「NICE FLIGHT！」5話、飛行機からの花火と、パイロットとしての判断。渋谷の過去。

キャンプへ来た翌朝、二人はバードウォッチングをしていた。前日にいきなり「壁ドン」とか信じられない。

 

と、言っていた渋谷が、帰ろうとする粋の服の裾をつかんで、もう少し一緒にいたいそぶりを見せた。

 

しかし、夏目が朝ごはんができたことを知らせに来たので、つないでいた手を振りほどき思わず「ごめん」と渋谷は謝った。

 

飛行機から見る花火

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粋がまだ寝ていると、ショーンから電話が入り、飛行機から花火を見てみたいと言われた。

 

ジェームスとガールフレンド、3人分のチケットが欲しいという。ちょうどその日は粋も早く上がれそうだった。

 

そこで、粋はフロントスタッフに確認して、花火のある日のフライトチケットを3枚と、2枚お願いした。

 

しかし、あの時ごめんと言われて、すでにふられているが、どうしても渋谷を誘いたかった。

 

そして、自分の気持ちに正直に、渋谷にフライトチケットを見せながら、この日は福岡への便で戻ってくるから、

 

展望デッキで待っててくれるように伝えた。一瞬渋谷の顔が曇ったが、渋谷はOKした。

 

そして、当日福岡へのフライトへは、車いすのお客様と、バイオリニストのお客様、そして、臨月のお客様が乗っていた。

 

機長の喜多見の判断で、揺れのないスムーズな離陸だった。さすがだとほめる粋に喜多見は、これくらいできないと。

 

と、いつまでもコーパイ気分でいる粋をたしなめた。順調に飛行を続けたが、福岡上空が怪しかった。

 

万が一、着陸待機となった場合、上空で待機できるように燃料は多く積んできたが、それでも30分が限度。

 

そして、実際に福岡空港上空には、多くの待機便があるので、順番からするとかなり後になる。

 

なぜなら、福岡空港の滑走路は一本しかない。粋は長崎空港へ降りることも提案したが、喜多見に却下された。

 

しかし、「北九州空港」ならば、バスで移動すれば、福岡市内まで1時間もかからない。

 

と、提案すると、喜多見もその意見に賛成して、バイオリンの開演時間が迫るバイオリニストや、

 

臨月で座るのも限界な妊婦。そして、車いすの初老の男性も飛行機を降りることができた。

 

当初は、北九州で降りたい人だけおろし、福岡に戻るはずだったが、全員が下りたため、

 

その後のスケジュールがくるってしまった。そのため、飛行機から渋谷と花火を見る約束を果たせなくなってしまった。

 

 

待機する粋と喜多見

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北九州ですべてのお客が下りてしまい、空のまま羽田にひきかえすことになったが、

 

そうなると福岡空港でのスケジュールが狂ってくる。2人は待機となり、しばらく空港の別室で待機することになった。

 

粋は渋谷に訳をメールして、生けなくなったことを伝えたが、「わかりました」とそっけない返事だけだった。

 

やっぱり自分は振られてしまったのか！？と気落ちしていたが、やっと帰りの便が決まり、

 

喜多見と羽田に帰ってきたが、珍しく喜多見が手を出してきて「お疲れ様」と握手を求めてきた。

 

粋は気づいていないが、次の機種の便の訓練のため、国内線を飛ぶ喜多見とは最後のフライトだったのだ。

 

そして、粋は待っているわけない渋谷に電話をかけた。渋谷は夏目に誘われて、イタリアンへ行ったかと思ったら、

 

河原と花火を見ながら、食事をしていた。渋谷は一体どこに！？

 

 

展望デッキと渋谷の過去

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渋谷は幼いころに母と別れ、青森の祖父に育てられた。そして、「東京で頑張っているから、いつか一緒に住もう」

 

という言葉を信じて、渋谷は母を待ち続けていた。そして高校生の時、母から手紙が来て、

 

日時を指定され、展望デッキで待つように言われた。そのころには母には新しい家族がいたようだった。

 

渋谷は喜んで、羽田に向かったが時間になっても現れない母に、電話をしてみると、「ごめん。やっぱり一緒に暮らせない」

 

と言われ、母が迎えに来ることはなかった。そんな苦い思い出のある展望デッキで、渋谷は粋を待っていたのだ。

 

「倉田さんなら来る気がしたから」と、3時間以上待っていてくれた。そして、粋は「これから距離感気を付ける」

 

というと、渋谷は気を付けなくていい。と粋に抱き着いた。そして、粋は渋谷を抱きしめて、キスをした。

 

あの時つい、「ごめん」と言ってしまったが、渋谷も結局は粋のことが気になっていたのだった。

 

 

ちゃんと渋谷に「好きです」と自分の気持ちを伝えながらも、不器用な渋谷はそれにうまく返事ができないけど、

 

渋谷の気持ちが伝わった時、粋の本当にいとおしそうな瞳はすてきでしたね。

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