毎朝のバイタルチェック

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入院中は、毎朝決まった時間ではないけど、午前中に「バイタルチェック」がある。

検温

血圧

脈拍

気分

睡眠

他の病院と違うのは「気分」「睡眠」を聞かれることかな…。

聞かれてもなかなか答えられないけど。

毎日の気分は変わらない

毎日、毎日「今日の気分はどうですか?」と、聞かれてもなかなか答えられない。

これが1日のおわりなら何かしら答えられるのかもしれないけど…

いつも

「まあまあ」「ほどほど」

と、答えてしまう。具体的にどう答えたらいいのかわからないこともある。

 

彼女の毎朝

同室の彼女はこれが初めての入院ではない。

しかも、病名もないため「退院」時期についての目処がたっていないらしい。

彼女は看護師さんに詳しい。そして何人か仲のいい看護師さんがいるみたいだ。

仲のいい看護師さんが来た時は

「死にたい」

「消えたい」

「何のために生きてるかわからない」

「家族に迷惑をかけている」

「夜眠れないから頓服もらっても効かない」

「食欲がわかない」

 

と、後ろ向きな発言を繰り返している。確かに先が見えない入院で不安がいっぱいなんだろうな。

でも、夜眠れないのは「昼寝をたっぷりしているから」私からしたら、夜も昼も眠れないから羨ましい。

でも、昼寝をする彼女にも言い分がある。

「昼間に起きてると、死ぬことばかり考えて自傷したくなる」

わからないこともない。

しかし、昼間に起きて、何かで気を紛らわし、夜はしっかり眠る!!

彼女は昼間に嫌なことを考えるから、頓服も効かないくらいに昼寝をしてしまうが、

逆に頓服が効かないことで、夜暗い中嫌な考えばかりが頭の中をめぐるらしい。

 

食欲がわかない本当の理由

 

彼女は元々、胃が食べ物を受け付けなかったが、処方薬が合い食べれるようになったはず。

証拠にインスタントのミニ食品は食べている。

きっと、すでに病院食の味に飽きてしまっていたり、インスタントの方が美味しく感じているんだろう。

そして、食事前にお菓子をパクパク食べているのも知っている。

食欲の前に、他で食欲を満たす楽な方法を覚えたからではないだろうか…?

今までたべられず、小さくなった胃に粘膜に効く薬を処方されたため、喉が乾き水分を流し込み

食べたいと思ったお菓子や、インスタントを食べれば、病院の食事を見ても食欲はわかないだろう。

 

毎回、そんなやりとりを看護師としているが、彼女はかわろうとはしない。

そして、お菓子やインスタントのことは口にしない。

退院する目処がたたず、不安な気持ちを口にしながら、やっていることは「退院したくない」ことばかりなのかな…?

私も、もう少しこの「病院」と言う壁に守って欲しい。

きっと彼女もそうなのかもしれない。死にたいと口に出して、それを実行しても病院ならば助かる。

彼女の不安の本質も私と同じで「病院」という鎧をぬぎたくない。

いつまでも、湧き出る不安や、漠然とした恐怖から守って欲しいのかもしれない。

 

私にできるのは、彼女がしているつまみ食いを見逃し、口外しないこと。

かつての「死にたい自分」を見ているよう…。

私もあの時「死にたい」と口にして、誰かに守って欲しかった。本当に死ねなくても誰かに肩を抱いて

大丈夫だよ

って常に言って欲しかったなぁ。あれからもう20年以上経つけど、私は生きている。

ここ10年で何度自分の命をかけたかわからないけど、私は今いきている。

彼女も生きられる!大丈夫!

 

うつ病の入院日記

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