「エルピス」深夜ニュース担当浅川の異変、岸本の危機、浅川と斎藤の過去
浅川は以前は、大洋テレビのゴールデンタイムのニュース番組、「ニュース８」を担当していたが、
スキャンダルが発覚して、深夜のバラエティ番組に左遷され、そこのニュースコーナーを担当していた。
週1回金曜日に放送される、「フライデーボンボン」でバラエティ担当のディレクターをしているのが岸本だった。
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深夜のニュース担当浅川の異変
浅川は「フライデーボンボン」でニュースを担当していた。そしてある日、人気俳優のインタビューがあったが、
浅川がなかなか来ず、岸本が俳優との時間をつないでいた。そしてやっと来た浅川はインタビューをはじめ、その様子は放送された。
すでにこの時、浅川の体に異変は起きていた。彼女は本来ゴールデンタイムのニュース番組「ニュース８」のサブキャスターとして輝いていた。
しかし、路上でのキス写真を週刊誌に撮られ、バラエティ班に左遷されてきたが、そこのプロデューサーの村井の
パワハラ、セクハラ、モラハラはすごく、周りのみんなは耐えるしかなかった。岸本は自分は育ちもよく平凡だとは思ったこともなかった。
しかし、いつも村井に仕事が遅いだの、間違いだらけだの注意ばかり受けていた。しかし、それでも自分には輝く才能があると信じていた。
反面、浅川はこのころ、自分を見失い、心と体がバラバラになったような感じがしており、睡眠をろくにとることもできず
食べ物を口に入れると吐いてしまうような生活を送っていた。しかし、岸本が持ってきたニュースによってその生活は変わろうとしていた。
自分で招いた岸本の危機
岸本はヘアメイクのさくらに呼び出されていた。そして、「手出し厳禁！！」と言われている、番組の『ボンボンガールズ』の一人を
誘い出し、必死に口説いている音声を聞かされた。これをプロデューサーの村井に聞かせたら左遷させられるのは間違いない。
しかし、それと引き換えにある条件が出された。すでに死刑が決定している、10年近く前に起きた少女連続殺人が、
実は『冤罪』なのかもしれない。ということだった。そのことをニュースで取り上げて、彼の冤罪を晴らしてほしい。
ということで、岸本なりに資料を準備して、まずもともと冤罪ニュースもたんとうしていた、浅川に相談した。
しかし、彼女はすでに死刑が確定している事件を、簡単には覆せないと、手を貸さないと言い放った。
それでもあまりにも岸本が食い下がるので、話しの内容を聞いてみると、最初犯人は事実を認めて、刑が確定したが、
その後は一貫して無罪を主張している。しかも、犯人逮捕の時に家に家出少女がいたことが決め手になり逮捕されたが、
その少女は、彼には指一本触れられず、とてもいい人で殺人を犯すような人ではない。と言っていると話した。
それでも浅川にはリスクが高い。だから報道へもっていくように話しをしたが、報道でもすでに死刑判決がでているから。
と、門前払いを受けてしまうが、戻ろうとすると、新人時代にお世話になった、政治部のキャップである斎藤に会った。
そして、この冤罪事件をどうしても扱いたい。と後日会う約束を取り付けることができた。
浅川と斎藤の過去
何度も岸本は浅川を説得していた。しかし浅川は相変わらず興味を持ってくれなかった。そしてスマホを見ていた。
すると先日から行方不明になっていた、14歳の中学生が、10年前の事件現場付近で発見されたというニュースをみた。
そこから、浅川は岸本の提案に興味を持ち、プロデューサーにどうしたらニュースとして扱ってもらえるのか、
プレゼンのような資料つくりに協力した。そして、村井に見せたが見る前から資料ははじかれてしまった。
そして、斎藤との約束の日、食事を始めたが、「浅川さんも誘ったのに遅いですね。」とのんきな岸本に斎藤は
「浅川がどうして左遷されたか知っているか？」と聞くと、「路チュー写真を撮られたからですよね？」
というと、「検索してみろ」と言われ記事を検索し、写真を見せると「拡大してみろ！」と言われ、写真を拡大すると、
男性には目に線が入っているが、明らかに斎藤だった。その事実に驚愕していると、「そのあと振られた」と斎藤は言った。
しかし、その時浅川は現れた。そして2人と同じものを注文し、冤罪について話していたが、浅川は岸本に
「このカードで支払って」と、クレジットカードを渡すと、早々に席を立ってしまった。実は吐き気が襲ってきたのだ。
それを悟られないように、席を離れたのだ。しかし、会計は斎藤が済ませ、浅川には「それで払ったと伝えろ」と言われた。
そして、村井にどうしてもニュースとして取り上げて欲しい。と懇願していると、浅川は村井の態度が精神的にきたのか、
突然吐き気をもよおして、トイレへ行ってしまった。心配した岸本がついてきた。そして屋上でこれをニュースにしたい理由を打ち明けた。
ボンボンガールに手を出したことを、村井に知られたくない。自分の保身のためだった。というと、浅川は「もう飲み込めない！！」
「もう飲み込みたくない！！」と、今まで様々なことを我慢してきたが、このニュースについても、冤罪であるなら
黙っていたくない！という彼女の決意の表れだったのだろう。そして、岸本はだれもニュースで取り上げられない。
と、さくらに謝罪にいったが、さくらはいつもしている手のカバーを外して、火傷の痕を見せた。
父親からの虐待は日常的で、このやけどをさせられたときに家出した。そして、犯人となってしまった男性に声をかけられ、
衣食住を提供してもらった。彼には妻と中学生の娘がいたが、事故で亡くして一人だった。逮捕の時自分さえいなければよかった。
とさくらは言った。そして、「また次のチャンスを探せばいい」と言っていたが、岸本は泣いていた。なぜ彼は泣いていたのだろうか！？
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