救急医療のあり方とは何か?一止に深い哲学を与える女性医師「神様のカルテ」3話

一止は相変わらず本庄病院で忙しい毎日を送っていた。しばらくは細君が山岳写真集の打ち合わせで、東京におり1人で過ごす時間が多かった。

 

そのため、自分の勤務が終わっても医務室にいることも多く当直でもないのに救急が外来任されることがあった。

 

それには新しく赴任してきた内科医の存在があった。古狸先生の愛弟子とも言える小幡先生だ。

 

 

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彼女の哲学

まだ古狸先生が大学病院にいた頃、小幡はその下につき医療も学んだ1人。絶大の信頼を持って、この病院に赴任してきた。

 

しかし一止は不信感を持っていた。自分がいるときに、彼女が当直なのに外来を診ていないのだ。それは何故なのか?

 

診たとしても一時的な処置をしただけで、検査は行わず、後で検査をすると血管が破裂しているなど重症化していることがあった。

 

そこで一止は彼女は一定の患者を見ないのはなぜかを観察した。それはアルコール依存症と思われる患者は、彼女は診察しない。

 

それはなぜなのか?人の命は同じ価値がある。それでも彼女はアルコールに依存している人たちをしっかりと診察しようとしない。

 

 

一止は彼女に意見をした。しかし返ってきた事は意外な言葉だった。

 

「同じことを繰り返して、また病院に来る。そして同じ処置をする。そして退院してまた同じことを繰り返す。それは時間の無駄。だったら日々進歩する医療を学び、少しでも技術を磨くこと。そちらに時間を使うことが医師の務めだと思う」

 

しかし一止はこのときはまだ、彼女の言うことが納得できなかった。たとえ同じことを繰り返して、もうアルコールは飲みません。

 

と、誓いながら、1週間ちょっとすればまた同じ症状で救急外来に運ばれてくる。そしてまた同じことを繰り返す。確かにそれは言える。

 

だからといって、そういった人たちを見放していいものだろうか。しかし一止が考えを改めることが起きた。

 

 

一止の誤診

一止が担当した80代の男性島内。同居している孫が救急車を呼び昨日運ばれてきた。そして診察をすると、画像から見ても、血液の数値から見ても、

 

癌である可能性が高かった。そのため診断は慎重に行い、治療方法が考えられたが、腫瘍が広がっているためかなり大きな範囲を切り取ることになる。

 

診察の際に背中を見た一止は、一瞬ひるんでしまった。彼の背中には一面に龍が彫られていた。しかし孫の両親が事故で早くなくなったため、

 

足を洗い、孫のために普通の生活をしてきた。孫と2人の生活だった。しかし孫を甘やかしすぎたのか、おじいちゃんのことが心配でたまらない孫。

 

今後の治療に関して説明が行われたが、孫は投薬治療で何とかならないかと訴えてきた。それは祖父の年齢を考えてのことだ。

 

 

しかし状態から見れば、投薬治療は無理だった。ある晩一止がロビーの自販機で飲み物を購入すると、待合室の椅子に座る島内を見つけた。

 

彼の分のお茶を購入して、隣に座った。「月が綺麗ですね」と言って、窓から見える月をずっと眺めていた。本当にきれいな月だった。

 

彼自身も自分の治療に関しては悩むことがあった自分は誰にも迷惑をかけて死にたくはないと思った。でも死んだ後誰でも人に迷惑をかける。

 

それが「」となると、彼に迷惑をかけることができない。どうしたら良いかと迷っていた。一止は「手術することにはりましょう!

 

やくざの世界では当たり前の「はる=賭ける」と言う言葉が医師から出てくるとは思っていなかった。そこで島内は手術を受けることを決断した。

 

オペを担当したのは、友人でもある外科の怪獣だった。彼はこのオペを最後に大学病院へ移ることになっていた。その前にこの大きなオペを成功させることを上司から指示された。

 

手術の日かなり時間が経った。内科医は小幡以外みんな医局に集まり、その時が来るのを待っていた。なかなか終わらない。

 

オペを終えた怪獣は医局に来た。内臓の癒着がひどくかなり時間がかかったらしい。しかしオペは成功したと言う。これで怪獣は大学病院へ移った。

 

後日、切り取った病巣を調べていた怪獣から電話が入った。病巣のとこにも癌はなかった。つまり一止誤診だった。

 

これは病院内で大きな問題として扱われることになった。孫がクレームを入れてきたのだ。健康な祖父の体に必要ないオペを行った。

 

そこで意見を聞くために会議が開かれた。古狸先生も同席し、病院長と事務長から、今回の誤診の件について詳しく説明するように求められた。

 

一止はうまく説明できず、古狸先生ですら説明しても納得してもらえなかった。そこで小幡がやってきた。

 

小幡は今回の件は誤診ではない。結果的にERPと言う診断に落ち着いたが、通常ERPの特徴として血液に、異常な数値が見られる。今回はそれが全くなかった

 

そして画像からも判断することは難しい。極めて稀なケースであり、確率で言えば10%。これを的確に診断しろと言うのですか。

 

と、小幡は正論で真っ向から病院長たちに訴えた。誰も反応できなかった。彼女の持っている知識が正しかった。そこで一止には処分はなかった。

 

 

一止の決断

彼女は普段から、最新医療を研究するため日々論文を読み、自分でも論文を書いている。そしてさらに当直もこなし、通常の診察もこなす。

 

人並みの力では到底できることではない。辰は妻を大学病院残し、本庄病院に行き身として、女性の強さをとても実感している。

 

一止は彼女が、アルコール依存と思われる患者を診察するならば、最新医療を学ぶべき。と言う彼女の哲学を思い出した。

 

確かに自分が誤診した。でもそれに対して自分は何も説明できなかった。それに加え彼女が最新医療について様々な質問をしたが、一止は悔しいことに何一つ答えられなかった。

 

 

365日24時間体制。ということに甘んじて、医療の進歩を学ぶということを自分は怠っているのではないかと思い始めていた。

 

彼女は、眠る時間食べる時間も全て削って、医療に捧げている。だから合間をみてはりんごをかじっている。りんご農家の実家から送られてくる大量のりんご。

 

いつも医務室に大量に置かれているが、彼女は暇をみてはりんごで栄養補給をしている。眠れなくても患者がやってくる。

 

そして自分が眠っている間にも、医療はどんどん進歩し、医療機器もどんどん新しいものが出てくる。それについて勉強する時間をすべてに捧げている。

 

それは学生結婚した夫が亡くなったことに関係している。彼女の夫は10歳上だった。救急で運ばれてきて、診断されたのが癌だった。

 

しかし、治療をしても効果がなく、再度調べ直したがんではなかった。しかしもその時には手遅れであり、夫はあっという間に天国に旅立った。

 

彼女は今でも誤診した医師を許さないと言う。その担当医は研修医の自分だ。そのため稀なケースでも見落とさないめ、彼女は日々医学を学んでいるのだった。

 

一止はハルにある決意、ハルも賛成してくれた。

 

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