ミートパスタは幸せの象徴。それが壊れる時「リカ〜リバース〜」2話
麗美は興信所に旦那の素行調査を依頼していた。その結果千尋先生と腕を組んでいる現場を押さえられた。
見せかけの幸せの象徴。しかしそれは麗美が想い描くようにならないと、ガタガタと音立てて崩れていく。
そんな矢先、英語の家庭教師であった千尋先生から「家庭教師を辞めたい」と連絡があり、突然やめてしまった。
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行方不明になった千尋
千尋が方不明なってしばらくした後、警察が雨宮家を訪れた。千尋と関わりがあった家だからだ。
連絡の取れなくなった実家から警察に、捜査依頼が出されたと言う。そのため関係先に事情を聞いて回っていると言う。
そして雨宮家で1番聞きたかったのは、千尋先生がもう1人の家庭教師である宗像先生と、2人は付き合っていたと言う。
だからこそ、千尋先生の失踪に雨宮家が何か変わっていないか警察が来たのだ。しかし誰もが2人が付き合っていたことを知らなかった。
しかし本当は、誰もが2人が付き合っていることを知っていた。そして示し合わせたかのように知らないと誰もが答えた。
もし誰かが「知っていた」と答えたならば、その後のお仕置きが待っていた。麗美を誰もが恐れていたのだ。
この失踪について麗美が、深く関わっていると旦那である武士は直感的に思っただろう。自分に身に覚えがあるからだ。
麗美の嫉妬心が誰よりも強いということと、見せかけの幸せをとても大事にしていることを一番身近でよく知っている。
もしその見せかけの幸せを壊すような行いをしたものは、どんな目にあうか武士はうすうす気づいていたと思う。
だからこそ麗美の存在そのものが怖かった。しかし雨宮家の婿としてこの家にいる以上、麗美の呪縛から逃れることができなかった。
その恐怖心を紛らわすため、日中からお酒を飲んでは、自分を奮い立たせていた。そんな時にお手伝いの幸子が買い物から帰ってきた。
恐怖心から逃れたいあまり、武士は幸子に抱きついてしまった。その様子を出かけていたはずの麗美に目撃されてしまった。
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麗美の生い立ち
麗美は誰よりも「幸せ」に飢えていた。そして、誰よりもその人の一番であることを強く望んでいた。
幸子は、千尋先生が失踪したことが信じられず、自分なりに調べ始めたが、結局行き着く場所は、宗像先生のところだった。
彼も彼なりに、突然彼女が失踪し、自分になにも伝えてこないことに、不思議に思い、アパートの近隣に聞き込みをしていた。
すると、失踪直前と思われる頃、近所の子供が、千尋先生が女性から「うちの旦那を取らないで!」と言われていた。と証言した。
宗像先生も彼女でありながら、他の男性の影をうすうす感じていた。それは彼女には買えない、高級バッグや指輪を数点持っていた。
もちろん宗像自身も、自分がプレゼントできるような品物ではない。それを聞いた幸子は驚きを隠せなかった。
千尋先生と話した時、指輪について宗像先生からの贈り物だと聞いて、彼女は否定をしなかったからだ。
だから、てっきり2人はとてもうまく行っていて、千尋先生が浮気をしているなどと思いもしなかった。
しかし、失踪直前に麗美は旦那と千尋の写真を見て「死ねばいい!」と呟いている。リカを彷彿とさせるセリフ。
自分が手に入れたい、運命の恋人を横取りするような奴は、「みんな死ねばいい!」というのがリカの考え方だった。
そして、幸子が雨宮家に少しずつ違和感を持ち始めた頃、旦那様に抱きつかれたのを、麗美に目撃されてしまった。
そしてお遣いから戻ると、麗美は唯一作れる「ミートパスタ」を食べようとしていた。しかし幸子が帰宅したのを知ると、
あからさまにパスタをぐちゃぐちゃに混ぜて、自分の白いブラウスを汚していった。尋常じゃない行動に、恐怖を感じながら着替えを取りに行こうとした幸子。
しかし、麗美はパスタを持って行く手を塞いだ。「このミートパスタは我が家の幸せの象徴なの。」と、さらにパスタをぐちゃぐちゃにし、幸子に押し付けた。
しかし、押し合っているうちにパスタは、麗美の胸に命中し、皿ごと落ち床で砕け散った。それが何を意味するのか…。
ちょうど電話が鳴り、幸子は恐怖から解放された。そして、電話は「実家の母親が倒れた」という知らせだった。
そのため、幸子は家政婦を辞め、長野の実家に戻り母親の面倒を見なくてはならなくなった。
千尋先生がいなくなり、幸子もいなくなり、恐怖で仕事を理由に帰宅しない武士。
3人での夕食は出前ばかりの味気ないモノだった。麗美が作れるのはミートパスタだけ。しかし、それは幸せな時だけ。
だから、麗美が家政婦がいなくなったからと、キッチンに立つことはなかった。
理想の男性
麗美はいつでも「理想の男性」を探し求め、彼が自分だけに尽くすことを強く望んでいた。
だからこそ、男性からの「贈り物」は自分への愛情の証だった。ある日、武士がプレゼントを持って帰ってきた。
もちろん、自分用だと疑わない麗美は、嬉しそうにはしゃいでいたが、旦那が向かったのは長女リカだった。
バレエコンクールで「金賞」を獲ったご褒美だったのだが、あからさまに麗美の態度は豹変し、はしゃいでジュースをこぼしたリカに強くあたった。
リカにご褒美があるならば、ユカにあってもいい。だけど彼女は「銅賞」だったからないのだ。それに武士は美人なリカをあからさまにひいきしていた。
ユカはなんでもできて、美人のリカに憧れていた。でも、母親である麗美は娘であっても、「愛情」が自分以外に向くことを許さなかった。
だから、リカは自分で自分にお仕置きをした。ママの前で子供みたいにはしゃいだ自分が悪いんだ!
と、ものさしで麗美がやるように、左手首の内側を何度も叩きつけた。ユカが止めてもやめようとはしなかった。
リカに憧れ、リカになりたいユカは自らもものさしを持ち、リカと同じ痛みを味わい続けた。
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