「永遠の昨日」3話、キャンプへの思いと、自分の気持ちそして雨の中のキス
満は去年の夏のことを思い出していた。浩一からキャンプに誘われた行きたくないわけではなかった。
でも行く気はしなかった。半ば強引に誘われる形で、浩一とキャンプに行くことになった。
キャンプ場近くの駅につくと、家族でいつも来ているらしく、バスではなく歩いてキャンプ場まで向かうと言う。
コンテンツ
キャンプに対する満の思い
満は浩一に誘われて、キャンプに来た。来たくないわけではない。でも行きたいわけでもない。
ただ誘われたから来てみた。そして浩一はとてもはしゃいでいた。それとは自分の気持ちは真逆だった。
途中浩一に水を勧められた。「たまに水分補給しないと熱中症になっちゃうよ」と勧めてくれたが断った。
なかなかキャンプ場までつかない。その間に浩一はみっちゃんに「山が好き?海が好き?」と聞くと、
満は「山が好き」と答え、浩一は「大丈夫海も山も両方行くから!!」ととても楽しそうだった
しかし、なかなかキャンプ場にはつかなかった。道を間違えたのかと思い、途中で確認したが、道は合っていた。
途中、とても暑くて浩一は、みっちゃんに自分が被っていたカンカン帽をかぶせた。
そのくらいに暑かったのに、キャンプ場に着いた途端に、満の気持ちを表すように空は曇り始めた。
そして、幸一は、上半身裸になって、海に飛び込んで思いっきりはしゃいでいた。やっていることも、まるで正反対だった。
満の自分の気持ち
満は今まで誰のことも興味がなかった。それは自分が「人間」と言うものに興味がないと思っていた。
もちろん異性に対しても興味が全く持ってなかった。でも浩一だけは違った。なぜか自分に近づいてくる浩一。
満はいつの間にか、それが心地よくなっていた。でも、それは自分だけの気持ちかもしれない。浩一は違うかもしれない。
そう思うと、浩一に気軽に話しかけることができなかった。でも、その気持ちは浩一には伝わっているようだった。
人と距離を作っている満は、「浩一は特別だよ」と言うように、自分に気持ちを開いてくれる時がある
でも、時々その扉が閉まってしまう時もある。浩一にとって満は理解できない存在だった。
バーベキューをしようと火を起こしていた。浩一はとても張り切っていたが、やっと火が起きた頃に雨が降り始めた。
もちろんバーベキューはできなかった。浩一は花火がやりたくて持ってきていた。線香花火を満の前でやっていた。
すると、突然浩一は自分の気持ちをぶつけて大きな声を張り上げた。それが満の気持ちを十分に表していた。思わず逃げてしまった。
雨の中の2人のキス
満は思わず、浩一から逃げて、東屋ある場所ができてしまった。浩一が言っている事は正しかった。
確かに、自分は人との間に壁を作って距離をとっているが、浩一の事はとても大切に思っていて、その壁を作っていない。
でも、時々、浩一への気持ちが自分1人だけなのかもしれない。つまり自分は男性が好きなのかもしれない。
そんなマイノリティに気づき始めた頃、浩一に嫌われないように、距離を取ることもあった。それを浩一は敏感に感じ取っていた。
その気持ちを初めて打ち明けた。さっきいきなり大声を出された事は怖かったけど、それよりも気持ちの核心をついてきたことが怖かった。
浩一は「みっちゃんのこと好きだよ。1番大好きだよ」と打ち明けてくれた。その言葉を聞いたとき
満も素直に「これも浩一のことが1番大好きだよ。」と自分の気持ちを素直に伝えることができた。
すると、浩一は「俺たち、両思い?」と聞いてきた。よくわからないが、多分そうだろうと思う。
すると、どちらからともなく、唇を合わせ、2回キスをした。激しく周りは雨が降っていたが、2人の間の空気はとても心地よかった。
コメントを残す コメントをキャンセル