日高陽人と東朔也の人生は15分で決められた「天国と地獄」9話
彩子は日高になり、記憶喪失を装って様々な日高の過去を知ることになった。そして日高で兄弟がいることも知ってしまった。
しかしなぜ、日高が兄の犯行に手を貸しているのか、その疑問が解けなかった。
様々な疑問が彩子の中で渦巻いていた。それを一つ一つ紐解くように、長い旅路の間日高に聞いていた。
コンテンツ
素直になった日高
最初は黙秘すると言っていたが、彩子が逮捕したときに、日高を救うために知っておきたいことが山ほどあった。
2人は入れ替わっていたためか、お互いの立場の深く理解していた。そして日高は、他人の体を借りているのだからせめてと、彩子の爪をきれいに手入れしていた。
日高になった彩子は、日高が犯行犯していると思い、その根拠を探るために過去をさまざま調べていた。
一方で日高は、入れ替わってしまった彩子が逮捕されないように裏で手を回し、様々な方法で綾子を守っていた。
しかし彩子は知れば知るほど、日高は犯人ではないと確信するに至った。日高にはかばいたい誰かがいると思い始めていた。
そして日高に、いつ東の存在に気づいたのか尋ねた。すると日高が経営する会社の清掃に東が来た。その時お客様がコンタクトレンズを落とし、這いつくばって探していた。
そこで東は、掃除機のホースにストッキングをかぶせ吸い取ることでコンタクトレンズを見つけてくれた。
日高は最初知らなかった。名札を見てもわからなかった。ただその人の人柄が気に入り、自分の会社が開発した洗剤を試してもらうことにした。
すると、思った通り実際にサンプルを使用して、事細かにサンプル品について報告書書いてくれた。それで少しずつ話すようになった。
日高は自分に兄弟がいることを実際に知らなかった。自分が母のつれ子であることは知っていたが、兄弟がいる事は母の会話からなんとなく知った程度だった。
そして2人で話しているときに、思い出話をして、日高は「昔歩道橋で待ってますと手紙をもらったことがあるんですよ。」
と打ち明けた時、一瞬東の表情が変わったが、日高は「待っていても女の子は来なかったんです。その代わりに男の子が来て、少し話しただけで帰ったんです」
その時2人はカップ酒を飲んでいたが、日高がおごってもらった代わりに、僕がそのカップを処分しておきます。と言って東からカップを受け取った。それは右手の黒子を確認するためだった。
そして、右手のほくろを確認して、自分の実の兄だと確信を持った。それからだんだんと2人は親交深めていた。
それが居酒屋で、2人で飲んでいる現場を目撃された時だったと思う。そして2人の母の故郷である奄美大島に2人で行こうと言う話になった。
しかし、妻がそれを許さないかもしれない。と言う東に対して、では奥様も一緒に誘ってください。と2人分のチケット渡していた。
しかし東は来なかった。正確に言えば来ることができなかったのだ。
今までの考察
『タイトル考察』天国と地獄の意味は誰を指し何を意味しているのか？
東の嘘
2人でカップ酒を飲んだ日、東は妻と喧嘩をして、その愚痴を日高に聞いてもらっていたのだった。
しかし本当は結婚などしていなかった。2人が奄美大島に行こうと約束した日、東は行くことができなかった。なぜならば父親が母親に会いに行くと思い強く引き止めたからだ。
人に騙されては、借金を負わされ、さんざん苦労してきた挙句痴呆症となった父。東は痴呆症の父を支えながら何とか仕事をしていた。
そして奄美大島に行こうと必死で止める父親は、傘で思いっきり息子を殴っていた。それが階段の上であったのか不運だった。
東が傘を取り上げた拍子に、父はバランスを崩し階段から転落し、頭を強打しそのまま息をひきとった。
だから、約束の奄美大島に来ることができなかった。でもせめて兄と一緒に旅行している気分が味わいたくて、奄美大島では『東朔也』を名乗っていたのだった。
同じ親から生まれた、双子の兄弟は全く違う人生を歩んでいた。ただそれは15分の差だった。
東はそんな時に、十和田が自殺した部屋を掃除することになった。そこで漫画を見つけて持ち帰ったのだ。そして読めば読むほど自分に思えてきた。
同じ父から生まれた兄弟なのに、兄ばかりに苦労させてしまった。しかも肝臓癌を患っており、余命半年だった。
日高は自分が治療費を全額負担するから、最高の医療を受けて、生きて欲しいと願った。しかし兄は見つけた漫画から「クウシュウゴウになりたい」と願った。
そしてこの漫画を描いた十和田は、殺人者だと思うと彼は言った。日高はそんな事はないと訂正したが、東はもう一つ部屋から持ち出していたものがあった。
それは殺人現場の写真だった。これを根拠に十和田は自殺する前に人を殺している。だから自分もこの世にいなくても良いと殺してから亡くなりたい。
出者者
ドラマ【天国と地獄】主演綾瀬はるか、圧倒的なその存在感のある演技、プロフィールは！？
会えなくなった兄弟
クウシュウゴウになりたいと言う兄の夢を反対した。そのまま兄はいなくなってしまった。その背中に向かいいつでもこの歩道橋で待ってます。と声をかけた日高。
そして、いつものように歩道橋で兄を待つつもりで、階段を上っていくと正面の壁に「2」と赤いペンキで書かれた数字があった。
兄があの日残していったものの中に、人物のリストがあった。おそらく兄が殺したいと思っている人物の名前だろう。そして「2」が兄からのメッセージなのかはわからなかった。
しかし、リストを見ても「2」に当てはまる人物はいないと思われた。しかし漢字の中に漢数字の2が入る人物がいた。
とりあえずその住所に向かわないと、何もわからないと思い、日高は身を隠すようにして現場に向かった。
そして初めて殺害現場を目にした。血まみれになったベット。そして血が流れたままの床。そして弟を試すかのようにそれを掃除する道具が置いてあった。
平川、兄が捕まらないためにも証拠を隠す必要があった。兄が自分を試していることがわかった。だから兄を助ける方を選んだ。
必死で、犯人の痕跡を掃除してまわった。靴跡も指紋も。そして悲しいことに、それに使ったのは以前自分がサンプルとして渡した自社の商品だった。
しかし、強くこすらないと血は消えない。そのうちに用意されていたゴム手袋が破れてしまった。そこで母の形見として持っていた皮の手袋をすることにした。
そして、弟は兄のために共犯者となった。しかし弟は兄を止めたかった。先回りすれば兄を止められると思っていた。
しかし、リストの順番通りに殺害をしているわけではなかった。そのため壁に書かれた数字を確認して、先にその家に忍び込む方法をとっていた。
しかし結局兄を止めることができなかった。そして相変わらず歩道橋で待ち続けていたが、彩子が洗剤に気づき、日高をつけるようになった。
それは日高にとって想定外なことだった。あのわずかな匂いを、彩子が気づいてしまったのだ。
そしてあの日歩道橋で、日高と彩子が出会い彩子が逮捕すると迫ってきた。そして2人が階段から転げ落ち立場が入れ替わってしまった。
しかしそんなことを知らない兄の東は、再び歩道橋の壁に赤いペンキで数字を書いた。
兄は本当に「クウシュウゴウ」になってしまったのだ。姿が入れ替わっても、弟は兄の犯行を隠し続けた。
それは、あと15分早く自分が先に生まれていれば、自分がしていた犯行かもしれない。そんな罪悪感から兄を守っていた。
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