残り少なくなっていく「缶詰」【西荻窪三ツ星酒堂】5話
雨宮は残り少ない缶詰の棚を見つめていた。「あと少しですね・・・」
一方で、隣の花屋で花束を買い、プロポーズをこの店でしたい。と男性が来た。
そして、ラベルのない缶詰を渡し、「よろしくお願いします」と帰って行った。
コンテンツ
作曲する彼
彼はギターケースを抱えていたことから、ミュージシャンだと思われる。彼が再び彼女を連れてお店に来た。
彼はすでに事務所に所属し、デビューしているのか、事務所から言われるような曲が書けないことに悩んでいた。
しかし、彼女と結婚することで共に人生を歩みながら、音楽活動を続けたいと考え、プロポーズを決めた。
そして、運ばれたラベルのない缶詰。彼女が明けると中に「指輪」が入っており、
彼は「結婚してください」とお願いしたが、彼女には大きな戸惑いが見られた。
実はシングルマザーである事実を隠して付き合っていたのだ。そのため、売れないミュージシャンである彼が
いきなり子供のいる2人の人生に、加わることはとても彼にとって迷惑ではないのか!?
と、考えプロポーズを断ってしまった。真実を知り愕然とする。しかし、いつも辛口な小林が
いいものは時間をかけて作るものだと、じいちゃんが言っていた。と彼に助言した。
そして、久しぶりに帰り際に元妻の美咲に電話をしていた。同じような悩みを抱えるミュージシャンを見て
彼も何か思うことがあったようだった。
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2度目のプロポーズ
小林はいつものようにふらりと店に来て、今回は珍しく「缶詰の羊羹」を開けて欲しい。と雨宮にお願いした。
そして、あの時プロポーズを断られた青年も再度プロポーズするつもりで店に来たが、ギターはなく、スーツを着ていた。
彼女との暮らしの為に、音楽はあきらめて就職したという。しかし、彼女は「あなたが作る音楽が好きだった」
と、本心を打ち明けた。珍しく小林がカウンターに入り、「じいちゃんが一番好きだったラム酒、一緒にのんでくれ。今日は1周忌だ」
と、中内は羊羹をつまみに出した。「羊羹はとても縁起のいい食べ物ですよ。よく固まるので」
すると男性はもうひとつ、前回とは別の缶詰を出した。中には「ミニカー」子供へのプレゼントということだろうか。
音楽もあきらめない。けど結婚もあきらめない。という彼の熱意に押されがちな彼女。
そして、口にしたのは「子供は女の子」、子供の性別まで聴いていなかったので、間違えてしまったが
彼の気持ちに彼女も動かされ、プロポーズはやっと成功した。
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缶詰がなくなったら!?
小林と雨宮には固い約束がある。「この缶詰がなくなるまでやすもう」
そして、缶詰がなくなったら店を閉めよう。と。それは愛着がわいてきた今でも変わらない。
「缶詰がなくなるまで休む」
小林は小説家として、華々しくデビューしたのか、その後すっかり書けなくなってしまった。
どんなに書いて出版社に持って行っても「二番煎じ」で売れないと断られてしまう日々。
そんな日々を、缶詰がなくなるまで休もうということなのだろう。しかし、彼の部屋は荒れ放題。
まだ、気持ちの整理はついていないのではないだろうか!?
そして、雨宮に関しては、閉店後にお迎えが来るような家柄ということしかまだわかっていない。
雨宮は何を「休んでいる」のだろうか!?親の会社経営を休むのか!?
本当は名の知れた人であり、休む暇がないくらいに働き疲れ果て、この店にたどり着いた。
そして、たまたま小林と再会し、彼も書くことにつかれており、2人で「休暇」を選んだのか!?
店は閉店。それは揺るがない。幸い中内も「味覚」が戻りつつあるので、彼はまたどこかの厨房で働けるだろう。
雨宮は一体何を「休んでいるのか・・・!?」
感想
前原滉さんが出すぎ!!「直ちゃんは小学3年生」のイメージが強くて、いきなりプロボーズとか・・・。
そして、売れないミュージシャンという設定がどうもしっくりこなかった。
堀田茜さんとの【不釣り合い】さも目立ってしまったが、初めて小林が長く話し
2人にお酒をふるまったのには驚きました。きっと彼と自分を重ねたんだな。
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