「しょうもない僕らの恋愛論」1話、今時のおじさんに、突然の友達申請。現れたのは?
筒見拓郎は、どこにでもいそうな40代男性。デザイン会社に勤めて、そろそろ後輩を育てる頃。
しかし、プライベートでは独身を貫き、息抜きに同級生たちが集まるばーで、一息をつく。
そんな毎日に、突然SNSで「谷村杏奈」から友達申請がきた。最初は受け流していたが…。
コンテンツ
今時のオヤジの筒見
デザイン会社で働きながら、家と会社を往復する毎日。朝出勤する時、小学生の女の子がじっと見ていた。
そこで、手を振って「いってらっしゃい」と声をかけると、女の子の姉が走ってきて「駄目だって!」と言って
妹の手を取って走って逃げようとした。しかし転んでしまった。怪我をしていないか、近くによると、鮭ばれてしまった。
警察まで来る騒ぎになった。ちょうど昨日変質者が出たと言う情報があり、学校でもそんなことが共有されていたのだ。
自分に悪意はなくとも、周囲からはそう見えてしまう年頃になったのだろう。会社でその出来事を話すと、
若い男性が声をかけてくるよりも、中年の男性が声をかけてきた方が、怖さはますだろうと言う結果になった。
そんな話に気落ちをして、仕事にもどれば、後輩からは頼られる存在となっている。そして取引先ともうまくやっている。
そんな彼の生活に突然の変化が訪れた。SNSに「谷村杏奈」から友達申請が届いたのだ。
突然の友達申請
谷村杏奈とは、大学時代に軽音サークルに入っていた拓郎が、杏奈のピアノに惚れ込み
キーボードとしてバンドに誘ったのがきっかけだった。20年も前の事だった。しかし今になってなぜ突然申請が来たのか?
ネットで調べてみても、こういった場合「宗教の勧誘」などで、良い話など1つもなかった。そのため申請を許可するか悩み続けた。
結局悩み続けて1週間経ってしまった。同級生からはいまだに結果が出せていない拓郎に、またあえたらみんなで飲みたいね。
と言う話になってきた。そうなったら、申請を却下するしかない。家に帰宅すると、友達申請を許可した。
すると、すぐに「久しぶり、元気?」とメールが来た。すぐに拓郎も返事をした。短いメールのやり取りで、
「今度会いませんか?」とメールが来た。拓郎は懐かしさに会うことを決意した。待ち合わせの喫茶店に行くと、それらしき人物を探した。
しかし、自分と同じ年頃の女性がいなかった。しかも人違いをしてしまった。すると、目の前に杏奈にそっくりな高校生が現れた。
何度も目をこすっても杏奈にそっくりだった。彼女のうながされてテーブルについた。そして「お母さん」について聞こうとすると、
彼女の方から「お母さんはどんな人でしたか?」と質問されてしまった。お母さんはいつ来るのか聞いても、なんとなく彼女をはぐらかす。
そしてついに「母は今日来ません」といったのだった。実は先月膵臓癌を患い亡くなっていたのだった。
なぜ彼女が拓郎に連絡をしてきたのか、仲間たちは不思議に思った。拓郎自身も不思議で仕方なかった。
目の前に現れた高校生の杏奈
杏奈は母の遺品から、筒見拓郎という名前や、写真を見つけて、当時の母のことを聞きたいと思った。
それで母のふりをしてSNSで友達申請をしていた。一方拓郎も当時の思い出が詰まった箱を取り出すと、
杏奈と一緒に撮影した写真がたくさん出てきた。その中からカセットテープのケースが出てきたが、中身はなかった。
杏奈の娘は本当によく似ていたが、名前は「くるみ」と言う。日曜日に拓郎に会い、翌日、学校に登校する時、
彼氏に報告していたのか、拓郎がどんな人物だったのか聞いてきた。想像していたよりもおじさんだった。
それはがっかりしたのかどうなのかわからないが、くるみは決心した。拓郎にもらった名刺と、母の遺品にあったカセットテープを持って
拓郎の会社を訪れたが、この週末に多くの情報が入りすぎ、とても疲れてしまったので、いつもより早く帰った。
そして家に帰るなり、チャイムが鳴った。ドアから覗くとくるみがいた。会社から後をつけてきたと言う。
それには目的があった。カセットテープだけが残っているが、再生することができなかった。
母の思い出のカセットテープを2人で聞くことになった。「筒見拓郎の曲」と書いてあるが、2人の会話から始まっていた。
そして弾き始めた直後に、拓郎は間違えて引き直した。そして最後に母の拍手が聞こえた。
曲を聴き終えると、くるみは拓郎に母のふりをして、友達申請をしてごめんなさいと謝ってきた。
そして友達申請してきた理由も教えてくれた。それは「母が好きだった人がどんな人なのか見てみたかった」と言うことだった。
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