「祈りのカルテ」1話、精神科救急搬送、自傷跡のなぞと彼女の本心
諏訪野は次の研修科目である精神科へ来た。さっそく昨晩夜勤の時に救急搬送された女性瑠香を担当することになった。
研修期間は1か月。彼女は2か月ごとにいつも睡眠薬の多量摂取で搬送されてくるという。
そして、諏訪野は血管を探すように指示されて、腕をまくりやけどの跡に驚きを隠せなかった。
コンテンツ
精神科へ救急搬送されてきた女性
夜勤担当だった諏訪野は、「睡眠薬の多量摂取」と聞き、気管から薬を無理に吐き出すのかと思ったが、
救急隊員の話では、空のシートが30錠で自分から119番していることから、無理に吐き出させると、
他の症状につながりかねない。30錠は致死量ではないので、胃洗浄は行わないことを知った。
そして、点滴のために血管を探す諏訪野は、右腕のやけどの痕に驚いてしまった。
左腕には自傷痕、右にはたばこでできたと思われるやけどの痕。そして彼女は決まって2か月に1度こうして運ばれてくるという。
そして、翌日から「精神科」へ配属となったが、立石の元で研修をすることになり、さっそく昨日の女性の担当となった。
診察の様子を見せてもらうと、他の科では詳しくカルテを書く必要はないと言われたが、
立石はすべてを細かく記載していた。立石曰く精神科は「聞く科」というほどに、患者の話しを聞く必要があった。
そして、年齢も近いことから、立石は諏訪野を瑠香の担当に付けることにした。
原作
「祈りのカルテ」
「祈りのカルテ 再会セラピー」
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主題歌
『想花』
Kis-My-Ft2
自傷痕のなぞ
瑠香を担当するにあたり、諏訪野は彼女が最初に来た時のカルテを見せてもらった。
そこには今は消えかけてはいるが、かすかに残るやけどがはっきりと見えた。そして諏訪野は角度を変え
「これ文字に見えません?」と立石に行った。そして二人で顔を横にしてみると「アキラ」と読めた。
アキラは離婚した旦那だった。そして、諏訪野は瑠香の元へ挨拶へ行くが何も話してくれなかった。
そして、その内容も克明にカルテに記した。そして、また諏訪野は瑠香を訪ねた。
瑠香の境遇と、自分の境遇は似ていた二人とも、幼くして父を亡くし、母が再婚したが、
義父との関係はよくなかった。そんな話を諏訪野がすると、瑠香は自分から離しだした。
「優しいあの人に会いたい。あと二日で退院する」というのだ。そのこともカルテに記載したが
立石にも諏訪野にも意味が分からなかった。そんな時夜勤をしていると、生活保護受給者の男性広瀬が
足をひねってしまった。とやってきた。そして「明日は生活保護が入るから何かお礼がしたい」
と言ったが、医師はそういったものは受け取れないと、丁重に断ったが、瑠香が言った二日後。
それは、瑠香も受給している「生活保護」の支給日だった。そして、ロビーで瑠香の元夫が様子を聞きに来た。
しかし、瑠香の精神状態を考えて会わないで帰るという。再び夜勤をしている日に、瑠香の血液検査の結果を見た。
そして、検査について項目を増やしてほしいと諏訪野はお願いした。これで自傷痕の謎が解けたかもしれない。
彼女の本心はどこにあるのか!?
彼女が希望する退院日は「5日」、諏訪野はその日に彼女は何かをするのではないかと思い
立石に彼女を退院させないように進言した。しかし、追加の血液検査の結果を見てすべてがはっきりした。
搬送された彼女の血液からは、睡眠薬は一切検出されていなかったのだ。すべて彼女の自作自演だった。
そして、右腕のやけどの痕は自分でつけたものではない。もしかしたら元旦那からDVを受けており、
その時にたばこで名前を書かれたのではないのだろうか!?そして「優しいあの人」というのは
生活保護が支給されるときだけ、元旦那はやさしくて、生活費を搾取しているのではないのだろうか!?
それを裏付けるように、いつも2か月おきに入院しては、5日に退院している。
そんな推測を彼女にぶつけたが、彼女は強引に退院してしまった。そして、精神科の研修が終わるころ、
瑠香が救急搬送されてきた。今度は睡眠薬の過剰摂取ではなく、元旦那からのDVでけがをしていた。
しかし、瑠香は諏訪野がやっと気づいてくれたことに感謝した。そして、自分から元旦那を呼び出し、
DVを受けることを想定して、警察を呼んでいたので、ケガもあまりひどくないまま彼は逮捕された。
最初は「解離性パーソナリティー障害」と診断されていたが、これにより彼女は「DVの後遺症による精神障害」
と診断が変わったが、これからDVを受けても彼に依存していた瑠香は精神科で治療をしなくてはいけない。
諏訪野の次の研修先は、外科だった。同じ研修医冴木の父がいる診療科目になる。
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