TBS系列放送賀来賢人主演ドラマ「死にたい夜にかぎって」あさり汁になった浩史のペット

どうしようもない男が、女に振り回され続ける半生の実録

「死にたい夜にかぎって」

これは、原作者爪切男さんがつけたタイトルではなく、ドラマスタッフがつけたタイトルとなります。

「死にたい」そんな夜にかぎって、こんなどうしようもない男の半生を見てみてもいいんじゃないでしょうか!?

 

相変わらずの暮らし

 

浩史とアスカが同棲を初めて5年が過ぎようとしていた。

うつ病は治らないものの、アスカの調子もよくたまにギターを弾いていた。

そして、毎日のように浮気もしていた。

でも、浩史がそれを「見ないふり」をしていれば【幸せ】は逃げない。

その欲求は、浩史の風俗通いに拍車をかける。そして、職場の仲間からペットを飼うことを勧められた。

 

風俗でおまけにもらった飴を食べながら、浩史は思い出していた。

堤防沿いに止めた軽トラック。

父がガムをくれた「よく噛んで食べろ」という父にうなずく浩史。

だが、3回くらい噛むと思わず飲み込んでしまった。そうするともう一枚ガムが・・・。

また飲み込んでしまった・・・。再びガムが・・・。

それも飲み込んでしまった。何回食べても「噛み続けること」ができなかった。

 

普段は厳しい父が、あの時だけどうして「ガムを何枚もくれたのか」浩史はずっと疑問だった。

成長した浩史が父に訪ねた。昔の事だったが父も覚えていた。

あれは「最期の晩餐」だったらしい。借金まみれになり八方ふさがりで心中しようと最後に、浩史に好きなだけガムを食べさせたのだった。

しかし、何度言っても「噛み続けることができない浩史」を見ていて、死ぬのがばかばかしくなってやめた。

そんな「秘話」がガムには隠されていた。

 

新聞配達員

 

浩史は昔ペットを飼いたかった。そしたら「潮干狩りのあさり」から、好きなのをえらんでいい。と言われ

【乱歩】と名付けて眺めていた。しかし翌日になり乱歩は悪臭を放ち死んでいた。

今度こそそんなことがないように、新しい水槽と酸素ポンプを買い4つあさりを入れた。

それぞれに名前を付けて、水槽に名前を貼って眺めていた。

ずっと眺めていた。アスカが呼ぶのも気づかず眺めていた。

 

やっとアスカの話しを聞いた浩史は、【新聞を契約】したことを知った。

「紙の匂いフェチだからいいよ♪」と勝手に契約したアスカを責めない浩史。

新聞が届くようになった。浩史はアパートの各部屋に新聞が差し込まれる【音】を聞いていた。

そして、玄関にスタンバイした。自分の家の玄関にも新聞が顔をのぞかせたッ!!

瞬間ッ!思いっきり引き抜く浩史。

ドアの向こうで小さく女性が悲鳴をあげた。申し訳ないと思いドアを開けて謝った。

それから、浩史の「朝1分の恋」が始まった。

 

ちょうど仕事が忙しくなり、帰るのがいつも新聞配達の時間と重なるようになり

毎日女性にガムをあげる浩史。時には「くじ引き」をしてみたり

浩史の楽しい朝は続いた。しかし、突然最後の配達を迎えることとなった。

女性は東北出身で、上京してみたものの、これと言ってやりたいこともないから実家に帰る。

突然「朝1分の恋」は終わりを告げたが、もうひとつ終わりを告げていた。

 

休みの日、アスカが何かしている大きな物音で目が覚めた浩史。

休みだから「朝食」を作っているとアスカ。

浩史の目に入ってきたのは空になった水槽と、無造作に抜かれたポンプ。

アスカの目の前で湯気を立てて、浩史のペットたちは終わりを迎えていた。

怒鳴り散らし家を出る浩史、しかし行く当てもなく家に戻る浩史。

謝るアスカに「あさり」の感想を聞く浩史。

「砂でじゃりじゃりしててまずかった」

浩史の1分の恋も、ペットへの愛も終わってしまった。だけどアスカがいる。

浩史にはそれでよかった。

 

 

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