「ロマンス暴風域」最終回、セリカとの再会と、すべてに気づいているなっちゃん。そして、求めている愛。
佐藤は相変わらず自堕落な生活をしていた。しかし、なっちゃんは幸せだった。
誰かのためにご飯を作って、部屋をきれいにして、普通の幸せをかみしめていた。しかし、その二人にきしみが見えだした。
そして、なっちゃんは風俗の仕事を続けられないほどに、普通の生活を欲しがっていた。
コンテンツ
借金のための仕事
なっちゃんは今まで、人生一度も思い通りにいかなかった。そして騙されたことで、高額の美顔器をかわされ、
その借金が残っていて、それを返済するために、風俗で働くことをやめられなかった。
しかし、お客の裸を見たり、仕事だと割り切ろうとするたびに「吐き気」に襲われて、
仕事ができなくて、お客に謝罪しては、結局お客を怒らせて帰ってしまう毎日。
それでも、自分で作った借金だから。と必死で仕事を続けようとしていた。そのころ、佐藤は予備校の屋上で、
なっちゃんが作ったお弁当を食べていた。そして、職員室に戻ると同じ講師の辻が「個展」の案内をしていたが、
佐藤には「興味ないよね」と、個展を進めなかった。自分が何をしたいのかわからない佐藤。
家に帰り、なっちゃんを抱いた。そこでなっちゃんの仕事に対する思いを初めて聞いた。
おなかがすいたというなっちゃんと一緒に、インスタントラーメンを買いに行った。
その帰りに、佐藤はせりかとあってしまった。今でも「芹香21歳」として、HPに載っているが、
あれ以来、彼女を指名するのを避けてきた。しかし、彼女は何も見なかったかのようにすれ違った。
原作
佐藤の気持ちに気づいていたなっちゃん
佐藤は仕事帰りに、アイスを買って帰り、一緒になっちゃんと食べようとした。
しかし、家中どこを探してもいない。水の音だけが秘儀き渡る。浴室を除くと、衣服を着たままのなっちゃんがいた。
急いでタオルで乾かしていたが、なっちゃんは佐藤の思いが自分にないことを知っていた。
それでも、誰かのためにご飯を作ったり、部屋を掃除する普通の幸せを知ってしまったから、
佐藤から離れられずにいた。佐藤は思わず「それなら俺じゃなくてもいいんじゃない」と言ってしまった。
「納豆を買ってくる」と買い物に出た佐藤。しかし、やはり風俗を利用してしまった。
すると、意外にも辻が来た。「講師は辞める」という。彼女は欲しいもののためにあきらめることもある。
と、美術を学ぶための、留学費用のために風俗にいた。風俗に偏見はない。という佐藤も、知らず知らず
言葉の端々から、辻の今の仕事を責めるような言葉がにじんでいたようだ。自分は偏見を持っていない。
と、言いながらも、せりかもなっちゃんに対しても、どこか偏見を持っていたのかもしれない。
そして、自宅に帰ると、なっちゃんは「さよなら、ごめんなさい」と短い手紙を残していなくなっていた。
求めても得られない愛
佐藤は久々に芝内に会いに行った。彼女は結婚して、すでに出産していた。雰囲気が変わった彼女。
それは当たり前だという。子供を産んで自分が守らなくてはいけない存在ができたから。
佐藤の自堕落な生活を心配している芝内は、佐藤がいつまでも理想の「愛」を求めて、
風俗をさまよっていることを諭した。「求めている愛を手に入れる人の方が少ない」と。
それを聞いた佐藤の中で、何かが変わったのかもしれない。再び風俗でなっちゃんを指名した。
そして、今後こそ心から、「結婚しよう」とプロポーズした。一番あいしているのは、せりかかもしれない。
でも、せりかは手に入らない。なっちゃんは「2番麺でもいい」と言ってくれた。そんな安易な気持ちからではない。
こんな自分のぞ場にいたい。と願うなっちゃんを佐藤は選ぶことができた。似た者同士かもしれない。
でも、それが互いに一番心地いい関係なのかもしれない。
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