味覚が戻り始めた中内と、解散した芸人、そして雨宮の秘密「西荻窪三ツ星酒堂」4話

今日は両隣の店は休みなのに、それぞれの店主は働いていたつくづく相性がいいな。と思う雨宮。

 

そんな雨宮に「まかないつくったから」と、元気に買い出しに行く中内。途中厨房の後輩から電話が来たが出なかった。

 

一方小林も女性らしき人物から電話がかかってくるが、出ようとはしなかった。

 

 

コンテンツ

2組の人生

店にはいつものように、両隣のお店の店主たちが来ていた

  • いつもの席
  • いつものドリンク
  • いつものつまみ

 

何も変わらない。それがいいからこの店に来る。そこへ一人の男性が入って来た。

 

いきなり、親し気に花屋から話しかけられ戸惑ったが、おつまみが「缶詰」と知るとなんだか思い出すことがあったらしい。

 

それは、男性がかつてお笑い芸人でコンビを組んだばかりの頃、2人でビールを買い、相方のバイト先から

 

「賞味期限間近」のつぶ貝の缶詰を2個もらってきて、2人で祝杯を挙げた。15年前のことだった。

 

 

相方はビールにはつぶ貝がサイコー!!と喜び、いずれは2人で高級なビールにつぶ貝をつまみに飲もうな。

 

と、約束したが、鳴かず飛ばずの15年がすぎ、相方の様子が変わって来た。男性の名前は原田。

 

相方が困っている。「父がクモ膜下で倒れた」でも、それだけじゃないらしい。ちゃんと働きたいから。

 

と、今別のところから【脚本家】の仕事が来ているというのだ。つまり解散して、ピンで原田は頑張れということだ。

 

 

久しぶりの再会

ピン芸人では食べて行けず、交通誘導のバイトをしているところで、相方だった西が通りかかり、少しだけ話した。

 

そこで、今度公開される「映画のチケット」を渡された。もちろん西が脚本を担当したものだ。

 

今日はその完成試写会がこれからあるという。成功している相方。一方自分は日給1万円。この差は何なんだ。

 

原田はもらったチケットをくしゃくしゃにした時BARがあるのに、気づき入って来たのだ。

 

 

そして、相方との思い出を語りながら、自分はもう終わったという原田に、小林はなら「終わったね」と厳しい言葉を投げる。

 

それに反論もできないが、つまみにつぶ貝を注文していたが、中内が「リゾット」を作って来た。

 

缶詰の残り汁からいい出汁が出るから、美味しく出来上がります。と。味に感動する原田。「自分はビールではなく、つぶ貝だった」

 

と言った原田に、無言ながらのメッセージだった。「つぶ貝」でもいい出汁を出すことができる。つまりピンでもがんばれば花開く。

 

そして雨宮も、「お店から」と言って、友情を意味するカクテルを差し入れた。原田はまだまだ頑張れる気がした。

 

 

閉店後

雨宮と小林は、中内が残してくれたまかないの「キッシュ」を食べていた。とてもおいしかった。

 

しかし、少し寂しい現実が見えてしまった缶詰を全く使っていない。ということは中内の「味覚」が戻り始めた。

 

と、すると再びレストランへ戻ってしまうのかも。でも、小林と雨宮は「缶詰が亡くなるまで」と約束していた。

 

いずれはなくなるお店だから、中内の味覚が戻ってよかったのかもしれない。

 

そして、小林は雨宮に「そろそろお前も戻れよ」と言った。雨宮には何か秘密があるらしい。

 

閉店後にいつも迎えに来る、ドライバー。雨宮の体調を心配している。ということは古い付き合いなのか。

 

 

そして、小林も苦悩の中にいた。「書きたい」小説が書けない。過去のトラウマが欠かせないようだ。

 

朝でなかった電話は元妻なのか、一人になった小林は女性と子供3人が映った写真を眺めていた。

 

 

感想

いつも笑顔で優しい雨宮。そして缶詰をアレンジして、喜ばれては無邪気に喜ぶ中内。

そして、いつも片隅で本を読んでは、たまに話しに絡んできては「相手を挑発」する小林。

そして、その挑発をうまくおさめ、軌道修正していく雨宮。店を出るころには誰もが晴れやかな顔になっている。

雨宮に秘密があるのか、小林に秘密があるのか?それとも、2人に共通の秘密があるから、小林の言葉をいつも雨宮はフォローするのか・・・。

だんだんと、2人の関係性が見え始めてきました。高校の同級生3人でも、共通点のなかった3人が、今同じ店で働いている。

なぜ、雨宮がこの店に来たのか。ひとときの「休憩」と言っていたが・・・。

 


 

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