子供のころから障害がある。という場合によく耳にする障害名のひとつに「自閉症」はありませんか?
1940年にレオ・カナー医師により発見された比較的新しい障害名です。
では、自閉症はどういった特徴を持つ障害なのか見ていきましょう。
「自閉症」の特徴
以前にも「発達障害」は先天性であり、生まれ持った障害であることは説明させていただきました。
その数ある「発達障害」の中でも、より多くの特徴を持つのが「自閉症」なのではないでしょうか!?
自閉症児の割合は1000人に1人か2人、女の子よりも男の子のほうが5倍多いという研究結果もあります。
そして、障害があるから。といって、「知的レベル」が低いわけではなく、逆に「知能指数」が70以上と高い場合が多いので
他社との関りかたをうまく学ぶことにより、社会生活も正常に行えることができます。
発症時期
「発症時期」と書くには間違いを招く言葉かもしれませんが、「自閉症」は生まれつきですが、
親が「自覚する時期」「気づく時期」「周囲が気づく時期」と言ったらいいでしょうか。
自閉症の特徴が大きくなる時期でもあるので、周囲が気づきやすくなります。
それまで親としては「育てづらさ」を感じたり逆に反応がなく「育てやすさ」ととらえたりしているかもしれません。
おおむね周囲が気づくのは、3歳ごろといわれています。
なぜか・・・と、言えば、3歳となると「保育園」「幼稚園」など、子供として初めて社会生活を送る場へ出ることになります。
他に兄弟がいる場合、親は兄弟と比べてもう少し早く障害に気付くことができるかもしれません。
対人関係がうまく築けない
意思疎通が難しい
活動や興味の範囲が極めて狭い
など、たいていの場合大きく3つの特徴が現れるとされていますが、子供によっては
感覚過敏(触られるのを極端に嫌がる)
行動の繰り返し
など、赤ちゃんの時から見られる場合もあり、夜泣きが激しく、お昼寝もなかなかしない場合や
逆に、他者に興味がないため、自分の世界にこもって遊ぶため「手のかからない子」という場合もあります。
サヴァン症候群
レインマン 【Blu-ray】 [ ダスティン・ホフマン ]
1988年にトム・クルーズ主演で注目された「レインマン」を観たことはありますか?
ダスティン・ホフマン演じる、年の離れた兄は「自閉症」のため、施設にいましたが、あるきっかけで弟と行動を共にすることとなります。
兄には「サヴァン症候群」という特殊な能力があり、一瞬で見た物を記憶したり、過去未来の日付と曜日をすぐに言うことができたり・・・。
弟は、そんな兄の特殊な能力を利用して、カジノで一儲けしようとします・・・。
「サヴァン症候群」は発達障害児に多く見られる現象ですが、特に自閉症児に多く見られます。
その割合は10人に1人。残念ながら我が子にはそういった特殊な能力はありませんが、
知り合いの自閉症の男の子にはあります。
「○○くん、みんなであのお店に行った日は?」と、聞くと、何年何月何日、誰と誰がいて、どこにあるお店に行き、駐車場はどこを利用したか。
未来についても、カレンダー要らずだそうです。
日常生活
自閉症を持つ子供にとって、日常生活は健常者が想像するより困難だとおもってください。
いつも同じ習慣が必要
同じ時間に起きて、同じ手順で手洗いなどを済ませ、同じ時間に同じメニューの朝食を済ませ、同じ時間に家を出る。
本棚があれば、自分の中にあるルールにそって本を並べていく。少しでもルールから外れた本があるのを極端に嫌がる。
経験したことのないことへの恐怖感があるため、急な予定変更などは極端に嫌がる。
健常者にとって、毎日「変化」があるのは当然のことですが、自閉症を抱える子供たちにとっては、それは「未知の世界の恐怖」と感じることもあります。
同じ手順で、同じことを繰り返すことに「安心感」を覚えるのです。
視覚からの情報が大きい
自閉症を持つ子供にとって、「言葉でのコミュニケーション」は極端に苦手です。
同じ言葉を繰り返したり、こちらが聞いたことをオウム返しのように繰り返したり・・・。
そんな場合は、目からの情報「文字で伝える」ことが有効です。
これは発達障害を抱える子供の多くが抱える問題のひとつです。
声、言葉で情報を伝える、約束をするよりも紙に書いて、時系列にわかりやすく説明することが有効です。
そのため、特に予定変更を苦手とする自閉症の子供には常に目もを持ち歩いて、状況を説明し、予定の変更があるならばしっかりと説明することが不可欠となります。
もし、突然何も知らされず、予定が変更となった場合や、待ち時間などが長くなった場合に、大きなパニックに陥る場合もあります。