不可解な事件の真相が明らかになる「リカ〜リバース〜」最終回
幸子は麗美に電話をして、今日限りで家政婦を辞めることをつけた。そして荷物は明日取りに行くことにして、今日は家政婦紹介所に泊まる事ことにした。
しかしその間、雨宮家では大変なことが起きていた。新たな「純愛モンスター」が誕生していた。
それは誰かに愛されたくても、自分1人だけ誰にも愛されなかった、悲しみからの誕生だった。
コンテンツ
麗美の疑念
ユカは庭に以前あった花壇を、再び作ろうとしていたが、麗美にきつく止められてしまった。
なぜだかそこだけ草も何もなく、土がむき出しになっている。幸子も以前からその場所を不審に持っていた。
そして、宗像先生を3人で追いかけた日、リカはやけになり宗像先生と写した、ポラロイド写真は切り刻んでいた。
ユカも宗像先生とのツーショット写真を持っていた。リカはユカに辛くないのかと迫り、ユカにも写真を切るように迫った。
するとそこに麗美がやってきて、切りかけていたユカの写真を取り上げ、宗像先生の部分だけライターで燃やした。
そしてその夜事件は起きた。宗像先生が住むアパートが火災に遭い、3人の死亡者が出た。
その被害者の1人に、宗像先生がいた。雨宮家に関わった人物がまた1人なくなった。
麗美は宗像先生の葬儀から3人で帰ってきて、意味ありげに「この間家に来た警察の人に話しかけられたわ。放火の疑いがあるんですって。」
リカは一瞬はっとした。しかしすぐに宗像先生を失った悲しみに暮れていた。それを横目で見ていたユカがいた。
麗美は土が丸出しになっているあの部分から、人の骨を全て掘り出して袋に詰めていた。やはりあの下には人の骨が埋まっていた。
そして2階にある自分の寝室へ袋を持って入ると、そこにはお腹から血を流して倒れているリカがいた。
その光景に驚いていると、返り血を浴びた白いネグリジェを着たユカがナイフを持って立っていた。
ユカがリカを殺してしまったのだ。それは誰かに愛されたくても、愛されなかった悲しみからだった。
内気なユカ
いつも比べられてしまう双子に生まれてしまった2人の姉妹。リカは明るくて成績優秀な美人だった。
ユカは内気で、リカよりも少し成績は劣るが、特に頭が悪いわけではなかった。いつもリカの影に隠れてしまう存在だった。
ユカはいつもリカに憧れていた。リカがやる事は何でも真似した。しかしある時気づいてしまった。上にリカがいる限り、自分はリカにはなれない。
そして、その思いをますます強くしていたのが、父武士の存在だった。父はユカに一切話しかけることも、贈り物をすることもなかった。
自分だけが、父に愛されていないことがよくわかっていた。どんなに頑張っても自分は父には褒めてもらえない。リカがいるから。
しかしそんな父親は、リカを愛するだけでなく、前にいた家政婦や、千尋先生を愛していた。自分を愛さないで他の女性を愛している。
そのことがユカには許せなかった。そのため千尋先生を家に呼び出した。突然辞めたと聞いて、お礼を言いたいと。
そう、あの時千尋先生を呼び出したのは、麗美ではなくユカだったのだ。
しかしその時リカは、ユカが入れたジュースで眠らなされていた。なぜならユカには考えがあったからだ。それをリカに知られてはいけなかった。
そしてリカが眠っている間に、ユカは自分の思いを全うした。そして何事もなかったように振る舞っていた。
しかし、麗美が庭の土を掘り返し、すべての骨を回収したことで、ユカの中で全てが壊れてしまった。
雨宮家の真実
誰もが羨む雨宮家。美人な妻とクリニックを経営する夫。そして優秀な双子の姉妹。どこから見ても、憧れしかなかった。
しかし、それは麗美の憧れの家庭を無理矢理形にしたもので、本物ではなかった。取り繕った幸せはもろくも崩れていく。
麗美の憧れの型にはめられた夫は、息苦しくなり、他の女性によりどころを求めた。
その結果、麗美は自分を愛してくれる本当の運命の相手を探すようになった。その相手が宗像先生となった。
しかし、宗像先生はリカとユカの憧れだった。特にリカに関しては「絶対に結婚する!」と麗美を説得するほどだった。
でも麗美には通じなかった。宗像先生こそが自分の運命の相手。リカの運命の相手ではない。自分のためなら子供を犠牲にしても構わない。
しかし、密かにユカも宗像先生に憧れを抱いていた。でもそこはリカに遠慮して気持ちをぐっとこらえていた。
ユカにとってリカは憧れの存在だが、リカの為なら、自分は我慢するほか仕方がなかった。いつでもユカはリカを優先してきた。
しかし、リカと麗美はとてもよく似ていた。だからこそ麗美は身の回りで起きる不可解な出来事はリカが関係していると思っていた。
だから庭の土を掘り返して、骨を回収してしまったのだ。前の家政婦と、千尋先生がこの下に眠っていると麗美は気づいていた。
リカをかばうために、骨を回収してしまったため、ユカの思いは音を立てて崩れてしまった。自分は母にも愛されていない。
周りの人はみんなリカの為なら何でもする。でも自分のために誰かが何かをしてくれる事は無い。ユカは気づいてしまった。リカがいるから。
リカがいる限り、自分はリカのようにはなれない。そして何よりもリカになれない。そのことに気づき殺害してしまった。
純愛モンスター誕生
麗美はそこで初めて気づいた。今までの不可解な出来事は、すべてユカの仕業だった。
愛されたい人に愛されたい。そんな思いから、邪魔者抹消し続けていたのは、リカではなくユカだった。麗美はリカだと勘違いしていたのだ。
だから宗像先生のアパートに、放火の可能性があるとリカにカマをかけていた。
まずなぜ家政婦が殺さなければいけなかったのか。それは父が家政婦を愛したからだ。自分ではなく家政婦に愛情を向けたことが許せなかった。
そして千尋先生についても、同じように自分に向けるべき愛情を、千尋先生に向けたから。
そして父親に関しては、それでもなお自分を愛さず、愛情注いでもらえなかった。そんな悲しみから殺意が生まれた。
そして宗像先生については、リカが良いアドバイスをくれた。宗像先生が家庭教師辞めると聞き、写真を切り刻んだ時、
「こんなんならいないほうがマシ」とリカがつぶやいたことがヒントになってしまった。宗像先生がいなくなればいいんだ。
そう思ったユカは、宗像先生のアパートに張り込み、帰宅したことを見計らって、アパートの横のゴミに火をつけた。
そして最終的にリカは、ユカの憧れの存在だった。そしていつもリカになりたかった。でもリカが存在する限り、自分はユカでしかない。
だから最終的にリカを殺して、自分がリカになりたいと思った。そうすればみんなが私を愛してくれると思った。
そんな犯行の全てを麗美に打ち明けて、ユカは自分を愛さなかった麗美を刺し殺してしまった。
翌日、幸子は荷物を取りに雨宮家に入ったが、恐い位に静まり返っていた。そして振り向くとユカが「私は雨宮リカ。」と言うと、
その犯行の一部始終を知らなくとも、宗像先生との会話を聞いているので、幸子もある程度のことを知っているとユカは感じているのだろう。
「死ねばいい」と幸子に向かっていた。
過去ドラマリンク
世紀の純愛モンスターであり、最強のストーカー「雨宮リカ28歳」
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