吉川晃司主演「探偵由利麟太郎」原作横溝正史。ひび割れた懐中時計に秘めた思い

大人気ミステリー作家横溝正史が、「金田一耕助」シリーズよりも前に

シリーズとして執筆していたのが「由利麟太郎」シリーズです。

戦前に執筆されたものを、令和の時代に蘇らせたので、どこか「ノスタルジック」な雰囲気が漂うこのドラマ。

今回は、由利が持っている懐中時計について考察してみます!!

 

コンテンツ

由利麟太郎とは!?

由利麟太郎は、「警視庁に由利あり!!」と言われるほど頭脳明晰で

捜査一課長まで務めたほどの男だった。

だが、「ある事件」をきっかけに警視庁を退職し、学生時代をすごした京都へ移り住み

昔馴染みで、嘱託で依頼があれば「刑事捜査」を手伝う探偵をしている。

ルーティーンのひとつに「弓道」があるが、彼は【先端恐怖症】でもある。

そのため、捜査中に【刃物】や、指した指を見ることはできない。

 

おそらく、「先端恐怖症」になったのは【ある事件】が関連しているのではないだろうか!?

それは、「妻の殺害」もしくは「恋人の殺害」

助けられる立場にいながら、助けることができなかった。

由利の回想におそらく「血」を出しながら、水中に沈みゆく女性がいる。

彼女は何者かに【刃物】で殺害され、橋から落とされた。

その痛みを自分の痛みのように感じ、【刃物】を目にすることができなくなった。

と、推測します。

 

夫婦関係に厳しい由利

全5話の放送でしたが、すべて「血縁関係」に関連した事件でした。

1話

遺伝子研究社日下の養女となった瑠璃子。

しかし、瑠璃子は本来別の名前があった。たまたま「この色が好き」と言ったのが【瑠璃色】だったため

日下から「今日からお前は瑠璃子だ」と名付けられました。

瑠璃子はある時を境に、日下から性的虐待を受けるようになりました。

そして、日下の研究室にある「髑髏(どくろ)」それは、【遺伝子研究】という名のもとに

殺害されたも同然の、瑠璃子の実の父の髑髏でした。

 

そして、月日が経ち日下はもう一人【養子】を迎えますが、引きこもりの少年でした。

少年は丸一日ゲームをしていましたが、【養子】と言いながら、日下の人体実験のモルモットとされていたのです。

しかも、少年の母親は「瑠璃子」

そう、瑠璃子を虐待したことにより生まれた命を、実験台にしていたため

我が子を救うため瑠璃子は日下を刺殺し、その助手を「瑠璃色の原料」から採れる毒素で徐々に死に追い詰めていきました。

 

2話

「幻聴・幻覚」に悩まされるエマ。

職場でも、家でも常に彼女を苦しめていました。

ついには、勤務先のオーナーから、海外から映画オーディションのオファーが来ている。

と言われ、目隠しされその会場へ連れて行かれますが、そこには浴槽があり同じ職場で働く同僚の腕が切断されているのです。

同僚は特徴のあるタトゥーをしているので、エマにはすぐにわかりました。

 

しかし、それが「現実なのか、夢なのか」

自分が精神的におかしくなったのか・・・。何もかもわからなくなりました。

しかし、それはある男の父を見返したいという思いから、建物ごとエマをストーカーする男性の犯罪でした。

実は男性の父は1本の映画を撮影しているのですが、「本当に殺人が起きたのでは!?」という曰く付きの映画で

公開2日でお蔵入りになりました。彼はその作品を超えようと、エマを主人公「プロジェクトマッピング」を利用し

幻覚を見せおびえる姿や、自分がおかしいのかも・・・と、精神が崩壊していく様子をすべて撮影していたのです。

そして、父の作品を超えるため、少年の時に見た撮影現場を再現し、エマの勤務先のオーナーを殺害しようとしました。

 

3話

人気モデルの優美は、料理研究家を志す恭介という旦那がいました。

しかし、実際は稼ぎは優美の方が格段に上であり、彼女に食べて欲しいと

一生懸命に作る料理も、「外で済ませてきた」「いらない」

と食べてもらうことはありませんでした。

しかし、彼女のSNSの写真に写る瞳の中に、浮気相手を見つけてしまった恭介。

 

料理の知識で「吸引性」の毒を持って妻を殺そうと、香水を作りますが

出来栄えの可愛さに、違うモデルが横取りし亡くなりました。

そして、その香水を配った後、別の友人に姿を見られたため「連続殺人」と見せかけるため

同じ手口で「殺害」を犯します。しかし、恭介の本当の目的は妻の優美とその不倫相手の事務所社長。

社長は無惨に殺害され、優美も恭介が黙って借りた物件で殺されるところでした。

 

4話5話

人気オペラ歌手原さくらが殺害された。

犯人は、彼女を敬愛するマネージャー。彼女が綺麗なうちに人生を終わらせたかった。

そして、高校時代のトラウマから、夫婦間に性的関係はありませんでしたが

夫の総一郎は、手当たり次第に劇団の女性に手を出し、不倫の末子供が生まれます。

 

しかも、さくらの遺体が発見された当日、総一郎は自室で劇団員と関係を持っていたのです。

由利は「そんな奴は最も許せない」と静かに怒りをあらわにしました。

 

5話から見える由利麟太郎

すべての話しが「家族」が絡み、そして「歪んでいた」のです。

そして、由利は静かにひび割れた懐中時計を見つめながら、

黒髪を風になびかせる女性の後ろ姿の幻を目にします。

きっと、由利は【全力】で彼女を助けようとした。その時懐中時計は壊れた。

けれども、あらがえない事情から彼女を失った。

 

だからこそ、「歪んでいる」愛の形が由利に静かな怒りをもたらすのではないでしょうか!?

最後まで、由利がなぜ警視庁を辞めたのか、明かされることはありませんでしたが

おそらく、水中に沈んでいく女性が深く関係し、そして現在も由利の心の中に住み続けているのでしょうね。

 

 

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