「ひきこもり先生」3話奈々ちゃんの初登校と学校カースト問題
陽平がこの学校に来て、最初に話しかけたのは生き物係をしていた和斗だった。
久しぶりに学校に登校してきた奈々。しかし和斗をみると、パニック寸前に陥ったかのように逃げるように校内に入っていった。
一方校長の榊は、元ひきこもりを「非常勤講師」に採用したことで、学校に新しい教育方針を示したとして注目を浴びていた。
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新しいSTEPルーム
土曜よる9時放送中の【#ひきこもり先生】
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— NHKドラマ (@nhk_dramas) June 24, 2021
奈々は初めてSTEPルームに来たので、自分の席がなかった。そこで1年生の女の子ひよりの隣に座ることになった。
かつて奈々が学校に来れなくなったのは、ある男子からいじめを受けていたからだった。それは生徒の中における序列のようなものだった。
その男子生徒は生き物係の和斗だった。しかし今彼はいじめに遭っていた。いわゆる「学校カースト」
1番上に立つ者の言うことに従わなければ、自分がいじめられるから、言うことを聞くが、1番上から転落するのは簡単なことだった。
かつて奈々が味わった苦しみを今味わいながら、不登校になる勇気もなく、ただ学校に来るだけしかできなかった。
いまでも奈々は登校してきて、和斗を見ると過去がフラッシュバックし、パニックを起こしそうになってしまう。
しかしその和斗はカーストの上から1番下に転落し、今はいじめられる側にいる。花壇をめちゃくちゃにされたり
個室のトイレに閉じ込められ、上から水を浴びせられたり、誰にも言えないいじめを受けていた。陽平はそれをちゃんと見逃さなかった。
ずぶ濡れになった和斗を、STEPルームに連れてきたが、奈々を見た瞬間に、過去の罪悪感から逃げていってしまった。
彼は生まれ変わったら植物になりたいと言う。学校にも居場所がなく、不登校になる勇気もない。だから花壇にいるしかない。
逃げていく和斗を追いかける陽平。担任から諭された奈々は、それに何か感じるものがあったのか、2人の後を追いかけていった。
河原にいた2人。奈々は自ら和斗のそばにより、小石を拾って石切りをした。そして、小石を拾って和斗に渡した。
2人にとってはそれが仲直りの印だったのかもしれない。
坂本征二の初登校
今夜23:40〜第2話が再放送されますよー。#ひきこもり先生 #NHK総合 #坂本征二 #南出凌嘉 pic.twitter.com/RPzTd8eoEe
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父が怪我をして以来、まともな生活を送れなかった坂本征二。陽平が再び走る事を勧めた。
それに触発されたように、父の征一も動き出した。母にもその影響はあったのか、11月に入り登校してきた。
おそらく家庭再生ができたのだろう。笑顔で登校してきた。でもお弁当を持ってこなかった。
ちょうどその頃ちひろの母親が教室に怒鳴り込んできた。奈々は女の子の様子を見ていた。そこで不登校になった原因を自分と同じだと感じた。
自分自身は、母親がだらしない生活を送っているせいで、SNSでいじめられ、学校でいじめにあい校門をくぐることができなくなってしまった。
しかし、1年生のちひろは、その逆で母親の締め付けのせいで、SNSから仲間外れにされ、唯一の自分の居場所だったピアノ弾くことさえ、才能がないからと奪われてしまった。
自分の居場所をなくしてしまい、普通級に入ればスマホを持っていないことでいじめられる。だから今STEPルームにいる。
母親自身に原因があるのに、母親はそれに気づかず、学校の責任にしている。そんな共通点を彼女は見つけていた。
母親は「家に帰りなさい」と言っていたが、彼女は帰ることなく、教室にあるピアノを弾いていた。奈々にとっても羨ましかった。
歌が上手大好きなのに、音符も読めないし楽器も弾けない。少しずつ2人の距離が縮まっていった。奈々はピアノをめちゃくちゃに弾きながら
お母さんなんて死んじゃえ!私なんて死んじゃえ!
と泣きながら歌い続けた。それを廊下で陽平は聞いていた。
生徒のために出来ること
【#ひきこもり先生】
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ソーシャルワーカーの磯崎が陽平の店にいるときに、ひきこもりの支援をしている長嶺と、ヨーダが来た。
ヨーダは終始強気だった。新聞に取り上げられたことで、いい気になるなよ。俺の方が勝ってんだからな。
もしかしたらヨーダは寂しかったのかもしれない。同じひきこもり同士、片方だけが注目される存在になるのが、何かを失うようで悲しくなり
強がりを言わないと、自分を保てなかったのかもしれない。しかし、ヨーダはひきこもりと言っても、家族のいない間には1人で外出することもあるらしい。
行き先はコンビニ。そこで働く店員に恋をしているみたいだ。おそらく海外からの留学生だが、帰り道のヨーダは、家にいる時とは違い輝きを放っていた。
一方陽平は、行き場所のない生徒たちに自分は一体何ができるのか、一生懸命考えた。そして翌日大きな荷物を抱えて登校した。
持ってきたのは炊飯器2つと、大量のお米だった。奈々は米を研ぐと言うことを知らなかった。面白そうに見ていた。
そしてみんなでおにぎりを握った。その時ちょうど先日クレームを入れた母親が教室にきたが、娘が笑っている姿を見てそのまま帰って行った。
おそらく、彼女は家で笑わないのだろう。でもこの教室に入ると笑える。ならばもう少しこの教室に行ってもいいと思ったのだろう。
世間体のために、早くこの教室から出してしまうよりも、彼女の意思でこの教室から出られるまで待ってくれるかもしれない。
みんなで握った大きなおにぎりを屋上で食べていた。奈々はすっかりクラスに打ち解けて、陽平の事を「やきとり」と呼び
「やきとり」の焼き鳥は超まずいから食べないほうがいいよ。と楽しそうにみんなで話していた。すると逆に興味を持つ生徒もいた。
そんな中で深野先生はフェンス越しに学校の外を見ていた。陽平はおにぎりを持って先生のところに行き、何も言わず差し出した。
そしてひと口食べると涙をこぼしながら「私には何ができるんでしょう。ただ何の目的もなく、教員免許をとって、安定しているからと言う理由で教師になった」
そんな私に何ができるのかと、彼女は泣きながらおにぎりを食べていた。陽平はただそばに寄り添うだけだった。彼女にとってはそれだけで良かったのかもしれない。
彼女自身も教師として、どうしたらいいかわからない自分の気持ちを、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。
しかし、翌日になり事件は起きた。朝登校すると花壇にめちゃくちゃになり、教科書がばらまかれていた。屋上からは3年生の男子生徒が見ていた。
今学校カーストのトップにいる生徒たちだ。陽平はすぐに1人と一緒に教科書を拾い始めた。そして「苦しい時は学校なんて来なくていい!」
涙ながらに何度もつぶやいた。それに感化されるように涙する生徒もいた。おそらく隠れ不登校の生徒だろう。
奈々も登校し、すぐさま片付けに加わった。しかし校長は、「いじめではない人間関係によるトラブル」と言う。決してこの学校にいじめなどないと言う。
しかし、陽平はいじめだと言いきったが、あろうことか校長は、和斗とカーストの1番上にいる生徒と握手させてしまった。
無理矢理仲直りをさせたように見せたのだ。それは和斗にとって辛いことではないだろうか。陽平はいたたまれなくなり教室を出て行った。
その後の休み時間、ソーシャルワーカーの磯崎は、カーストの中にいる1人岡田に声をかけた。「辛いことがあったらいつでも話を聞くからね」
すると生徒は泣き出した。それを影から見ている男子生徒がいた。おそらく彼がトップに君臨し、その下に子分のように従わせている生徒が何人かいるのだろう。
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