「しょうもない僕らの恋愛論」3話、ポスター作りと写生大会、そして父との再会
筒見は仕事がどんどん、若手に回っていくのに、なんだかさみしい気持ちを覚えていた。
社長からはもっと自由にやりなよ。と言われてもそんな風に仕事をしていたことも思い出せない。
そんな時、腐れ縁の友達から、「写生大会」を提案された。そして、筒見は描く楽しさを思い出した。
コンテンツ
くるみのポスター作り
くるみは同級生が、文化祭で「バンドをやるからポスター作って」と依頼された。何と7ボーカル、ギターとベースという
とんでもない組み合わせのバンドだったが、くるみが普段教科書に落書きをしているのを知っていて、
あんな感じでいいとお願いされてしまった。お店の手伝いをしながら、悠に相談してみたが、いい答えが見つからない。
そこで、何気なくお店にあるコミックを手に取った。そしてめくっていくと、最後のページで驚いた。
このコミックはくるみにとって「バイブル」のようなコミックだが、その表紙をデザインしていたのが筒見だったのだ。
筒見は筒見で、この作家の新作が出ると聞かされていたが、表紙の担当を任されたのは自分ではなく
若手のデザイナーだったことに少しがっかりしていた。そんなところへくるみと悠が訪ねていった。
しかし、くるみは「絵」の相談をしに行ったが、筒見が担当しているのは、絵や文字の配置のデザインだった。
それでも「とにかく描く」ことを勧められた。昔から絵を描くことは嫌いじゃなかった。
悠がモデルの写生大会
くるみは学校の「美術部」に興味を持った。しかし、「美術部はこちら」と矢印があるが、
たどってもたどっても、なかなか部室にたどり着くことができなかった。しかしやっと着いたときに
やっぱり「美術部は辞めよう」と思ったときに、顧問が出てきて中に強引に連れていかれて、
入部の印にベレー帽をくれた。そして、またもや強引に屋上で、「心の赴くままに描く」と言って、
3時間も絵を描くはめになってしまった。部員がいないのに廃部にならないのは、毎年有名美大に合格者を出しているかららしい。
くるみは筒見に「ちゃらんぽらん」で相談に乗ってもらっていた。そこに森田が来て「写生会」をすることになった。
モデルはイケメンがいいと言う、森田にくるみは悠を紹介した。
くるみの父との再会
写生会当日、悠は公園で制服姿のまま、モデルを勤めたが、かなり無理なポーズで悠は早く終わってほしかった。
しかし、それぞれに思い思いに描いていると、夢中になってしまい、なかなか終わらなかった。
バリキャリとして働く森田は、化粧品をプレゼンする身として、肌の水分量が29%しかない事実に愕然としていた。
筒見は、どんどん仕事が若手にとって変わられていくことに、仕事への情熱を失いかけていた。
しかし、この写生会はくるみの為に開かれたが、実際は40代の二人の大人の気持ちの中のもやもやを消した。
しばらくすると、くるみの帰宅にあわせて、高級車が停車していた。くるみは嫌な思いをしたくないので避けた。
しかし、クラクションを鳴らすので仕方なく相手にした。それは母の葬儀にも来なかった
アメリカで働いている父だった。まずはお墓参りに行きたい。という父に付き合ったが、何かと「一緒にくらしてみたかった」
という父に、嫌気がさしてくるみは父と別れたが、その気持ちのまま家にかえれなかった。
夜のイルミネーションを見ながら、スマホを取り出すと、筒見に電話をかけていた。きっと無意識だろう。
その頃、筒見は写生で描く楽しさを思い出し、家で絵を描いていたが、くるみの声に何かを感じ
走ってくるみの元に駆けつけたが、泣きそうだったくるみは、筒見を見ると笑いが止まらなかった。
急いで来てくれたのが嬉しかったが、手や顔が、青い絵の具だらけだったのだ。
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