「体感予報」5話、連載打ち切り、打ちひしがれるダヨ、新しい仕事
万さんがマンションを訪ねてきたことで、葉は気に入らないことが出てきた。それは万さんと、瀬ケ崎の距離が近い。
それを隠そうと酔いつぶれてしまい、最終的に瀬ケ崎に一番見られたくない素の部分を見せてしまった。
しかし、瀬ケ崎は葉にはっきり気持ちを言わない。そして葉も自分の気持ちがはっきりしないままだった。
コンテンツ
連載打ち切り
葉が歩いていると、編集者から電話があった。「連載打ち切り」の連絡だったが、編集者は
元々ヒーロー的展開の、葉の漫画を面白くないと思っていた。それならそうと初めから言ってほしかった。
「面白くないから売れないと思っていたが、一応担当なので推していたが駄目だった」なんて、
打ち切りになってから言わないでほしい。家に帰った葉は何もする気力がわかなかなかった。
編集者は「あんなヒーロー的な男はどこにもいないから」と言ったが、本当に目の前に「瀬ケ崎」という男が存在する。
だから葉は瀬ケ崎をモデルにして、自分の好きな漫画を描いていた。なのにそれをすべて否定されてしまった。
家事はやらなくちゃいけないから、料理を始めたがやる気がうせてしまい、洗濯を始めたがそこから動けなくなってしまった。
大学を出て瀬ケ崎は「気象予報士」として働いている。自分は大学を出て、単発の連載や、今回の連載で、
「打ち切り」になり、本当に『無職』になってしまった。瀬ケ崎はどう思うだろう。もう葉は一歩も動けなかった。
打ちひしがれるダヨ
瀬ケ崎が仕事から帰ってきた。真っ暗な部屋。どこの明かりをつけてもダヨはいない。そして最後に洗面所に行くと
洗濯機の前で体操すわりをしている葉を見つけた。いたことに安心した。そして、「洗濯をしていた」と思った。
しかし、洗濯はやり直しの状態だった。なんとか葉を動かそうとするも、簡単に動きそうになかった。
なんとか、ソファーまで連れてきたが、水も飲もうとしない。グラスを近づけても口からこぼれていく。
瀬ケ崎は口移しで飲ませた。何とか水を一口飲んだダヨは、とても打ちひしがれていた。瀬ケ崎は何も聞かない。
「待っていろ」と言って、葉が切りかけたパプリカを切って、手早くバスタやスープ。ピザなどを用意した。
そして、何とか打ちひしがれたダヨをダイニングの椅子に座らせた。そして、瀬ケ崎はスープを葉の口に運んだ。
もう食べたくない。と思っていたが、自然と口に入った。そして自分で食べることができた。
すると、「次は風呂だ」と言って、瀬ケ崎は葉をお風呂へ連れて行き、服を脱がせ一緒に入った。
そして瀬ケ崎はやっと「何かあった?」と聞いてきた。葉は初めて「連載が打ち切りになった」
と、自分が無職になってしまったことを打ち明けた。しかし瀬ケ崎にとっては「そんなこと」だった。
葉が無職でも瀬ケ崎は、葉を見捨てたりしないし、今まで通り一緒に生活していくから心配ない。
しかし、葉は納得がいかなかった。自分はちゃんと漫画で収入を得て、瀬ケ崎よりも収入を増やしたかった。
それなのに、そのスタートラインにも立てない自分が嫌だったのだ。瀬ケ崎はそれでも葉を責めたりしなかった。
そして、寝室へ入るとベッドをあけて、葉に来るように瀬ケ崎は導いた。そして葉はやっとベッドに座った。
改めて、無職で何もない自分をどうして瀬ケ崎がそばに置いてくれるのか、わからなかった。そして葉は瀬ケ崎にキスをした。
落ち込んでいても自分を求めてくれる、葉の姿を瀬ケ崎はいとおしいと思ったのかそれを受け入れた。
新しい仕事
ダヨは万さんに相談した。しかし万さんは「SNSからのし上がる!!」と言って、ダヨと瀬ケ崎のBLを描き始めていた。
「大丈夫。2人だってわからないようになっているから」とダヨに言うと、この仕事を手伝うように言ってきた。
ダヨはキャラクターを描く仕事を得ることができた。新しい仕事にうきうきとするダヨだったが、
瀬ケ崎にどうやって話せばいいのか!?よりによって万さんの家に行く日に限って、瀬ケ崎は仕事が休みだった。
そして、「新しい仕事が決まって、これから忙しくなるから、泊りもあるかも」といきなり切り出したが、
瀬ケ崎もそこまで気づかない奴ではない。数日前に打ちひしがれ動くこともできなかったのに、
そんなに忙しい仕事が急に決まるのはおかしい。そして、「泊まり込みの仕事」ももっと怪しい。
と言ってきたが、葉はどうしても万の家に行きたくて、瀬ケ崎の追及をよそに、その場から逃げるように玄関から出た。
瀬ケ崎は止めるように、葉を引っ張ったが、出て行った葉をスマホを持ってベランダから見ていた。
止めるふりをして、葉のカバンの中に「GPS」を入れたのだ。それが正しく起動するのか、ベランダから確認していた。
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