福岡の実家に呼び出された彩子がきかされた衝撃の事実とは「天国と地獄」第7話
妹から事情を聞き、心配した父親が彩子に電話をかけてきた。妹が手紙のことを言ったんだろう。
「手紙のことを話しておいたほうがいいと思って」と言って、時間を作って福岡の実家に来るようにと伝えてきた。
これは大きな謎が解けるチャンスかもしれないと思い、彩子は日高になったふりをして、実家に向かった。
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日高の生い立ち
まずきかされた衝撃の事実は、日高は双子だったと言うことだった。しかし二卵性であるため、見た目は全く違うと言うことだった。
名前は「東朔也」と言う。それが手紙の差出人だった。父親の仕事が終わるまで何か思い出すかもしれないと、妹の提案で小学校周辺を歩いていた。
小学校の周辺には歩道橋があった。手紙にあった歩道橋とはこのことだった。ここで2人は待ち合わせをしていたのだった。
そして彩子が思っていた歩道橋の女の子は、「歩道橋の男の子」だった。日高の方が弟で、東が兄だった。
父の仕事も終わり、一緒に夕食をとることになった。そしていよいよ真実が語られることになった。
日高は父親が再婚した女性の子供であり、妹とは血つながりがない。だから妹と歳がとても離れているということがわかった。
そして、兄が引き取られたのは母親がもともとお嫁に行った「東」と言う家だった。長男は跡取りとして置いていけ!
と、きつく言われたため、日高しか連れて行くことができなかった。そして屋台でラーメンを作っていた父親に出会い、
あまりにもまずそうに食べたので、「無料でいいので毎日食べに来てください」と言って、父は必死でラーメンの腕を磨いた。
そのおかげで、商売どんどん繁盛し工場を持つまでになった。その頃ちょうど、東の家が四方と言う人物に騙され、大金を失った。
そのため、父と母は「融資」を申し出たが、情けをかけられたと思った東の父親はその申し出を断ってしまった。
日高がもらった手紙
ある日母が帰宅すると、テーブルの上に「日高はると君へ」と書かれたから手紙があり、日高は朔也からもらったと言った。
一生懸命日高は何かを探していたが、やっと見つかった様子で、慌てて待ち合わせ場所の歩道橋へ向かった。
そして母は心配になり、2人の様子を下から見守っていた。すると2人は這いつくばって何かを一生懸命探していた。
実は日高は歯が抜けそうになっており、その歯を丸い容器に入れて全て集めていたのだった。そして抜けそうになったのでその入れ物を探していたのだった。
すると来る途中で、歯が抜けてしまいどこかに紛失してしまった。そこで探しているところに朔也が来て、一緒に探していたのだった。
しかし奇妙なことに、一緒に探していた朔也の歯が突然抜けた。しかも同じ場所だった。そのため、その歯を日高の歯として箱に収めることにした。
しかし実際は、どこかで朔也がガムを踏みつけてしまい、そのガムに日高の歯がくっついていたのだった。
2人にとっては楽しい思い出になったが、朔也の父が東京へ行くと言うことで、最後に会うために待ち合わせをしたのだった。
母親はいてもたってもいられず、名乗り出てしまったが、朔也はお金を受け取る事はなく、連絡先だけ受け取って去っていった。
朔也の意味
彩子は父親に「さくや」とはどう書くのかと感じを聞いた。すると父親は意味を口にしながら漢字を書いた。
新月の晩に輝く月になり
正しくΦが殺人を犯すのは「新月の夜」と言う事はやはり東が実行犯で、兄の犯行を隠すために日高が清掃を行っている。
そんな疑いが深まる中、妹は兄の部屋に案内しそこに泊まることになったが、その棚の上にあの丸い石があった。
妹によると、母の生まれ故郷である奄美大島にある石で、丸い形をしているからどこへ転がっても自分のところに戻ってくるので幸運の石と言って大事に思っているそうだ。
おそらく朔也も持っているんではないかと言うことだった。しかし彩子が奄美大島で聞いたのは「その石を持っている人に不幸が訪れるから、持って帰ってはいけない」と厳しく言われた。
まるで正反対の意味で、日高この石を大切に持っている。どういうことなんだろうか。
そして日高が、「東」を名乗り奄美大島を訪れたのはなぜだろうか?やはりクウシュウゴウ殺害のための、アリバイ作りだったんだろうか。
そしてクウシュウゴウが書いていた漫画を、彩子は初めて読んだ。それは空気のような存在の清掃業者の男。
そして悪魔は彼にささやいた。すべては何もない。そして彼にΦと言う名前を与え、全てをなくす権利を与えた。
それは今起きている猟奇殺人そのものの物語だった。これは東が書いたのか、東がそれを見て模倣しているのか…。
感想
彩子が福岡に行ったことにより、この事件の真相がかなり深く掘り下げられてきたと思います。
そして日高はやはり、他に兄弟がいたと言うことがはっきりしました。そしてその兄弟をかばうために、一緒に犯行現場にいる。
なぜ自分の身の危険を犯してまで、兄をかばい続けるのか?それは、自分だけが何不自由なく暮らしてきた負い目があるからなんだろうか。
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