なんだか不思議な関係性になって来た4人「大豆田とわ子と三人の元夫」2話
とわ子はそもそも建設会社の社長になろうと思って、なったわけではなかった。
ただデスクに向かい図面を描いているのが楽しかった。しかし、前任の社長が病床に臥せ
次期社長にとわ子を推薦した。しかし、すぐに答えは出せず、高校生が分厚い参考書で勉強し
そのご褒美に苺タルトを食べるのを見て、社長になろうと決めた。
コンテンツ
慎森の存在
慎森は3人目の夫。知り合った時はまだ彼は弁護士ではなかった。
しかし、2人でいることが楽しくて、それでもよかった。弁護士でなくても
とわ子を支える専業主夫として、毎日お弁当を作り家から送り出す。
そんな日常でもよかった。でも、スーパーなどに行くと、「昼間からスーパーで買い物して・・・」
という、世の中の偏見に彼は耐えられなくなった、そしてそのまま帰ってこなくなった。
そこでとわ子の中では終わった関係となった。しかし慎森の中では「離婚」が未消化のままで
ずっととわ子のことが心に引っ掛かったまま、とわ子の事務所の顧問弁護士として働いている。
だから、嫌でも毎日のように顔を合わせる。そしてとわ子が他の男性と話したりすると気になる。
思い出のソファー
今回担当するインテリアメーカーの男性から、「これに座ったらもう立てませんよ。」と言われ
即決で「私、買います!!」とソファーを買ってしまった。結果家に2つのソファーがある。
1つはオレンジのソファー。それは慎森との思い出のソファーかもしれない。
2人で帰る夜道に、粗大ごみとして出されていたのを、目で合図して家に持ち帰った。
確か、まだ付き合う前、それがきっかけで付き合いだしたのかもしれない。
そして、そのソファーで慎森の膝枕でくつろいで映画を観たり、いろんな話をしたり、
時には「洗濯物置き場」になったりしたソファー。しかし、部屋に2つもいらない。
とわ子は捨てたくはなかったが、決断したら早かった。ノコギリを持ち出し、ソファーの足が邪魔で部屋から出ないので
足を切断し、粗大ごみに出した。これですっきりとした部屋になったと、新しいソファーでくつろぐとわ子。
そんな時、取引先から「高級な卵」をもらい、これは「すき焼きを食べるのではなく、卵を食べるんです。」
と、木箱に入った高級そうな卵を唄に見せると、SNSにアップした。するとそれを見た元夫たちが
八作は調味料、鹿太郎は野菜、慎森はお酒を持って集まり、八作がすき焼きに適した鍋を持ってきていた。
しかし、ソワソワするとわ子。タイミングがつかめない!!「誰も肉!!を持ってきてない」
やっと言えた、すき焼きなのに、いくら「卵を食べる」と言ってもすき焼きなら【肉】は必須!!
ということで、唄はスーパーに、鹿太郎は違うスーパーに、八作はお店の冷蔵庫へそれぞれ行った。
しかし、慎森だけは「みんなが行く必要もないんじゃない」と残った。そして、外に捨ててあったソファーが気になっていた。
やっと言えたソファーの事
慎森はやっと、来た時から気になっていた、外に捨ててあったソファーのことを言えた。
とわ子が営業先から、新しいソファーを購入した時も会社にいたから知っている。
しかし、2人の思い出のソファーを、足を切断してまで捨てる必要はあるのか!?
「洗濯物はどこに置くのか!?」あのソファーがいかにこの家に大切な物かを力説するが
とわ子はあっさりとしている。それは「離婚」ということで、慎森との思い出に区切りがついたから。
でも慎森の中では、離婚が未消化のまま、ずっと残り続けて今でも「離婚」した実感がない。
やっと本音を言うことができた。慎森は自分から家を出ていったのに、離婚に納得がいっていないのか!?
そして、今でもビジネスホテルで生活しているのは、とわ子への未練なのか!?
2人の話し合いの間に、唄が帰ってきたが、肉はなかった。しかし、後の2人が肉を持ってきた。
しかし、慎森は「すき焼き」を食べに来たのに、食べずに帰ってしまった。その理由はとわ子しか知らない。
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