「パンドラの果実」3話、生き返った遺体はどこへ行ったのか！？小比類巻が知りたいこと
笠森研究所の近隣に住む、動画を配信している若者2人が、そこで働く後輩のIDを使い、夜中の遺体安置所に侵入した。
しかし、暗いので花瓶を倒してしまった。そして仕切り直して、遺体を撮影しようとしたが、もうそこにはいなかった。
カメラの背後に立っている、さっきまで死んでいた男性。そして彼はどこかへ消えてしまった。
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検体前の遺体が生き返った
捜査には小比類巻たちが呼ばれた。表向き「徘徊老人の捜索」ということで、男性を探していた。
男性は土屋と言い、前日にガンでこの世を去ったばかりで、本人が検体を希望していたので、防腐処理のため安置所にいた。
しかし、男性たちが忍び込んだ時、彼らのカメラにも土屋が歩く姿が映っていたが、研究所のカメラにも、
彼らが花瓶に気を取られているうちに、起き上がり歩き出す様子が映し出されていた。
研究所を散策していた最上は、安田の研究室を見つけた。そこでは安田が後輩の男性に植物の蘇生について指導していた。
彼女は最上に会うと感動を隠し切れない様子だった。やはり最上は科学界では名の知れた人物だった。
土屋は家族と離婚し、疎遠になり病院の見舞いにも誰もこなかった。そのため、土屋の私物は病院に保管されていた。
そこから、土屋の足取りをたどれるのか・・・。同時にどうして土屋が蘇生したのか！？
そして厚労省の三枝は、その研究所付近に床屋があり、30年ほど前に店主が亡くなってから、よくはさみを持った霊が目撃されている。
という情報をもたらしてくれたが、今回の一件とはかんけいなさそうだった。
蘇生した土屋の目撃情報
土屋の捜索の指揮は長谷部に任された。しかし、一向に行方がつかめないが、目撃情報があがってきている。
確かに、土屋はどこかにむかっている。そこで小比類巻は私物の中から、おそらく土屋の子供が書いた絵を思い出した。
そして、その場所はどこなのか、現地の刑事に確認し向かうことにしたが、徒歩でもかなりの距離がある場所だった。
本当に、一度死んだ人間が歩ける場所なのか！？しかし、大切にしていた「絵」に小比類巻は確信があったのかもしれない。
それは湖畔を望む公園で、スワンボートに乗ることもできる場所。そして、たどり着くと土屋がブランコに座り、息絶えていた。
やはり、土屋の心の中には別れた家族への「心残り」があり、死んでもなお思い出の地を目指していたのだ。
小比類巻が知りたい死者が蘇った理由
小比類巻は今回の捜査に期待を持っていたのかもしれない。死者が蘇生した。それが事実ならば妻も蘇生できるかもしれない。
マイナス100度以上で冷凍された妻に、毎日話しかける小比類巻。せめて一度でいいから星来を抱かせてあげたい。
最上は仮説を立てた。安田があの動画が撮影された日に、実験中にミスをしなかったかどうか！？
そして、それが通期ダクトを通じて、遺体安置所に何かが入り込んだ。そしてその裏付けのため、
土屋と遭遇した車から、土屋の手形を採取していた。そして、安田の衣服に付着している成分と比較すると見事に一致した。
それは、あの日実験中にビーカーを誤って割ってしまった安田。すぐに物質が流れ出ないように、外に排気するために
実験していたボックスを閉じて、ダクトを起動させた。しかしその日に限りダクトは工事中で外に排気できなかった。
そして、外に出るはずの物質は行き場を失い、後ろへと逆流し、遺体安置所に排気された。
それは「植物の蘇生の実験」それを証明するように、花瓶の花が最初はしおれていたが、物音がすると花を咲かせ生き生きとしていた。
土屋はガンで亡くなったが、脳は健康な状態だった。だからこそ、この「植物蘇生」の物質が彼に影響を及ぼし、一時的に蘇ったと考えられた。
安田はこの結果を受け、科学の領域を出ることを恐れて、研究所をやめてしまった。
事件がひと段落すると、小比類巻はいつものように、モニターの妻に話しかけていた。
最上は話し声につられ、小比類巻の姿を見てしまった。そして、モニターに映った妻の姿。
小比類巻からそれとなく妻のことは聴いていたので、驚きはしなかったが、妻の蘇生を望んでいることを再確認したのかもしれない。
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