「うきわ-友達以上、不倫未満-」7話、生活の変化と突然の変化

会社の夏祭りの夜麻衣子がいなくなった。ちょうど一が寝ようとした時、夫の拓也から電話が入った。

 

すぐに2人で手分けして麻衣子を探しに出かけた。最初に麻衣子を見つけたのは一だった。

 

その少し前に、一はベランダから麻衣子がどこかへ出かけるのを見ていた。笑顔で手を振っていたはずなのに。

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お互いがうきわだった。

麻衣子は以前から夫の拓也が浮気してるの知っていた。でもそれはもう自分には関係ないと思っていた。

 

それでも夏祭りの日の洗面所で、福田が夫の浮気相手だと知った。驚くこともなく、許しとかそういう感情もなかった。

 

すでに自分の気持ちには整理がついていだのだと思う。だから必死に謝る福田を見ても、何も言う気はなかった。

 

おそらく夜出かけて帰ってこなかったのは、ひとりでいる時間が欲しかったのだろう。今までのように遅く帰ってくることのない夫。

 

それだけ自分がひとりでいる時間がなくなってしまう。その気持ちに整理をつけたかったのではないだろうか。

 

そんな麻衣子のことを最初に見つけてくれたのは、一だった。自分では何気ないつもりで外にいたのに、2人が自分を探していることにびっくりした。

 

夫は自分が夜遅く帰ってきても、探されることもなかったのに、ただ自分が少し出かけただけで、こんな騒ぎになると思っていなかったのだろう。

 

一は、拓也来る前に自分の気持ちを話してくれた。「うきわの話し嬉しかったです。僕にとっても麻衣子さんは浮き輪でした。」

 

2人の気持ちが重なった時、拓也が一からの連絡を受けて、河原にやってきた。だからゆっくり話すことができなかった。

 

自分も一にとって、「うきわ」のような存在であったと言うことが嬉しかった。でもこの生活にこの後変化が訪れるなど思いもしなかった。

突然訪れた2人の生活の変化

翌日聖が、麻衣子の働くクリーニング屋さんに、一のスーツと、シミのついた服を持ってきた。何気ない光景だが、

 

麻衣子にとっては特別な、一のスーツをクリーニングに出すと言う作業は、特別だった。思わず匂いを嗅いでしまった。

 

前の日の夜に、聖が陶芸教室が辞めたことで、前のようにこうしてベランダで話すことが減ってしまうと言うことを聞いていた。

 

だからこそ余計に愛おしい匂いに感じたかもしれない。そして麻衣子も自分の生活に変化が起きることを感じていた。

 

それは一が「もうすぐ旦那さんの浮気が終わります。」と伝えてきた。麻衣子は内心、終わる必要はないと思っていた。

 

そうでなければ、一とこうしてベランダで話すこともなくなってしまう。唯一の2人にとって「うきわの時間」がなくなる事が怖かった。

 

夫が浮気を続けている限り、この時間を持つことができる。でも夫が浮気をやめてしまえば、この時間は麻衣子にとってかけがえのない時間なのに。

 

しかし本当に拓也の突然終わった。やはりお祭りの時に、福田が麻衣子に浮気相手だとばれたのが、1番の原因だったのだろうか。

 

拓也にとっては突然の「別れ」だった。そもそも福田にとって「始め」などなかった浮気だった。

 

東大出のエリートの婚約者がいながら、社内での浮気を噂されている。そんな日常に耐えられなくなった福田は、すべてを手放してしまった。

 

だからもう拓也は、遅く家に帰る必要はなくなった。すると麻衣子は突然息苦しさを覚えるようになった。

 

今まで我慢できていた夫の「いびき」ですら我慢できず、同じ空間にいることも我慢できなかった。しかし離婚に踏み切る勇気はなかった。

 

それは隣人である、一との別れを告げるからだった。離婚して一との時間を持てなくなるのならば、離婚せず夫婦生活を続けることを選んだ。

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新しいうきわ時間が変化する


以前のようにベランダで語り合う事はなくなってしまった。しかし聖がクリーニングを出しに来たときに、一が新しい朝の習慣を始めたことを知った。

 

「朝のスローラーニング」聖曰く、ゆっくり走ると言うことだった。麻衣子を探しに夜走ったときに、気持ちよかったから、朝ゆっくり走ることを習慣にしていると言う。

 

麻衣子は夫がいる空間に息苦しさを覚え、クローゼットの奥からジャージを出してきた。不思議そうに聞いてくる夫に、一緒にランニングするか聞いたが

 

やはり「めんどくさい事はしたくない」と言って、麻衣子はランニングに出かけた。 目的はランニングではなくて、一を見つけること。

 

どこを走っているかわからない一を、探しながら走っていた。すると川沿いの堤防走っている後ろ姿が見えた。

 

急いで追いかけていくと、笑顔で迎えてくれた一。うれしかった。この時間がこれからは「うきわ」になるかもしれない。

 

しかしある時から、一の態度が少し変わり始めてきた。麻衣子は思い切って聞いてみた。それは思いもよらない返事だった。

 

「福岡支社に転勤になった」

 

せっかく2人の時間を新しく見つけたのに、その時間すら奪われてしまう。しかも東京と福岡と離れてしまう。

 

せっかく広島から出てきて、やっと東京の生活に慣れ、一ともこうして話すことができるようになったのに、もうそれもできなくなってしまう。

 

しかし二葉の家では結論は出ていなかった。それは聖にとって別れをつけた浮気だったが、相手の田宮にとってはまだ終わっていないことだった。

 

そして自分は妊娠できない体であるにもかかわらず、妊娠した同僚が出産早々に復帰してきた。

 

それは働く女性としてのロールモデルを作りたいと言う、会社側の考えで、彼女は出産早々仕事に復帰し、管理職に就いた。

 

聖には赤ちゃんを持つことすらできず、自分のキャリアを伸ばすこともできない。そんなもどかしさが残る中での福岡への転勤の話となってきた。

 

聖の中で、このままキャリアを続けるのか、夫について福岡に引っ越すのかまだ結論は出ていなかった。しかし夫は福岡に引っ越すことが決まっていた。

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原作

野村宗弘『うきわ』(全3巻)

うきわ ー友達以上、不倫未満ー(1) (ビッグコミックス)

主題歌

オープニング「安藤裕子」

ReadyReady

エンディング

三浦透子

「通過点」

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