「高良くんと天城くん」4話、高良の中の気持ちと、天城の見え方
高良はなんとなくテンションが高かった。それもそのはず。3連休は天城と二人で過ごしたから。
しかし、その反面今までの自分を思い出していた。高校に入学してから、自分には何もなかった。
空っぽの自分は、周りに流されるまま、グループに誘われるまま、何の感情も持たなかった。
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高良の気持ち
高良は高校に入学したが、何か目標があって入学したわけでもなく、入学早々から目的もなく
ふらりふらりと流されていた。そんな中で無邪気な天城を見つけた。それは何もない日常に花を添えてくれた。
知らず知らずに天城を追ってしまう自分。でも、天城は自分に気づかずに無邪気に過ごしている。
それがまた高良にとってはつらいことだった。でも何も感じない高校生活が確かに目的のあるものになった。
そして同じ委員会を選ぶことで、天城との距離を縮めることにした。すると天城の可愛さが余計に増して
かわいくて仕方なかったが、自分は1軍に流されるままに毎日を過ごしていた。
周りから見える天城
天城はいつも目立たないグループの中にいた。香取と山崎がその仲間だった。
いつでも3人で行動をしていた。しかし連休明けになると天城がおかしいことに香取が気づいた。
高良と同じく少しテンションが高い。やはり3連休に2人でお泊りしたのがまだまだうれしいらしい。
しかし、香取はすでに確信していた。天城と高良がただならぬ中であるということに。
しかも、体育の授業で、唯一半そで、ハーフパンツで過ごしていた天城に、「この上着あっためといて」
と、高良がわざわざ上着を天城に着せてきた。これは確実だと思い、香取は高良に真相を迫ったが
「5限目が始まる」と話しをそらされてしまった。香取の確信をさらに深めることになった。
天城のやきもち
天城の中にはもやもやとした気持ちが残っていた。それは教室では高良に近づく隙が無いということ。
それなのに、1軍女子の土井は後ろから抱き着いて、そのまま話している。
そんなことにやきもちを焼いていた。なぜその態勢のまま話す必要があるのか!?
天城はやきもちを焼いてしまったが、やっと帰りは一緒に帰ることを約束できた。
そして、下駄箱で靴を履き替えている高良に、後ろから抱き着いた天城。それを振り払われ、
天城は泣き出してしまった。しかし、高良は「後ろから」ではなく、「前から抱き着いてほしかった」
と、天城を抱きしめると、高良にギュッと抱き着いてきた。高良にとって後ろから抱き着かれることに意味はないらしい。
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