いよいよやってきたキャンプ当日、突然の雫の体調不良「知ってるワイフ」5話

元春は乗り気がしないものの、沙也佳を連れてキャンプにやってきた。他の二組も同じようにやってきた。

 

そして、バンガローの中を散策する沙也佳。事あるごとに、お風呂が小さいだの、部屋が少ないだの狭いだの

 

文句ばかりを言う。それは妹のなぎさも予想していたことだった。だから嫌味を込めて謝った。しかし沙也佳には通じなかった。

 

 

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お楽しみのバーベキュー

バーベキューが始まると、串に刺した肉野菜が登場した。そのことについて沙也佳は「なぜステーキが出てこないのか」とご機嫌斜めだった。

 

沙也佳にとってお肉は「ステーキ」て出てくるのが当然であり、こんなふうに串刺しにして出てくるのは初めて見たのだろう。

 

元春がフォローするように「これもおいしいんだよ」と沙也佳をなだめたが、事あることに、「お嬢様」をアピールする沙也佳。

 

特に寝室が2つしかないことに、沙也佳は不満を覚えた。「だったらリビングで寝れば部屋は3つになる」と言うが、みんなの賛同は得られなかった。

 

 

食事中、普段ワインしか飲まない沙也佳は、雫に対抗して焼酎を飲みだした。何かと雫に張り合おうとしている。

 

しかしそれはそれで、皆にとって都合の良い結果になった。沙也佳は初めて飲んだ焼酎に酔いつぶれてしまい先に寝てしまった。

 

だからこそ、寝室はどこにすると言う争いもなく、静かな夜を迎えることができた。

 

しかし元春はなかなか眠れず、1人キッチンに行き水を飲んでいた。すると雫が部屋から出てきて、その場で倒れ込んでしまった。

 

 

さっきまで何ともなかったのに、高熱を出し倒れてしまったのだ。しかしここは山の中、簡単に病院連れて行くことができなかった。

 

そこで、妹が持っていた解熱剤を飲ませたが、一向に熱が下がる様子はなかった。元春は思い出した。

 

結婚した当時、同じようなことがあった。しかし雫には特定の薬しか効果がないことがわかり、その薬を服用していた。

 

それを思い出した元春は、雫の常備薬を買いに行くが、どこのドラッグストアにもなく、やっと買って戻ってくるとすでに津山が病院に連れて行った後だった。

 

 

目覚めた雫

病院で目を覚ました雫は、津山が付き添ってくれたことに感謝し、みんなの楽しみを台無しにしたことを謝った。

 

点滴の処置だけで済んだので、点滴が終わると2人はみんなの元へ戻ってきた。元春は2人が戻るまで心配で部屋に戻らなかった。

 

2人が心配と言うよりも、雫が心配だ。自分がもっと早く薬を買って帰ってこれば、病院に行かずに済んだかもしれない。

 

自分ばかりが大変なんだと思い込み、雫の思いをないがしろにし、モンスターを作り出したのは自分自身だった。

 

そして勝手な思いで、妻を入れ替えてしまった。しかし本来の雫を改めて見ると、やはり自分が好きだった雫に間違いはなかった。

 

 

元春が部屋に戻ろうとした頃、ちょうど2人が車で病院から戻ってきた。津山は眠っている雫のシートベルトを外そうとしていた。

 

しかしシートベルトが絡まっているのか、うまく外すことができず、雫に近づき、シートベルトの捻りを直していた。

 

それを目撃した元春は2人がキスをしていると思い込んでしまった。もう雫を取り返すことはできない。

 

でも、やっぱり自分の中では雫は最高の妻だった。あの頃に戻ってまたやり直したい気持ちがどんどん強くなっていくのが分かった。

 

 

一生懸命探した500円玉

本治は元の生活に戻りたかった。笑顔の雫と2人と子供がいる生活に。そこで思い出したのが、小池が10年前の500円硬貨をくれたこと。

 

だとすると、戻りたい年に製造された500円玉を、あのゲートに投入すれば再び過去に戻れるのではないかと思った。

 

そこで自分が持っている500円玉を見るが、10年前のものではなかった。銀行へ行き500円玉を全て出し、一つ一つ製造年を確認していった。

 

1枚だけ見つけた500円硬貨。それを持って元春はあのゲートが現れた場所へ行った。

 

T字を左折したところにあるあのゲート。突き当たりの看板もあのときのまま、同じ看板がかかっている間違いない。

 

元春は期待を込めて左に曲がったが、そこは1直線の道であり、どこにもゲートなどなかった。バックしてもう一度曲がり直しても同じだった。

 

もう自分は雫を取り戻すことができない。そんな気持ちで公園に行くと、小池がいた。そしてもう一度過去に戻りたいと言うことを伝えた。

 

覆水盆に帰らず」自分で変えた運命を受け入れ、それに従うしかない。もう過去は変えられない。

 

それが小池の返事だった。と言う事は二度と雫は自分のもとに戻ってくる事はない。でも、自分が雫を変えてしまった

 

それに気づき、またやり直せればもう二度と雫をモンスターにはしない。しかし戻る方法はもうないと小池に突き放されてしまった。

 

元春の目から自然に涙が溢れ出てきた。自分がやってきた罪の重さ、雫にしてしまったひどい仕打ち。全てが自分の勝手な思い込みによるものだった。

 

 

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