「桜の搭」6話、第2幕!新派閥の【改革派】、警察の不正を正す。その陰には磨き続けた牙が光る!
漣が千堂の娘優愛と結婚して5年が過ぎた。東大派はほぼ分裂。薩長派は規模を縮小し、千堂の外様派が勢力を拡大し
千堂は警視副総監まで上り詰めた。そして、新しい警視総監もまもなく退任となるが、漣はその座に千堂は座らせない覚悟で
この5年間準備を勧めてきた。周りから見れば千堂に「媚」を売るための一人娘との結婚と思われたが、真逆だった。
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汚職を見逃す上層部
幸せになれると思い蓮と結婚し優愛だったが、遅くに帰り食事もせず、ほとんど会話もない生活に不安が募っていた。
そんな不安を和らげるのは、爽の役割となっていた。漣の目的を隠しつつ、優愛の気持ちをくんで励ましてあげる。
そして、そのことを蓮に伝え2人の仲は何とか、「夫婦」として保たれているように思えた。
政治での汚職事件が発覚し、証拠もそろっているのに吉永に【逮捕状請求】をしても、千堂の手前逮捕状を出さないことに
漣はいらだっていたが、捜査2課長となった今、これ以上立ち入ることはできない。そして、捜査一課にいた富樫はまるで千堂の「飼い犬」のように
漣を見張り、千堂の言いなりになっていた。今は捜査2課にいるがある時、重要な証拠がパソコンから削除されていた。
漣は千堂の指示により、富樫がやったことに間違いはないと確信した。この男を絶対に信じてはいけない。
が、なぜか、爽の「彼氏」的立場を名乗り、爽に気にいられようとしているので、なかなか爽とのやり取りも難しくなってきた。
しかし、決定的な証拠が削除された今、さらなる決定的証拠をつかむ必要があった。しかしすでに千堂に目をつけられている。
不正献金の額は2千万円。そのうち1,500万はすでに政治家の妻の元に振り込まれている。残りの500万はどうなっているのか・・・!?
5年ぶりに「S」に姿を見せると、いつものように千堂がいた。そして千堂が帰った後、小宮に呼ばれた蓮。
政治家を逮捕しない事情
小宮は今まで、自分の母の病気の治療で、千堂に世話になっていたので、言いなりになるしかなかった。
しかし、先日母が亡くなりその借りもなくなった。そこで蓮にある写真を見せた。
それは千堂と大物政治家が共に飲んでいる写真だった。つまりその政治家と懇意にしているからこそ、
その下にいる議員が今逮捕されるのは、とてもまずいことなのだ。そのため千堂は逮捕に踏み切らせないということが分かった。
漣は消されてしまった証拠よりも、確実な証拠をつかむために、爽に頼みごとをした。
千堂に見張られている以上、富樫がまた何をしでかすかわからない。これ以上証拠が消されないように
捜査一課の範囲を超えていることを承知のうえで、議員が金銭を受け取る現場を押さえるようにお願いしたのだ。
漣の予想ならばまもなく500万のやり取りがあるはず。そこで爽は議員のマンションに貼り込んだ。
5日目に動きがあった。赤ちゃんを連れて外出するようだが、爽には赤ちゃんが小さすぎるように見えた。
それに、議員には成人した子供がいるが、乳幼児はいないはず。しかしスリングに大切に抱かれた乳幼児を連れて
何かを待っているようだった。その時後から来た女性が赤ちゃんの授乳のために「授乳室」に入る際に議員を見たのを見逃さなかった。
防犯カメラのない密室
そう、「授乳室」と言えば、赤ちゃんに母乳をあげるので【防犯カメラ】の設置がなく、周りからも囲われた完全な密室。
そこで爽は一緒に張り込んでいた轟の上着を借りて、赤ちゃんくらいの大きさに丸め、隣の授乳室に入り
スマホで【盗撮】と言う荒技に出た。すると先に入った女性が、ベビーベッドの布団の下に札束を置いた。
そして、入れ違いに入って来た議員は人形の赤ちゃんを連れてきた。示し合わせたようにベッドの布団をめくり
お金を回収した。一連のやり取りを撮影することに成功した。500万でも金銭の授受の証拠となる。
そこで再度「逮捕状」を請求したが、再び却下された。しかし、小宮が吉永にしなだれかかる写真を見せた途端逮捕状が出された。
そして、逮捕状が出たことが千堂に知れ渡る前に、まだ夜も明けきらないうちに逮捕に踏み切った。
千堂にとっては寝耳に水。大臣からは裏切り行為だと抗議の電話が入ったらしい。
漣を呼び叱責するが、逆に「すでに派閥を立ち上げる準備はできています」と、権藤を後ろ盾に
【改革派】を名乗る精鋭たちをすでにメンバーにあつめ、千堂に反旗を翻す準備を整えていたのだ。
今後外様派対改革派の派閥争いとなるが、最大の目的は、千堂の私欲のために警視総監の席を譲らないため。
5年間蓮が磨き上げた牙がようやく光を放つ時が来た!!
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