テレビ東京ドラマホリック「僕はどこから」タイトルの意味を考える
1月から放送されていた、テレビ東京のドラマホリック枠で「僕はどこから」
市川マサさんが原作のコミックを、中島裕翔さんと、間宮祥太郎さんが実写化したドラマです。
他人の文章を書き写すことで、その人の伝えたいことがわかる特殊能力をもつ薫と
不遇な少年時代を過ごし、ヤクザとなり最年少でトップに上り詰めたエリートヤクザ智美は
高校時代に出会います。そこで、智美のたった一人の妹千佳が自殺をほのめかす手紙を残し失踪。
盗み聞きしてしまった薫は、いてもたってもいられず千佳の手紙を奪い、千佳の思いと居場所を特定し
千佳が飛び降りる寸前、智美が千佳を救うことに成功しました。
そこから、薫と智美の友情は「一生」のものとなります。
コンテンツ
1話冒頭のシーン
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すでに最終回を終え、2020年7月29日水曜日にBlu-ray・DVDBOXの発売が決定しています。
しかし、私には引っ掛かるシーンがあります。
1話冒頭、薫が「売り家」の前に花を手向け、手を合わせ「僕は半年前大切な人を亡くしました」
と、ナレーションがはいると、薫の頭に銃口が突き付けられます。
それは最終回で銃口を向けたのは、元この家の住人の玲であったこと。
そして、智美から頼まれたものを渡すには、こうするしか方法がないことが分かりましたが
薫が言った「半年前に大切な人を亡くした」
このセリフがずっと引っ掛かっています。実際になくなったのは銃口を突き付けた玲の母親で
玲が母を殺害したのです。薫の母陽子は、薫が危険な任務に赴く際
行動範囲を制限するため、ひもでつながれたまま部屋にいましたが、智美がこれ以上妹を危険な目に合わせられない。
という判断からか、薫の家に千佳を住まわせ、母陽子は認知症を患いながらも元気に暮らしています。
では、なぜ薫は玲の母涼子を「大切な人」と表現したのでしょうか!?
玲の思考に入る薫
「僕はどこから」
玲くんとお母さんです♡
お母さん とっても優しかった✩.*˚本番終わったら、ギュッてしてくれました🙂
お弁当も一緒に食べて、お話もできて楽しかったです。ちょっと緊張してたけどw感謝でいっぱいです☺️ありがとうございました!#須藤理彩 さん #笠松将 さん#僕はどこから pic.twitter.com/c0xgwwN30x
— 伊藤清孝 (@kiyopi_kiyotaka) March 19, 2020
玲と薫が出会うことになったのは、井上家のしきたりが関係していました。
男性は「旺帝大学」へ絶対入学する。
そのためには受験をしなくてはいけなかったのですが、玲とずっと接してきた涼子は
常にそのプレッシャーの中にいました。それゆえ玲に辛くあたり、玲の本心を知ろうとしませんでした。
涼子のスマホの調子が悪い時、涼子の見ていない隙にスマホを分解して「回路図」を書いた玲。
涼子は「スマホを壊した」と玲を叱りますが、玲は母を助けたかった。
スマホが壊れた原因が分かれば直せる。だから「回路図」を書いてどこが不具合を起こしているのか知ろうとした。
そして、小学校の卒業文集にその回路図を載せた玲。
涼子はそれを「自分への嫌がらせ」だと感じ、玲は【まともな文章が書けない】と決めつけてしまったのです。
そのため、大学入試にある「小論文」は玲には不可能だと、涼子に判断されてしまったのです。
そして、思いついたのが【替え玉受験】地域の権力者だった玲の父は、智美の所属する「講談会系東宮寺組」とつながりがありました。
講談会は【カジノ計画】を推し進め新たな資金源を作りたい。と考えていました。
それには、権力者の後ろ盾と推薦が必要となります。そのため、玲を無事に「旺帝大学」へ入学させたら
その後ろ盾に、玲の父親がなり推薦状を書いてくれる約束でした。
そこで白羽の矢が立ったのが、若くして上り詰めてきた血の気の多い智美でした。
智美には勝算がありました。それは友人の薫の能力でした。
薫がいれば「玲になりきることができる」と安易に考え、薫の生活状況を考えても悪い話しではないと思ったのです。
そこで、初めて玲と薫が会うことになるのですが、一言も発しない玲。
それどころか、グラスにビー玉を入れ「表面張力」に夢中になる玲。
もちろん、玲の書いた「文章」は存在していませんでした。少なくとも涼子が知っている限りでは。
そこで、薫は「回路図」を書き写したのです。そこで、玲が母のスマホを直そうと分解し
どの部分が悪いのかを突き止めていたことを証明してくれました。
小学生時代、母親への嫌がらせと言われたことが、10年近く経ちやっと違う事実だったと薫が証明してくれたのです。
そこで、玲は薫を信頼して、帰る薫に2階の窓から論文の束を投げました。
玲の潜在意識
「僕はどこから」
最終話 終わってしまいました。
さみしいです…笠松将さん
素敵な俳優さんでした!
僕も、笠松さんのように いろんな役を演じられるようになりたいです。共演できて 嬉しかったです!
ありがとうございました✩.*˚#笠松将 さん #僕はどこから #3話 #最終話 #探してね pic.twitter.com/4PbpZN2ExD— 伊藤清孝 (@kiyopi_kiyotaka) March 19, 2020
玲の「思考」に入ろうとする薫。不思議なことに【潜在意識】にまで入り込むことができたのです。
そこでの玲はおしゃべりでした。
小論文は自分で受験する自信があった
母を殺したのは薫が現れたから
母は常に自分を否定し続けてきた
母をとても愛していた
母に肯定してほしかった
それと同時に薫がかかる疑問「僕はどこからきたのでしょう」という同じ気持ちを玲も持っていたのです。
潜在意識で話す2人は、「僕は僕自身からやってきたのです」と結論を出しました。
つまり、薫の中で、玲の中でお互いは同じ思いを抱き生きてきた人生だったのです。
そして、ずっとあった疑問に答えを出した2人は、ほとんど「同一人物」というまでに思考は同じでした。
薫も母に肯定されたい思いを抱きながらも、認知症を患った母にはできないことでした。
だからこそ、半年後、すべての件に決着がついたとき
薫は自然に少しの時間あっただけの玲の母涼子を、長年一緒にいた母のように
「大切な人」
と表現したのでしょう。そして、玲に届けられた報酬。
玲は自分を肯定してくれる薫に出会ったことですくわれたのです。
やっと、自分をしっかり見つめて理解してくれる人。それが薫でした。
薫もきっと同じ気持ちなのでしょう。
「僕はどこから」
僕は僕の中からやってきた。
僕は君の中からやってきた。
ともいえる作品だったのではないでしょうか!?
Blu-ray&DVD発売決定
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