新ドラマオトナの土ドラ「恐怖新聞」壊れ始める母歌子
契約すると1日1枚の【明日の新聞】が真夜中12時に届けられる。
ドアを締めても、契約書の足元やベッドいつの間にか届く新聞。
都市伝説として、噂はあったが、その存在は契約した者にしかわからない。
明日起きる、事故や事件の詳細は…。
コンテンツ
父の死
2通目の「恐怖新聞」で父親蔵之介が、神社で事故死することを知った詩弦。
なんとか止めようと、一人暮らしを始めたばかりのアパートから、一時実家に戻った。
一人暮らしに猛反対だった父親とも、和解ができた詩弦。
事故も未然に防げた!安心して父親を神社の前に残し、帰ろうとしたその時!
父親は【違う方法】で事故に遭い、還らぬ人となるが、救急搬送につきそう詩弦に父親が遺したのは
「すべてお前が生まれたせいだ!」
幼い頃から漠然と、自分は生まれてきてよかったのか?父親に愛されていないのではないか?
と、感じていた【疑問】は、疑問ではなく【真実】だった。
自分が生まれたことで、父親は無残な最期を遂げてしまった。
同時に、新聞に書かれていた「車との接触」を避けられたから。と、なぜ自分は父親の元を一瞬でも離れてしまったのか?
もし、あの時一服する父親を待ち、一緒に帰宅していたら、父親は死ぬことはなかったのではないか?
様々な思いが詩弦の中で駆け巡っていた。
親戚からの連絡
父の葬儀も終えて、再びアパートに戻った詩弦の元に1本の電話が入る。
「母親の様子がおかしい」
急いで実家へ行くと、父親の遺影を前に座る母親。
その傍らには広げられたアルバム。詩弦は写真1枚、1枚を見て
「ねぇ、この時覚えてる?」
家族で幼い頃、一緒に公園へ行き、その時綺麗な花が咲いていた。と思い出を語る詩弦に
「知らない、全部忘れた」
と、力なく答える母親、詩弦を見ようともしない。そして聞こえる【音】
母親の近くへ行き、何をしているのか確認した詩弦は、驚きを隠せなかった!
父親の骨壺を開けて、抱きしめたまま、その中の骨を【ボリボリ】と食べていたのだ。
急いで止めた詩弦だが、骨壺から骨が全てこぼれてしまった。
「痛かったよね。あんなもんが体に刺さって死ぬなんて、痛かったよね…」
と、必死に骨を集める母親に、詩弦は言葉をかけられなかった。
母は気づいていた
母親は詩弦が言わなくても気づいていた。
父親の遺言を、詩弦が聞いていたことを。看護師に聞いたのだ。
しかし、なぜ遺言を妻である自分に伝えないのか?
詩弦は「何か言おうとしたけど、言葉にならなかたったよ。」
とっさに嘘をいうが「嘘!何かいったんでしょ?あなたは私が悲しんでいるのに、涙ひとつ見せなかった!」
と、すがる母親に「お前が生まれたせいだ。と言われた」と、真実を告げるが
さらに母親はパニックに陥り「そんなの嘘!!嘘よ!!」
母親は、詩弦が無事に生まれてくるよう、安産祈願していた夫がそんな言葉を残すわけがない。
と、激怒したのだ。「安産祈願」だと思ったのは、目撃した常連客であり、真相は、夫が妻の「流産」を1日も欠かさず願っていたのだ。
そして、詩弦に畳み掛けるように
「あなた、知ってたんでしょ?お父さんが死ぬこと!」
何も言えない詩弦にさらに母親は
「あなたは、お父さんが亡くなった時も、葬式の時も涙ひとつ見せなかった!」
と、激しく詩弦を責め立てたが、詩弦はうなずくことしかできなかった。
果たして、母親に父親の死を知った経緯を話し、信じてもらえるだろうか…?
一人暮らしに反対していた父親との仲を、取り持ってくれた母親は嘘のような話しを信じてくれるのか?
詩弦が帰ったあとも、歌子は遺影の前に座り続け、気持ちを落ち着かせるように、ボールペンをカチカチと音を立てていた。
詩弦は次に起きる事件を、止め未来を変えようとしていた…。
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