浅野忠信主演映画「幼な子われらに生まれ」ステップファミリーの大きな葛藤
2017年に公開された浅野忠信さん主演映画「幼な子われらに生まれ」
今は様々な理由で、離婚し母子家庭や父子家庭となる家庭が増えている。そんな現状を描いた作品です。
それぞれ再婚同士が、結婚し新たな命を授かり、どのように家族を変化していくのだろうか。
コンテンツ
「幼な子われらに生まれ」概要
原作
重松清
「幼な子われらに生まれ」
幼な子われらに生まれ (幻冬舎文庫) [ 重松清 ]
脚本
荒井晴彦
- 赫い髪の女(1979年)
- ダブルベッド(1983年)
- Wの悲劇(1984年)
- 眠らない街 新宿鮫(1993年)
- 海を感じる時(2014年)
監督
三島有紀子
- しあわせのパン(2012年)
- 少女(2016年)
- ビブリア古書堂の事件手帖(2018年)
- Red(2020年)
キャスト
浅野忠信・・・田中(再婚後も実子沙織と定期的に面会)
田中麗奈・・・奈苗(沢田のDVで離婚、田中と再婚)
南沙良・・・・薫(奈苗の連れ子)
鎌田らい樹・・沙織(田中と友佳の子)
新井美羽・・・恵理子(奈苗の連れ子)
水澤紳吾
池田成志
宮藤官九郎・・・沢田(奈苗の元夫)
寺島しのぶ・・・友佳(沙織の母、田中の元嫁)
ストーリー
田中は2人子供を持つ奈苗と再婚した。しかしその後も、自分の子供である沙織と定期的に会っていた。
しかしある日、奈苗の妊娠が発覚した。田中と奈苗の子供になるが、
沙織にとっては、異母兄弟。そして薫たちにとっては異父兄弟が生まれることになる。
定期的に会っている沙織は、年頃は薫と同じ頃だろうが、既に6年前に母が再婚し、今は違う父親と暮らしている。
そして、2年半で離婚した2人だが、沙織は田中のことをパパと呼ぶ。いつも会う時は嬉しそうな沙織。
それとは対照的に、とても複雑な年頃になっていく薫。ちょうど思春期を迎えたところに、母が妊娠したとわかりショックを受けてしまった。
それで、「本当のお父さんは1人で良い。あんたは他人」と田中に冷たく当たった。
そして「本当のお父さんと暮らしたい」と最終的には、手のつけられない状態になり、
部屋に出入りできないように、中から鍵をつけてほしいと誕生日に、南京錠をおねだりした。
ちょうど田中は、職場の人件費削減のため、出向を命じられ倉庫で働くことになった。
しかしそこで、成績を上げないと給料は下がる一方だ。でも家族には心配をかけたくないし、言い出すこともできない。
ましてや薫の問題で大変な時になかなか言い出せなかった。そんな思いが募る中、奈苗と喧嘩になり、突き飛ばしてしまった。
薫に言われた「あんただってお父さんと同じことしてるじゃないか」何も返すことがなかった。
薫が本当の父親に会いたいならと、沢田を探すことにした。沢田は離婚以来独身で、気楽な生活をしていた。
特にギャンブルが好きで、有り金を全てギャンブルにつぎ込んでいた。しかし田中の話を聞き、「絶対に会いたくない」とかたくなに拒否をした。
離婚のそもそもの原因が、DVにより薫の歯を打ってしまったことが決定的となった。
それでも田中は、沢田に薫に会ってほしいと何度も頼み行った。結局50万支払えば会うと約束してくれた。
生活が苦しい中、大金ではあるが薫のためにお金を渡した。
約束の日薫を送り出し、3人でどうしようかと言う時に、田中は2人の待ち合わせ場所にどうしても行かなければいけない気がする。と
待ち合わせに指定した、デパートの屋上へ行ってみた。やはり沢田は1人だった。薫は嘘をついていた。
沢田からの贈り物を受け取り、自宅へ戻ると薫が既に帰ってきていた。2人きりになりプレゼントを渡しす田中。
自分が、本当の子供ではないこと、それに加えて今自分の母親のお腹の中に、今夫婦である2人の子供がいること。
薫の気持ちはとても繊細で、今にも壊れそうなところを、父に会いたいと言うわがままで紛らわしていた。
しかし、田中が薫を思う気持ちを初めて知ることができ、薫はタナカに抱きしめられて泣いた。
同じ頃、沙織も悩みを抱えていた。6年間父親としてそばにいてくれた人が、末期のガンだということがわかり
余命は夏までもたないと言うことだった。でもお父さんの死に泣くことができない。悲しくないのが不思議だった。
でも危篤だと聞き、パパのもとにやってきてしまった。本当の最期になり怖くなりパパと一緒に病院に行きたかったのだ。
そして、沙織は病室で思いっきり泣いた。タナカはそんな娘に育ててくれた、友佳の今の夫に感謝をした。
そして、クリスマスが近づいた頃奈苗は出産を迎えていた。タナカは仕事で少し遅れたが
奈苗に付き添っていた、理恵子がずっとタナカのことを待っていた。理恵子にとってはタナカが本当のお父さんだ。
再婚したときの記憶がないからだ。薫がどんなに本当のパパは違うといっても、絶対に信じなかった。
そして、幼さゆえに純粋に弟の誕生を待っていた。後は薫が来るのか・・・。
分娩室では泣き声が聞こえ始めた。ちょうどその頃薫が病院に到着した。
彼女なりに新しい家族を受け入れる心の準備ができたのだろう。
母の妊娠が、薫の思春期反抗期と重なり大変な時期を過ごしたが、やっとステップファミリーとしての一歩踏み出すことができた。
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