【映画】新川優愛×松井玲奈主演「めがみさま」自分の殻を破る。その先にあること。
誰でも、人と関わる上では我慢をすることが、美徳とされている。しかしその魂の限界を超えると、人は壊れてしまう。
そんなギリギリのところで、市販で手に入れた精神安定剤「エチゾラム」を常備しながら、仕事に行く女性がいた。
女性の名前は理華。田舎で暮らしているせいか、母は近所の目ばかりを気にして、理華に無理ばかり言う。
そんな母のもとで我慢をしながら生活し、病院で働く理華。
「めかみさま」概要
脚本
大月もも
主題歌
SHE’S
「Ghost」
キャスト
松井玲奈
新川優愛
廣瀬智紀
梅舟惟永
西沢仁太
西丸優子
片山萌美
鈴木ちなみ
筒井真理子
尾美としのり
公開年月日
2017年6月10日
ストーリー
理華は田舎町の病院に勤めていた。母の過剰な干渉と、同僚のいじめに悩み、自殺しようと決めた。
しかしそこで、ネット検索をすると「ラブ」と言うセラピストに出会うことができた。まるで自分の生きてきた人生を克服したかのような人物だった。
しかし実際に会ってみると、先日理華が買おうかどうしようか迷っていたワンピースを、買うように背中を押した人物だった。
そして同じワンピースを着て現れたのですぐにわかった。2人は意気投合しシェアハウスで一緒に暮らすことにした。
ラブはセラピストとして、セミナーを開くので、理華に手伝いを頼みたかった。引越した初日、喉が渇いたと言うラブに買い物をしてくることを約束した理華。
その帰りに1人の男性が、川に身を投げようとしていた。理華は急いで止めに入り、1枚のメモを渡した。
ラブのセミナーのメモだった。帰宅した理華は晴れやかな気持ちだった。そして次のセミナーにその男性は現れた。
セミナーでは、最初はラブをいぶかしむものが多くいたが、ラブの言葉に共感し拍手がわき起こり、会場は一体となった。
その瞬間理華が自殺を思いとどまらせた、川崎拓海もラブの虜になり、無償で手伝いがしたいと言う。
そこで、運転手として手伝ってもらうことになった。しかしラブと拓海が恋人同士なのに時間はかからなかった。
理華は信じていたらラブに裏切られた。このことがきっかけで、一旦自宅に帰るが、「探すなと出ていた奴が帰ってくるな!」と、言われ今までの思いが溢れ出てきて
理華は気づくと、母親の首を思いっきり締め上げていた。翌日理華はシェアハウスに戻った。
その一方で、ラブのセミナーを「カルト集団」として取材をしている女性がいた。しかしラブはその女性を排除しようとし、電気ショックで気絶させ
山か海に捨てようと言う。それを理華に手伝うように指示をした。邪魔なものは排除する。それがラブのやり方だった。
しかし途中で女性が目を覚まし、自分の身の危険を感じ、停車して車から飛び出した。しかしそこにトラックが迫ってくる。
女性は逃げることなく、笑顔でしを迎えた。その遺体を確認したのは、女性の上司である雑誌編集者の男性だった。
「事故死」もしくは「自殺」ときかされたが男性はどちらも納得がいかなかった。しかし女性は精神安定剤「エチゾラム」を大量に摂取しており
トラックのカメラにも、女性が自らトラックの前に出てくる場面が映っていた。そして極めつけは、女性の腕に無数のリストカットの痕があった。
上司はいつも、女性が書く記事をすぐに却下し、女性が書きたいと言う記事は書かせてもらえなかった。
そんな葛藤の中で、女性は精神的に追い詰められ、カルト教団の真実を暴くことで、上司に認められようとした結果、死を迎えてしまった。
部下の死の真相知ろうと、ラブのセミナーに参加するが、ラブは現れなかった。
拓海の気持ちに気づいておきながら、理華からチャンスを奪ったラブ。理華は気づいてしまった。
いつも「自分を解放する」「自分が好きなように生きる」と理想を語り、【めがみさま】と崇められているラブこそ
孤独に苦しみ、今もまだ孤独の中におり、賞賛を浴びることで生きることができる。もしその賞賛がなければ、ラブはただのクズだと気付いた。
本気でもみ合いになった2人。ハサミを手にしたラブ。理華は笑顔でラブを抱きしめた。
それが理華の答えだった。
ラブと一体になること。そこへ拓海が迎えに来るが、理華が振り向くとラブはいなかった。
代わりに、理華の肩にラブのタトゥーがあった。ハサミで刺された痕も消えていた。ラブは理華の中に消えたのか?
部屋のゴミ箱には、大量のエチゾラムの空箱が捨てられていた。ラブこそ精神安定剤を飲まなければ生きていけない人間であり、
強がりと言う殻で、自分を覆い隠し、自らの理想を現実化し、賞賛を浴びることで彼女は生きることができた。
でももう彼女が生きることができない。
何度も影武者をしてきた理華は、セミナー会場に行きつぶやいた。「めがみさまはもういない」
理華はエチゾラムを摂取しながら、ラブに会うまで生きてきた。それぞれが精神安定剤に頼りながら、
ギリギリのところで踏ん張っていた。その助けを求めたのがラブのセミナーだった。しかし、ラブはそんなギリギリの人々が作り上げた偶像だったのかもしれない。
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