「どうせもう逃げられない」2話、色目が暗いのは照明のせい?のらくらの徹夜
野田蔵はすでに「ソロ・デザインオフィス」のムードメーカーとなっていた。
オフィスに紛れ込んできた虫を離してあげたり、のらくらの声が聞こえてくるだけで、朝から拓己は気分が良かった。
しかし朝1番から、そんな気分を害するような出来事が起きた。
コンテンツ
高田産業、津島からの電話
なほは朝1番に電話が鳴ったので、経理の仕事をしている以上は、電話を真っ先に取るのが仕事だった。
しかし電話の相手は自分が就職するはずだった「高田産業」だった。しかも窓口はあの面接日の変更を伝えてきた津島だった。
彼は悪びれることもなく「なんでなほちゃんはいないなの?一緒に働けると思って楽しみにしていたのに」と話しかけてきた。
元はと言えば自分が、なほに嘘の面接日を教えたことの原因だ。その様子から拓己は電話をオンラインに切り替えた。
そして電話の内容全て聞いていると、「なほちゃんがそこにいる間は、仕事バンバン回すから。」と、また調子が良いことを言っている。
すると「担当者に代わってくれる?」と軽く言ってきたので、すでにオンラインになっている電話に拓己が出た。
「お電話代わりました。社長の向坂です。お前みたいなやつは帰ってクソして寝ろ!」と言って電話を切ってしまった。
そして野田蔵に、「あいつはここの担当者の間は、一切仕事を受けることなく、すぐに電話を切ってしまえ!」と言い渡した。
それでもなほは自分がミスをしたことで、会社に迷惑をかけてはいけないと思い、拓己に謝罪をしたが、なほが謝ることではないと部屋に行ってしまった。
そして改めて見てみると、また女性に殴られたようで、以前に渡したハンカチでまた頬を冷やしながら出勤していた。
そしてなほは「そろそろハンカチ返してくれませんか?」と言うと「いやだこれ使い心地いいから」と言って返しを様子はなかった。
しかもよく見てみると、指先も怪我をしている。元カノ同士がどうやらバッティングしたらしい。社員たちは誰って言うのでまたかと言う感じだった。
原作
一井かずみ
主題歌
「オープニング」
GARNiDELiA
「エンディング」
ももすももす
「サーモクライン」
※2021年10月20日配信スタート
寝ている拓己
なお明日書類を届ける予定があったので、社長室に入り今日の予定を伝えた。そして明日の出来事についてお礼を言った。
しかし反応が鈍かったので、もしかしてと覗き込むと拓己はソファーの上で寝ていた。なほは自分が持っていたショールを拓己にかけて出た。
でも拓己は起きていた。わざと寝たふりをしてなほの話をしっかりと聞いていた。そしてかけてくれたショールを大切に握り締めた。
まるでいとおしい匂いをかぐように、大切にショールを握っている。いつも強がっている拓己ではないみたい。
そして予定通り帰社すると、すでに社員は全員帰っており、社長からのメッセージで「私用のため先帰れ」と書かれていた。
そしてなほのデスクの上には、貸してあげたショールが畳んで置いてあった。「1年1組のらくらあほ」とメモが置いてあった。
なほも社長のいたずらに慣れてきた。朝もいたずらされてびっくりしたばかりだった。しかしそれは楽しんでいるのではなく「生きがい」と言われたことを不思議に思った。
そしてショールを手にとると、何かが落ちた。クッキーが入った小さな袋と、なほの髪が長いため髪を結ぶためのシュシュ。
早速シュシュを髪につけようとしたが、以前スリッパでいたずらされているので、どこかで見て笑っていないか、拓己がいるかどうかを確認した。
しかし結局、腕にシュシュをつけて会社を出ることにした。するとまた拓己が女性と喧嘩している。女性からなほが見えないように
なほに向かって口パクで「逃げろ」と言うが、シュシュを見ると逃げるわけにはいかなかった。
気がつくと女性の前に行き「大切なんでしょう!大切な何で殴るの?」と叫んでいた。女性に腕を掴まれたとき、シュシュが落ちてしまい
踏みにじられたことも悔しかった。でもそれ以上に、大切な恋人を殴ると言う事は、直にとっては許せなかった。
すると拓己は「俺が知ってるだけでも、あと3人はいるよなぁ」と女性に向かって言うと、女性は何も言わず言ってしまった。
するとなほは「忘れ物をしました」と言ってオフィスに戻っていってしまった。踏みにじられたシュシュを一生懸命洗っていて気づいた
このオフィスはデザイン会社だけど、照明が暗い。実際に電球が切れている。そのことに気づいたなほは徹夜で電球を変えたり壁を磨いたり、
部屋が明るく見えるように、寝ないで掃除を頑張っていた。その間に雨が降ってきた。拓己は過去の思いに縛られているようだった。
しかしいつもより早く出勤してきた拓己はびっくりした。なほが床で寝ていたのだ。そしてオフィスがいつもより明るいことに気づいた。
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のらくらがのらくらしてたから、のらくってた
すぐに拓己は、なほが徹夜でオフィスをきれいにしてくれたことに気づいた。そして昨日、余とデザインの色が暗いことについて話していたが、
なほがオフィス全体を明るくしてくれたので、本来の色を見ることができた。そのため余のデザインした風景を手直ししてみた。
すると思ったよりも良いアイデアが浮かんだのか、それが終わると気づくと拓己も眠ってしまっていた。
先に起きたのはなほ。拓己が寝ていることにびっくりしていると、拓己も自分が寝てしまったことにびっくりしていた。
そしてなほは昨日言い忘れた、シュシュとと電話の件についてお礼を言った。すると拓己はあの時言った言葉をなほに行った。
「世の中簡単に信じるな。あいつ夜みたいにすぐ喰っちまうも男だっているんだ」そして無理やりキスをしてきた。
呆然としているなほに向かって「嫌ならすぐに逃げろ」と言うなほは心を決めて「私は逃げません!」と宣言した。
すると拓己は「お前はいつでも俺から逃げていい。だけど俺は絶対にお前を裏切らない」と誓った。
この誓いは、拓己が過去に抱えた心の傷に関係があるのだろうか。あの雨の日の光景を思い出した時、車の後部座席に女性が眠っていた。
あの女性は拓己が心から愛した女性なのだろうか。そして同じ過ちを繰り返さないために、なほに誓ったのだろうか。
すると社員が出勤してきた。2人の慌てた様子に、余がたずねると「のらくらがのらくらしてたから、のらくってた」と、新しい早口言葉のように拓己は言った。
すぐに2人は、なほが何をしていたのかわかった。徹夜でオフィスの中磨いていてくれたこと。そのおかげで昨日悩んでいたデザインの色が決まったこと。
野田蔵はのらくらしてた訳じゃなくて、拓己がのらくらしてたかもしれない。
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