「#家族募集します」1話父子家庭俊平と、母子家庭礼、そして幼馴染の蒼介
俊平は出版社で働くサラリーマン。しかし、つい3か月前【絵本作家】の妻のみどりが取材のため、海外へ行き事故に遭い亡くなった。
その場で死亡が確認されたので、まだ幼い息子はるの気持ちを考え、みどりの両親が葬儀を行い、俊平たちは参加しなかった。
だから、飛行機で旅立ったママがいつか帰ってくると信じているはる。でもいつまでも隠し通せない。
俊平ははるのために「いつも笑顔でいなくちゃ」妻が最後に残した絵本は【みんなでわらおう】タイトルだった。
それを実践すべく慣れないシングルファーザーとして、毎日奮闘していた。お弁当を作り、自転車で保育園へ送り、帰りも会社に気を遣ってもらい
遅れることのないよう、最後の預かり時間に間に合うように迎えに行く。そしてはるはお絵描きをしている間に夕飯を作り
洗い物をする。それからはるとの時間がやっと来る。だけど精神的にも肉体的にも限界が来ていた。はるより先に寝てしまったり
寝坊して逆にはるに起こされたり。そんな毎日の中で、商店街で「お好み焼きにじや」のビラを配る男性がいた。しつこく渡そうとするので
断っていたが、急に男性の態度が変わった。「俊平?」「えっ!?」となったが、「ほら、蒼介!!」となり、幼い頃お互い母子家庭で
仕事の終わりが遅い2人のママは、いつも迎えに来るのが一番最後となり、学童でいつも一緒に遊んでいた仲だった。
蒼介は今は使っていない、お店の2階に寝泊まりして、店主に修行させてもらっているらしい。しかし、部屋が広すぎるから同居人を探していた。
そうすれば「家賃収入も入るし」と。俊平を誘うもそんな気になれなかった。でも、はるの希望で「にじや」へ行くことになった。
そんなころ、1組のシングルマザーが窮地に陥っていた。小学校の先生をしているが、すでに自分が帰宅した後に、児童同士がもめごとを起こし
両方の母親が今から学校へ来る!!と連絡が入った。担任がいない訳にはいかないが、幼い娘の「しずく」を置いていくにも連れていくにもできなかった。
そこでSNSを開くと、「#いつでも預かり」というタグを見つけた。すると「お好み焼き屋にじや」だった。そんなとこに預ける訳にはいかなかったが
しずくがこの間蒼介が配っていたチラシに色を塗っていた。もう頼るところがない。お店に行くと「保育士資格」を持った者は1人もいなかった。
しかし、もう時間がなかったので、預けたがしずくちゃんが1人で寂しそうだった。そで俊平にはるくんを連れてくるように頼んだが
俊平は断った。しかし、どうしてもご飯を食べないはるを、仕方なく「にじや」へ連れていくと、やっぱり子供同士すぐに意気投合し遊びだした。
母の礼が帰ってくる頃には眠ってしまっていた。「自分を甘やかしたくないので、おいくらですか?」と3,000円払って帰って行った。
礼はどうやら自分自身の強い意志と覚悟を持ってシングルマザーになったらしい。ということは「離婚した」のだろうか。
だから「誰にも頼らず暮らしていく」という強い覚悟があるからこそ、自分を甘やかさずに2人で暮らしてきた。
一方の俊平はそんな覚悟のないまま、シングルファーザーとなり、妻の葬儀にも出ていないので、おそらく妻が亡くなった自覚もなく
表札には3人の名前が書かれたまま。それははるにまだ本当のことをいう覚悟ができていない表れなのだろうか。
ある日、俊平は蒼介から呼び出された。「しずくがお好み焼きを食べてみたい」と言い、お店に来たがはると一緒に食べたいらしい。
そして、しかもしずくは初めてお好み焼きを食べるいわば、「デビュー」 の日。その日を4人で食べたいとしずくの希望から
俊平はしずくちゃんがそう望んでいるなら。と喜んでお店に向かった。大将は思いっきり大きな「お好み焼き」を焼いて一皿で提供された。
それを、それぞれの子供に取り分ける姿を見て、蒼介はなぜか感極まり泣きだした。「俺が求めていたのはまさにこれ!!シェア!!」
「人が集って、ひとつの物をシェアする。それは物にかぎらず、気持ちもシェアしていく。辛いこともうれしいことも。そういう場所にしたい」
と、熱い思いを語った。おそらく母子家庭で育ち、母の苦労を知っているからこそ、彼は常々そういう大人たちがいてもいいんじゃないか。と思っていたのではないだろうか。
そして、いつも強く見せようとしている、礼に蒼介はお好み焼きを取り分けた。なんだか礼の表情が少し和らいだ。
仲野太賀
TBS新ドラマ「この恋あたためますか?」コンビニが舞台スィーツ&ラブ
木村文乃
岸井ゆきの
2020年4月スタートテレビ東京「浦安鉄筋家族」実写不可能が実写化!!
日本テレビ『私たちはどうかしてる』15年前の真実にたどり着く嘘
重岡大毅
はるとしずくが遊びたい。というので、2階に移動していった。するとしずくが母親に「これ読んで」と一冊の絵本を持ってきた。
俊平は「妻が書いた絵本です」と一言添えた。【みんなでわらおう】礼はその気持ちを受け止めて、1行ずつ丁寧に読み聞かせをしていた。
俊平は気持ちを押さえられなくなり、屋上へ行った。それを追って蒼介も来た。気持ちの整理がまだつかない俊平。
蒼介は「ため込まないで吐き出せよ」と、言葉はキャッチボールしなくちゃわかんない。というと、俊平は「キャッチボールしようか」
と、蒼介からグローブを借りた。そしてボールを投げながら「これ笑いながらきいてね。」と前置きをしながら、ボールを投げながら
はるとの2人の暮らしぶりを話し出した。そのころには礼も屋上に来ていた。仕事でどんなに疲れていても、はるの前では笑っていなくちゃいけない。
はるの前では頑張らなくちゃいけない。って思うけど、もう限界かもしれない。寝る時もはるより先に寝ちゃって、ひまになったはるが、俺を起こすの、そうしたら、はるの頭が顔面にあたって、はるは痛がるし、俺は鼻血だして、よけいはるがパニックで泣くし、そんな時もう、どうしたらいいかわかんなくって・・・。
と、話しているうちに俊平はぼろぼろ泣いていた。「あれ、おかしいな笑って聞いてもらう話しなのに」というと、蒼介はもっと吐き出せ!!
と、俊平をあおっていた。吐き出して少しでも楽になるなら、全部吐き出した方がいい。それが蒼介の考え方だった。
3人が2階に戻ると、2人は仲よく眠っていた。すると礼が「ここにこればしずくの願いはかなうのかな」と、七夕の短冊を出してきた。
「ママともっとたくさんあそべますように」
確かにここにこれば、家事を分担したり、忙しい時は誰かが子供を見ていたり、自分の時間が増えるかもしれない。
そうすれば時間に余裕ができて、しずくとの時間も増やせるかもしれない。眠っている2人を起こすのはかわいそうだから、早朝に出発することにして
礼と俊平はそれぞれ部屋を借りて眠りについた。そして翌朝早く準備しに自宅に帰り、「にじや」ではるを乗せて保育園へ向かった。
誰もいなくなったお店の扉が開いた。「ここですか?にじやって!?」一組の親子が【ルームシェア】で訪ねてきた。いかにも音楽をやっていそうな親子。
母親はギターを抱えている。もしかしたら初めての住民になるかもしれない。
コメントを残す コメントをキャンセル