木島が「ポルノ小説家」になるまでを描いた「インディゴの気分」第1話

木島は大学時代にすでに小説家としてデビューし、賞を受賞していた。

 

「インディゴの気分」それが彼の処女作。そして賞を獲得し、映像化され、時の人となった。

 

と、同時に打ちのめされ小説家への夢をあきらめた人物がいた。それが同じサークルの城戸だった。

 

 

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恩師の死

サークルの恩師であった、大学教授が亡くなった。しかし、サークル内で一人だけ連絡が取れない人物がいた

 

木島だった。彼はサークルの仲間とは卒業後合うこともなく、都内で一人暮らしをしていた

 

 

そして、新聞の訃報蘭で知り葬儀に来ていた。そこで、城戸は彼に話しかけたが、彼は待ったく記憶していなかった

 

しかし、同級生の女性の名前は憶えていた。これからみんなで食事をするというが、木島は帰ってしまった。

 

 

城戸が車で帰宅途中歩いている木島を見つけた。歩くにしても、ここは「千葉県」都内を目指すにしては遠い。

 

そこで、声をかけたが「帰りの電車代ないから歩けばいつかつくかな・・・」とぼんやりした答えが返ってきた。

 

思わず家まで送ることにした城戸。そして、車に乗り、仕事をしている城戸を褒める木島

 

しかし、社用車であり、アパートも更新を忘れて追い出され、住む場所がなく会社に寝泊まりしていた。

 

 

家に着いた2人

そこで2人は別れるはずだったが、不意に木島がもどってきて、「送ってくれたお礼に泊まってく?」

 

と、提案してくれた。お風呂も入っていないし、喜んでそれを受け入れた城戸だったが、

 

お風呂から悲鳴を上げることになる。「シャワーがお湯にならないんだけど・・・」

 

「あぁ、給湯器が壊れてるからお湯出ないよ。コツはね少しずつ浴びると寒くないよ」

「知ってる?給湯器って買うと高いんだよ」

 

そして、お風呂から出てくると、木島は「家賃さえ払ってくればここに住んでもいいよ」と持ち掛けた。

 

城戸もありがたかった。しかし、木島が金に困っていることは分かった。随分小説を書いていないらしい。

 

そこで、自分の働く出版社で本を出さないか!?と提案すると木島は怒り心頭だった。

 

「僕は文学しか書かない!!ポルノは道具だ!!」

 

 

城戸が好きな木島の文章

城戸は木島が書いてきた小説をすべて読んだ。だからこそ、彼の「文章」を埋もれさせたくない

 

つなぎでいいから、うちで書きながら「文学」を書いてほしい。

 

と、懇願した。まさか自分が記憶していなかった彼が、自分の作品すべてを読み褒めてくれるとは思っても見なかった。

 

ポルノは嫌だが、彼なりに収入になるなら、考えてみる価値はあるかもしれない。

 

そして、2人の共同生活が始まり、木島は城戸に新しい給湯器を購入してもらうことができた。

 

 


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