテンツ
それが日高と言う男
彩子は日高と入れ替わってしまったことにより、日高の過去や現在を知ることになる。そして日高の人としての生き方を知ってしまった。
だからこそ、今自分でできる全力で、日高を守っていきたい。日中は絶対に犯人でないと断定できるのに、その証拠がどうしても揃わない。
そんな時、河原の部下が東朔也について調べたことをファイリングして、取り調べ中の河原の元へ持ってきた。
日高は、そのファイルが自分を死刑にする証拠になると思っていたが、河原が意気揚々と読み上げる内容は、すべて兄東昨夜の生い立ちについてだった。
そのことに、日高の顔が一瞬緩んだ。兄の生い立ちが全てわかってしまった。もちろん被害者との関わりがすべて明るみになってしまった。
そうなると、今まで日高が自分が主犯だと言って、アリバイを全て崩してきたことが、また覆ってしまう。そこで日高は考えた。
弱い立場の者が、こうして辛い目に遭っていることを、上のものに思い知らせるため、自分がすべて犯行行い、弱い兄を守った。そんなような証言をした。
しかし河原は笑っていた。その証言がすべて嘘だと最初から分かっていた。しかし日高が自ら自分がやっていないと言うことを言わない限り、この芝居を続けるしかない。
その頃、熊本では朔也のそばにずっとついていた陸に頭を下げる男性がいた。日高の父親だった。
本来は2人は双子で、日高の父親は2人とも引き取りたかったが、東の父親の意見で2人は生き別れとなってしまった。
だからせめてもの償いとして、朔也の遺体を自分が引き取り、お墓に埋葬してあげたいと言う。
その話を聞いた陸は、自分が彩子に嘘をついたことに情けなくなった。そこで熊本県警にSDカードを届けた。
そして熊本県警から、彩子の元にSDカードの内容が送られてきた。それを見た彩子は急いで八巻に動画送った。
取調室に乗り込んで、すぐにその動画を見せるように指示をしたが、八巻は上司に止められてしまった。
きっと河原が考えていることと、彩子が考えている事は同じだと。上司も日高が誰かをかばっていることにすでに気づいていた。
今までの考察
『タイトル考察』天国と地獄の意味は誰を指し何を意味しているのか？
キャストから見る入れ替わりの理由は何なのか！？「天国と地獄」意味考
取調室へ向かう彩子
彩子は自分を守ろうとしている日高を、守るべくして取調室で急いだ。しかしエレベーターが満員になっており乗ることができなかった。
そのため、長い階段駆け上がろうとしたが、途中でヒールのかかとが階段で引っかかり、階段から転がり落ちてしまった。しばらく立ち上がらなかったが、
日高の犯行ではない証拠を、日高に見せるため、彩子は靴を脱ぎ捨て裸足で階段を駆け上っていった。
八巻は上司に止められたため、動画を日高にまだ見せていなかった。そして取調室に駆け込んできた彩子を見て河原は(やっときたか)といった表情で席を譲った。
そして隣のマジックミラーの部屋から、綾子と日高の様子を見守っていた。
やっと2人は、引き離されて以来、初めて2人きりで向かい合うことができた。日高の表情が和らいだ。そして心底ほっとした表情になった。
まるでそれは、1つの魂が2つに引き裂かれれ、再び出会い1つになったような安堵感がそこには漂っていた。
そして彩子は、パソコンにSDカードをセットして、日高に再生して見せた。そこには生前の兄の姿があった。
朔也は証拠となるSDカードの内容消去してしまい、そこに代わりとなる自分の犯行のすべてを1時間以上にわたり自供していた。
それを見た日高の表情はまた変わった。もう守らなくて良い。兄は守られることを望んでいなかった。河原が言ったように兄の望んでいる事は違った。
自分を苦しめた人間たちは、この世にいなくても良い人間である。この世から掃除して、自分もこの世から消える。なぜなら自分は清掃人だから。
出者者
ドラマ【天国と地獄】主演綾瀬はるか、圧倒的なその存在感のある演技、プロフィールは！？
日高に実刑
日高が自分の命をかけて守りたかった、兄と彩子。しかし兄は自分のことを守ってくれた。
この世からいなくなってもなお、自分がいかに惨めな生い立ちを送ってきても、兄は自分のことを本当に心から思ってくれていた。
そして、日高には実刑3年が言い渡された。証拠隠滅と遺体損壊の容疑で。そして刑務所では九十九と一緒になってしまった。
しかし、もう命をかけてまで守るべきものがない日高は、とても穏やかな人間だった。この姿こそが本来の日高のあるべき姿とはのだろう。
そして、彩子は実績を認められ昇格するかと思われたが、警察学校への出向になった。なぜか山気も一緒に。
陸とは、事件が解決した後SDカードのことを聞いてもとぼけて何も言わなかった。それはあの歩道橋の上でのことだった。
そして彩子を抱きしめて、「彩子ちゃんこれだけは聞いてくれる？ナッツはね駅の向こうのスーパーの方が150円安いな。遠くてもあっちで買ってね。」
彩子は笑顔で「うんわかった。ナッツ買っておくね。帰ってきたらナッツとハイボールだね！いってらっしゃい！！」と理子を見送った。
しかしそれ以来陸が、彩子の部屋に戻ってくる事はなかった。陸は彩子のことが好きだったに違いない。同居人として扱われていたが、本当に好きだったのだろう。
しかし、日高を救おうとする一生懸命な彩子を見ているうちに、自分に勝ち目はないと実感したのだろう。そして何も言わず綾子の前から姿を消したのではないだろうか。
そして、日高が刑務所にいる間、父親はあるものを引き取りに警察に来ていた。それは奄美大島の伝説の石。
きっと2人の母親の形見として、お互いが大切に持っていたものだろうと言うことで引き取りに来ていた。
血まみれになっていた石は、きれいにされ、輝くほどに丸みをおび、形見として持っているにはふさわしい姿だった。
彩子は警察学校に出向になったため、捜査一課にいる時よりも穏やかな日々を過ごしていた。
あの3カ月間は何だったんだろうか。ふと考えることがある。2人が入れ替わっていたのは何だったのだろうか。
あの時の入れ替わっていた2人はもういない。そして日高の兄ももういない。まるで3人が「クウシュウゴウ」だと言っているようだった。
しかしある日、公衆電話から彩子に電話があった。すぐに日高からだと分かった。
そしてあの歩道橋で会った。日高は小さな袋を差し出した。中にはあの石が入っていた。それを手に取る彩子は月に石をかざした。
すると花のような模様が浮かび上がった。「これがもしかしたらシヤカナローの花だったのかもしれませんね」と言って袋に戻し、日高に返した。
兄の墓に一緒に埋葬すると言う。そして2人は「この石があるとまた入れ替わってしまうと大変ですからね」と笑いあって別れた。
しかし、別れをつげた2人の声は確かに入れ替わっていた。そして綾子は日高の今の職場を聞いた。
おそらくこの日は満月だったんだろう。そしてこの石が2人の間にあることが、入れ替わりの条件だった。
特に階段から落ちなくても、2人は自由自在にこの石があれば入れ替わることができるのだろう。
そしてまた次の満月、2人はこの歩道橋で出会い、お互いに元に戻るのだろう。
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