変わってしまった街と、変わらない親子「生きるとか、死ぬとか、親父とか」4話
トキコが、銀座のフリーペーパーにコラム記載の依頼が来たから、お母さんとの思い出を書いた。
と、父に話すと、在りし日の母の話しを読みたくなったのか、「銀座百点」というフリーペーパーを手に入れるべく
久々に2人で銀座に来た。母が生きていたころはよく来ていた。その頃は父の商売もうまくいっていた。
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歩けども
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— 生きるとか死ぬとか父親とか🌿テレビ東京🕰第5話 5月7日(金)放送 (@tx_ikirutoka) May 3, 2021
トキコが子供のころは、よく銀座に来ては母の買い物に付き合ったり、いろんな映画館へ行った。
特に買い物中はすることがないので、その辺においてある「銀座百点」を読んで時間をつぶすのが常だった。
そのくらい身近にあったフリーペーパーなので、簡単に手に入ると思っていた。しかし、久々に来た銀座は全く様子が違う。
前にこの辺にこんなお店があったのに、どこへ行ってしまったのかもうない。と思えば移転していたり、
すでに【閉店】してしまったり。2人は「銀ブラ」をしても【銀座百点】を置いてある店を見つけられない。
【銀座百点】と名の付くものだから、どこの店でも置いてある。と思い、簡単に手に入ると思っていた。
しかし、それは昔の話し。今はどこの店に行ってもその存在すら知らない店ばかり。外国ブランドの店が増えたせいだろうか!?
懐かしい味
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— 生きるとか死ぬとか父親とか🌿テレビ東京🕰第5話 5月7日(金)放送 (@tx_ikirutoka) May 2, 2021
そこで父が昔からあるセレクトショップ「サンモト」ならあるのではないだろうか!?と提案した。
「サンモト」とは老舗のセレクトショップで「サンモトヤマ」といい、上客を相手にするような、質の良いものを扱っている
衣料品店だ。しかし、今の2人はどう見ても「上客」には見えない。でも心当たりはそこしかない。しかも父は自慢げに
「このジャケットだって昔サンモトで買ったんだから大丈夫!」と変な自信を魅せつけている。
しかし、父の記憶を頼りに入ったお店には、「銀座百点」はなく、しかも違うお店だった。昔は確かにサンモトだったらしいが
移転して、今はちょっと先にある店舗で営業しているとのこと。早速そちらへ向かうと「サンモトヤマ」は営業していた。
店内に入るとやはり高級な、質のいいものの雰囲気が漂い、2人の場違い感は半端なかった。
それでも父は店員に「このジャケット昔、ここで買ったんだよ」と親しげに話しているが、そこへ品のいい老夫婦が来店した。
これぞ【上客】店員はすかさずそちらへ行ってしまった。ちょうど【銀座百点】もあったので、2人は店を出ることにした。
たった1冊の冊子を探すのにこれほど苦労するとは、二人は計算外だったし、歩きすぎて疲れてしまった。
そこでトキコはお昼には早いから、喫茶店に入ることを提案するが、父はお腹が空いたので、昔よく言った蕎麦屋へ行きたい。
と、言い出した。トキコも久しぶりにその味にありつきたくて、賛成した。しかし、ここからがまたもや苦難の道だった。
蕎麦屋はどこへ?
『生きるとか死ぬとか父親とか』
街の現在の姿を捉えることが、どれほどの苦悩であったか、菊地組の機転と胆力がみるみると結実させた力強いエピソードでした。映像表現を観る喜びに溢れたクライマックスシーンは、虚実を超えて響きます。恋の話は、まなざしと声。#生きるとか死ぬとか父親とか pic.twitter.com/IwtnNgPNSN
— 山戸結希 (@KURAYAMI_TOWN) May 1, 2021
またもや「父の記憶」を頼りに、蕎麦屋へ向かうが、どこにもない。確かにこの辺だ。
と言っても「飲食店らしき」店舗もない。トキコがネットで調べているうちに、父は配送業者を見つけて
店のありかを訪ねた。すると「数年前に店を閉めましたよ」と帰ってきた。楽しみにしてきたのに、もう店はない。
トキコもネットで調べて、「閉店」を知った。そこで、「ニュー鳥ぎん」へ向かうことにした。
父の好きな釜飯もあるし、焼き鳥もあるし。となだめて店内に入り、オーダーをした。するとすぐに父は「銀座百点」を読ませろ!
と、トキコをせかした。汚すといけないから、食べてからにしてほしい。というと「母さんのことが書いてあるんだろ?」
と、早く読みたくて仕方がない様子。なのでトキコは「銀座百点」を父に託した。すると【間違いがある】といきなりの突っ込み。
「母さんと銀座でデートして、その日にアパートに転がり込んだんじゃない」と訂正が入った。
実際は、幼いころに両親を亡くした母は、年上の兄と姉が親代わりだった。その兄と姉に呼び出され、交際を反対され別れたのだ。
しかし、父の「もう一度会いたい」願いを神様はかなえてくれたのか、半年後銀座を歩いていたら、前から母が来た。
「会いたかった」と告げると、母はカバンから鍵を出して父に渡した。なので、銀座でデートして転がり込むには半年かかっている。
と、そんなことはさておき、トキコの予感は的中した。焼き鳥をトキコの顔写真の上にポトリ!!
「あぁ~だからいわんこっちゃない」と父が言うか!?1冊しかない、やっと1冊見つけた【銀座百点】のトキコの顔は
タレで黄色く染まってしまった。勝手知ったる銀座と思っていたが、今は全く違う街になっていた。
今回登場した店
サンモトヤマ
2019年10月に負債総額9億円以上を抱え破産してしまった。
大きな原因は礎を気付いた前社長の【死】から、うまく新しい経営陣が経営を引き継げなかったことにあるようだ。
ニュー鳥ぎん
住所 東京都中央区銀座5-5-11
電話 03-3571-3334
営業 火~金 16:30~22:00(L.O.21:45)
土・日・祝 11:30~21:30(L.O.21:15)
火曜定休
席数 90席
親父の話しをエッセイにしよう!!破天荒な父と真面目な娘「生きるとか、死ぬとか、親父とか」1話 叔母に会うとか、独身を貫くとか、「生きるとか、死ぬとか、親父とか」2話かゆいとか、アレルギーとか、美容とか。「生きるとか、死ぬとか、親父とか」3話
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