テレビ朝日スペシャルドラマ松坂桃李主演「微笑む人」貫井徳郎原作ミステリー

本を置く場所が欲しかった。

愛する妻と子供を、川で溺死させた男性の殺害理由だった。

雑誌記者で、容疑者の仁藤俊美とは、子供が同級生で交流があった鴨井晶は

その「口実」が嘘だと思った。何かをかばっているのだと思った。

晶は仕事復帰にあたり、夫は専業主夫となった。そして、編集長にお願いして

仁藤の記事を書かせてほしいと懇願した。

しかし、初公判の時に、傍聴席で鴨井は「それは嘘です!!」と声を荒げてしまい退廷を言い渡された。

 

コンテンツ

「微笑む人」

原作

貫井敏郎

微笑む人【電子書籍】[ 貫井徳郎 ]

(電子書籍 546円)

代表作

慟哭(1993年)

愚行録(2006年)

夜想(2007年)

乱反射(2009年)

女が死んでいる(2015年)

受賞作

第63回日本推理作家協会賞(乱反射)

第23回山本周五郎賞(後悔と真実の色)

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あらすじ

河川敷で母子が溺れた。救急隊員が駆け付けた時、夫は必死に人工呼吸を行っていた。

しかし、母子は亡くなり「事故死」かと思われたが、妻の爪の中から夫の皮膚片のDNAが検出された。

これにより、夫は妻子の殺害を認め、殺害理由を

「本を置く場所が欲しかった」

 

妻や子供の私物がなくなれば、本を積み上げることなくきちんと整理できる。

それでこそ、やっと本は落ち着く場所を得られる。

 

しかし、子供同士が幼稚園の同級生だった、雑誌記者の鴨井晶はそれが真実だとは思わなかった。

本を置きたいだけで、人を殺せるのか・・・!?

幼稚園のイベント準備を二人でしたことがあり、終わった後仁藤を食事に誘ったが

いくら子供の同級生の親でも、他の女性と食事に行くのは妻が嫌がる。

と、断った男が、いとも簡単にそんな理由で殺すはずがない。

 

鴨井は雑誌記者に復帰するにあたり、仁藤の記事を書かせてください。と編集長に直訴した。

そして、何度も仁藤の面会へ行き、かつての職場へも出向き、様々な取材を続けていった。

そのうちに、『抄子』というキーワードが浮かびあがってきた。

 

亡くなった妻の名前は「抄子」かつての、仁藤の同僚だが結婚前に不審な出来事があった。

「抄子」を口説き落そうとしていた同僚が、投身自殺し、白骨化遺体で見つかった。

鴨井は女性をめぐるトラブルで、仁藤が殺害!?と思ったが、このままお土産なしで帰してしまうのももったいない。

 

「あの席、最高に居心地がいいんですよ。空調の風も当たらないし、直射日光も当たらない。おまけに見晴らしがいい」

 

投身自殺した梶原の役職の席が、仁藤は欲しかった。だから「消した」という見方の方が正確かもしれない。

そして、さらに過去にさかのぼり、大学の同級生に取材をすると、自分よりも「抄子」という付き合っていた女性に聞いた方がいい。

と、紹介された。今は地位のある役職に就く夫がいるため、仁藤の事を聞かれるのを嫌がったが

同級生の1人がトラックの後輪に巻き込まれ、亡くなる事故が起きたしばらく後、仁藤が入手困難な携帯ゲームに夢中になっていた。

『友達の両親から形見分けでもらった』

 

大学生の「抄子」が遅くなりましたが、初七日のお焼香に自宅を訪れた時、それとなくゲームの事を聞いたが

両親ともに「形見分け」の覚えはないと言った。「抄子」はそれ気味悪くなりその後別れを選んだ。

 

そして、時はさかのぼり、編集長行きつけのバーに仁藤の小学校の同級生がいた。

お店が終わった後なら、話しをしてくれるという。

彼女の本名は「抄子」、仁藤とは仲よくいつも一緒にいたが、ある日抄子が打ち明けた。

義父から性的虐待を受けている

許せない。普段から飲んだくれている義父は一日中お酒を飲んでいる。

そのため、それを利用して、お酒を買いに行った瞬間を見計らって階段から突き落とそう!!

 

と、子供ながらに義父を事故死に見せかけ消す方法を考え出した。

しかし、いざとなったら仁藤は怖くて実行できず、代わりに抄子が義父を突き落とした。

2人の計画は思い通りいった。

仁藤はこの時敗北感と共に、手に入れたければジャマなものを消せばいいという、間違った学習をした。

 

鴨井は記事として、仁藤にそれを見せた。仁藤は微笑んだ。間違った箇所があると。

初恋の証拠は存在するが、彼女の両親は早くに亡くなり、祖父母に育てられかなり裕福な暮らしをしていた。

しかし、「性的虐待」ならば思い当たる人物がいる。けど、それは男の子でした。

急いで、小学校の同級生がいたお店に問い合わせると、すでにお店は辞めていた。

今の時代おかしくないことでしょう。

と、仁藤は微笑んだ。男性が女性となり働いていても。という意味だろうか・・・。

鴨井はすべてが崩れ去った音を聞いた気がした。

それに追い打ちをかけるように、興信所に頼んでいた夫の調査依頼が渡された。

まぎれもなく、隣の主婦との浮気現場。

突き付けられた夫は微笑んだ「これはちがうよ。あの人精神的に病んでて・・・」

 

仁藤の微笑みと、夫の微笑みが重なった時、妻は犯罪者となった。

 

 

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