大人の土ドラ「13サーティーン」それぞれの孤独が犯罪を生む
当時13歳の相川百合亜は、同じ学校に勤めていた用務員に誘拐された。
そして13年後の26歳、百合亜は自分の足で警察に行き、助けを求めることができた。
なぜ13年もの間、助けを求めることができなかったのか?警察の尋問にも応えようとはしなかった。
そこにはそれぞれの孤独が深く関わっていた。
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孤独の中にいた弟
誘拐犯とされる黒川一樹には弟がいた。
しかし、母親が40歳の時に生まれているため、一樹とはかなり歳が離れている。
そしてどんな理由があったのかわからないが、優樹と言う弟は戸籍がなかった。
だからこそ学校へ行くこともできず、近所の子供たちと遊ぶこともなく、毎日家の中で孤独な日々を過ごしていた。
15歳位離れている兄の一樹は、学校の用務員として働きながら弟の世話をし、介護施設に入った痴呆症の母の面倒も見ていた。
一樹もまた頼る人もなく、孤独を味わう毎日だった。
そしてもう1人孤独を味わっていたのは、百合亜の母親だった。
夫が働きづめで家にいない。そして子供の事は全て押し付けられ、すべての責任を問われる。
そんな毎日に孤独を感じ、身近に感じた百合亜の担任と短期間ではあるが不倫をしてしまった。
それに気づいたのが、当時13歳の百合亜だった。
百合亜もまた、父は仕事で家にいない、母は担任と浮気をしている。そんな中で孤独を感じていた1人だった。
根拠のない噂
百合亜は当時学校内ではあらぬ噂が立っていた。
担任と交際している
援助交際をしている
それは何の根拠もないことであり、同級生と比べ少し大人びていた百合亜に対するひがみもあったのだろう。
そして根拠となるには、百合亜の母親が担任と付き合ったため、別れてもらおうと担任に近づく姿があっただろう。
それが周りには「付き合っている」状態に見えたのではないでしょうか。
13年後に自分の力でやっと外の世界に出てきた百合亜。
しかし孤独は深まるばかりだった。
13年と言う月日はあまりにも長かった。初恋のわたるくんはすでに婚約し、もう百合亜のわたる君ではなかった。
そして家族は、父が浮気し家を出ていた。しかし百合亜が帰ったことを機に、家族を演じることにした。
しかし、百合亜は鋭い子なのですぐに相川家が崩壊していると言うことに気づいてしまった。
13年前母の浮気を止めようとした百合亜。しかし帰ってみれば今度は父が浮気している。
百合亜の孤独を埋める場所はどこにもなかった。
百合亜を愛する人
でもたった1人百合亜を心から愛する人間がいた。
それが黒川一樹だった。
母が認知症のため詳しい話はわからないが、優樹が無戸籍児だったことから、
一樹は複雑な家庭事情に育ったのかもしれない。だからこそ愛情表現が人よりかなり歪んでいるのかもしれない。
でももう百合亜はそこにはいない。でも愛している。それを伝えたくて配達員のふりをして封書を相川家に届けた。
パソコンで打ち込まれたものだったが、百合亜しか知らない、一樹からの呼び名で書かれていたその手紙は、警察に保管された。
そしてその手紙のコピーを、百合亜は目にしたが、恐怖で体が震えるほどだった。
一樹の愛は恐怖で縛り付けることで表現されていたのだった。
百合亜への無言のメッセージのように、8歳の少女が誘拐された。
それは弟の優樹を自分が殺さなければいけなかった日と思いが重なる。
ゆりりんが僕のもとに帰らなければ、この少女を殺す
そんなメッセージに百合亜には見えた。
百合亜は普通の暮らしを誰よりも望んでいたが、人を暴力でしか愛せない男性と出会ったことによりその人生は変わってしまった。
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