『先行配信』第8話ふくまるのバースデーまさかの再会「おじさまと猫」
偶然ペットショップで出会った神田冬樹と日比野響。日比野には信じられない出来事だった。
1番最初の買い物なので、荷物の多さに家まで「神様の最高傑作」神田冬樹が荷物を一緒に届けてくれた。
しかし、ドアを開けると猫の姿はどこにもなかった。既にふくまるで慣れている神田は這いつくばって猫を探した。
コンテンツ
猫センサー
這いつくばって「神様の最高傑作」が一生懸命猫を探している。こんな光景が家で繰り広げられるとは思ってもみなかった。
そしてさらに、「私の猫センサー」に従って、猫を探し続けている。猫センサーとは⁈
やはり神田の猫センサー通り、猫はおびえて小さな棚の隙間に入っていた。あまりにも怯えて、手を出しても出てこなかった。
そこで神田は猫の名前を聞いたが、日比野は知らなかった。しかし神様の最高傑作をここまでしてくれるならば…
相性の悪い母に電話をして名前を聞いてみた「マリン」呼んでみると、素直に棚から出てきた。
やはり神田には、見れば見るほどふくまるに見えてくる。そこで提案した。
「今度ふくまるの誕生日なんですよ。よかったらマリンちゃん連れてきてください。」
まさか神様の最高傑作から、家にお呼ばれするとは思わなかった。一瞬でも(猫好きならばこの猫を譲ろう)と考えてしまった自分が恥ずかしい。
その頃ふくまるは？
ふくまるはお留守番を頑張っていた。「ふくまるは強い子にゃ！」と、テーブルの下に潜り込んだおもちゃを必死に取ろうとしていた。
もしかしたら反対側にまわれば取れるのかもしれない。それがわからないところがかわいいのだ。
そしていつものように、お留守番中の見回りも忘れなかった。そして玄関のカーペットの上でパパさんを待っていた。
笑顔で入ってきたパパさん。ふくまるは思いっきり甘えた。でもどこか懐かしい匂いがした。とても安心する匂い。
その後パパさんは買ってきたおもちゃでたくさん遊んでくれた。そして一緒のベッドでいつものように寝ることになった。
でもやっぱりパパさんから懐かしい匂いがする。とても安心する匂いなんだ。と思っているとパパさんが言った。
「ふくまる、今度誕生日パーティーにお友達を連れてきてもいいかい？」
ふくまるはパパさんを取られそうで嫌だった。一緒にいたベッドから飛び降りて、自分と格闘しだした。
パパさんのことが好きだけど、誰かが来てパパさんをとってしまうのが嫌だ。でもパパさんがこんなに笑顔で言っているんだから、家族が増えても大丈夫にゃ！
誕生日当日
日比野はまさかの、神様の最高傑作の家行く日になってしまった。だからそわそわと落ち着かない。
でもふと思った。マリンの誕生日はいつ？あんなに嫌だった母親に、素直に電話をかけてみたが、やはり血統書も既に捨ててしまいわからなかった。
とりあえずマリンを連れて神田家を訪れた。ふくまるは既にキャリーから懐かしい匂いがしていることを理解していた。
そしてマリンも懐かしさを感じていた。神田は早く2人を会わせたかった。そこで日比野はキャリーのファスナーを開けた。
すると2人は思ってもみない展開になった。お互いに引き寄せ合うように、近づき挨拶を交わすように顔を近づけると
2匹は既に一緒に暮らしているかのようにお互いにごろごろとして、じゃれあっていた。
2人には聞こえないがこんな会話をしていた。
お姉ちゃん元気だった？ふくまるは今とても幸せにゃ！優しいパパさんだにゃ！ママさんにとってもよく似てきたにゃん。
私も今とっても幸せよ。あんなに体が小さかったのにこんなに大きくなって。幸せでよかった。また会えてよかったわ。
あまりの2匹の仲の良さに、日比野は2匹が兄弟だと確信し、ふくまるの誕生日である今日を、マリンの誕生日にした。
これから神様の最高傑作と、猫を通じて仲良くなれる気がする。今日届かなかったあの神田冬樹と。
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