フジテレビドラマ「シャーロック」守屋に結びつくクレタ人とは
現在フジテレビで放送中の、「シャーロック」の第8話にて、誉が安蘭に出した挑戦状が注目されています。
それは生きてカメラを見据えているライオンの写真の裏に書かれたメッセージです。
「クレタ人は嘘をつく」
このクレタ人とは何を意味しているのでしょうか?
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クレタ人
誉が、この言葉を送ったのは、「サットンビジネススクール」の代表の安蘭世津子に向けてでした。
先に挑戦状を送ってきたのは安蘭の方です。死んだライオンの写真の裏に「ヴィジネル方陣」で書かれた暗号で、誉をおびきだしました。
おそらく裏で操っている、守谷の仕業でしょう。
死んでいるライオンは誉れを意味しています。誉獅子雄の獅子はライオンを意味します。
そしてその返信として、誉が秘書に渡したのは生きているライオンの写真。そしてその裏に書いたメッセージが「クレタ人は嘘をつく」
このメッセージを受け取った安蘭は、2つのチョコレートを用意して、誉を待ちました。
白いチョコレートと黒いチョコレート
これが「クレタ人は嘘をつく」の答えです。誉は自分でチョコを選びませんでした。
秘書は、誉に白いチョコレートを選びました。
という事は、残りの黒いチョコレートが安蘭のものです。
しかし誉の合図で、刑事の干支が乗り込み、秘書を殺害容疑で逮捕する寸前でしたが、安蘭が
「クレタ人は嘘をつく」
「毒なんて入ってないわよ」
「クレタ人は嘘をつく」
と、黒いチョコレートを食べました。結果的に青酸カリが入っていて、安蘭はその場で死亡しました。
誉が出した安蘭への質問の答えは「クレタ人は嘘をつく」でした。
このクレタ人と守屋が大きく関係しているからこそ、安蘭は誉の挑戦状に乗ったのでしょう。
そして毒なんて入っていないと嘘をついて、チョコレートを食べ真実が明るみになる前に自殺をしたのでしょう。
この「クレタ人」は紀元前600年頃、クレタ島にいる人々のことを指しています。
このクレタ人の中の1人が「クレタ人は嘘をつく」といったのが、始まりですがこれは「嘘つきのパラドックス」考案の元になっています。
嘘つきのパラドックス
まずクレタ人の1人の預言者が言った言葉に始まります。
「クレタ人はいつもうそつき、悪い獣、怠惰な大食漢だ」
伝説的哲学者のエピメニデスは、この話が真実であると記しています。
クレタ人がいつも嘘をつくならば、「クレタ人はいつも嘘をつく」と言う言葉も嘘だと言うことです。
つまり嘘をつくと言っている人が、言っている事は嘘だと言うことです。そこに嘘の無限のループがあると言うことです。
いつも嘘をつくと、正直に話しているのだから、今話していることも嘘なのです。
なぜ「嘘つきのパラドックス」が議論されるかと言えば、そこに真と偽が矛盾して存在をしているのです。
ではなぜここで、誉が嘘つきのパラドックスを引き出してきたかを考えてみます。
守屋の存在
守屋についての存在は、2話に登場した「地面師事件」について名前だけ出てきました。
誉の様子からすると、誉と同等の頭脳を持ち、誉が善を働くのであれば、守谷はその頭脳で悪を働く存在であると言うことです。
つまり誉にとって、生涯向き合い続けなければいけない存在と言っても良いでしょう。
それが8話で、守屋壬三に20年以上酔倒のある安蘭世津子が登場し、誉は守屋に近づくことができるかと思われましたが、安蘭の自殺により再び遠のきました。
安蘭に近づくために出した挑戦状「クレタ人は嘘をつく」はどういった意味合いを持って書いたのでしょうか?
1960年に廃止された法律で「土地台帳法」と言う法律がありました。
第1条第1項で「この法律の施行地にある土地については、その状況を明確にするため、この法律の定めるところにより、土地台帳に必要な事項の登録を行う。」
と明記しておきながら、
第44条で「この法律は、国有地には、これを適用しない。」
と、完全なる矛盾が発生しています。
なぜこういった矛盾が発生したかと言うと、1947年に施行された「土地台帳法」の第88条に明記された「本法ハ国有地ニ之ヲ適用セズ」そのまま引き継いだためです。
守屋は地面師としても登場しているため、この土地に関する矛盾の法律を引用するため誉は「クレタ人は嘘をつく」と表現をしたのではないでしょうか?
地面師であれば知っているであろう、嘘つきのパラドックスの日本における代表的な、具体例がこの法律だということです。
それゆえにクレタ人を引き出したことで、守谷を意味したのではないでしょうか。
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